トヨタ、センサー不具合での“強制ストップ”回避に議論で前進。プジョーは「独自の解決策」に取り組む
WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタGAZOO Racingは、第2戦ポルティマオ6時間レースで見舞われたトルクセンサートラブルの管理方法について、シリーズの主催者と「建設的な」話し合いを行ったと明らかにした。
ポルティマオの決勝序盤、7号車GR010ハイブリッドはトルク測定センサーの不具合によりドライブシャフトの交換を命じられ、ガレージで11分間を過ごすことになった。
ポルティマオではプジョー9X8にもレース後半にセンサーの不具合が発生したが、彼らは充分なレース距離を走行していたため、ドライブシャフトの交換は命ぜられなかった。彼らの94号車はバックアップまたは“デフォルト”モードで、チェッカーを受けることができた。
トヨタのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、今週末の第3戦スパ6時間レースに向け、将来起こりうるセンサートラブルの影響を軽減するための話し合いを行ってきた、と語った。
ハイパーカークラスにおけるトルクセンサーは、BoP(性能調整)を管理する目的で使用されるもので、シリーズオーガナイザーであるFIAとACOフランス西部自動車クラブから装着が義務付けられているもの。各チームは、外部サプライヤーからこのセンサーを調達することになる。
バセロンはスパでのグループインタビューのなかで、「まず、今回起きたことは、明らかに我々の管理下にはなかったことが明らかとなった」と語っている。
「我々はACOおよびFIAと、そのような起きたときになるべくクルマを停止させないようにする必要がある、という合意にすぐさま達した」
「我々は(水曜日に)非常に建設的なミーティングを行い、どのように手順を改善するか、デフォルトモードでの走行を可能にするために、利用可能なデータを最大限に使っていくことを確認した」
「デフォルトモードは、あちこちでパフォーマンスを上げようとする意図を生むものであってはならない。何らかの形でパフォーマンスを落とすモードであるべきだが、それが過度なものであってもならない」
「技術的な詳細をすべて説明するのは難しいが、パフォーマンスを上げることができないデフォルトモードを定義する、というアイデアだ」
「センサーは非常に重要なものだ。パワー、スティント中のエネルギーレベル、ディファレンシャルをコントロールできるセンサーがある。これらすべての制御について、デフォルトモードではマシンを走らせることができるが、パフォーマンス上のアドバンテージがないことを確認しなければならない」
ハイパーカークラスのマシンにレース序盤にWECが要求するセンサーに問題が発生した場合、大きなタイムロスが発生する可能性が低くなったことをバセロンは指摘している。
「(オーガナイザーとの)コミットメントは、利用可能なデータを最大限に活用する、というものだ」とバセロンは説明する。
「ポルティマオの最初のスティントでは、有効なラップの70パーセント分のデータはあった」
「(合意に達した)アイデアは、デフォルトモードを定義するために、少ないデータであったとしても、可能な限り使用することだ」
ポルティマオで発生した問題は、WECのレース中には過去に発生したことがなかったが、過去3年間のテストの中のある段階では発生したことがあると、バセロンは認めている。
■解決策への取り組みは「我々の仕事の一部」とプジョー
一方のプジョーも、FIAやACOと今後レース中にセンサーが故障した場合の対処法について協議した。
「まず、故障の根本原因を理解することだ」と水曜日の午後、プジョーのWECテクニカルディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニーは語った。
「我々はいくらかの“ヒント”を手にしているが、このセンサーは他の参戦車と共通のものとなるため、我々の中にとどめておきたい。我々は、我々のパーツのサービスや管理方法について、できる限り(情報を)守りたい」
ジャンソニーによると、プジョーは故障したセンサーをバックアップするための「独自の解決策」に取り組んでおり、ポルティマオ以来「その方向へのステップ」を踏んでいるとのことだ。
「これは明らかに我々の側(にある作業)であり、我々の仕事の一部だ」とジャンソニー。
「そしてもう一方の側では、バックアップモードでの走行を許可するかしないか、主催者と話し合うことだ」
「そこには、まったく異なるふたつの作業がある。我々は、実際に我々の側にある方の作業に取り組み始めているのだ」
「トヨタ」をもっと詳しく
「トヨタ」のニュース
-
痛恨スピン、予選61番手の小林可夢偉「長い決勝で最善尽くす」トヨタはハイパーポール進出ならず/ル・マン24時間6月13日13時13分
-
8号車トヨタ首位、予選最速のBMWがクラッシュ【タイム結果】2024年WEC第4戦ル・マン24時間 FP26月13日7時39分
-
宮田莉朋の“ライバル”となるか。トヨタのハイパーカーを目指すバーニコート「ル・マンで好結果を出せば一歩近づく」6月13日6時14分
-
8号車トヨタが首位発進、ポルシェ、BMWが続く。LMGT3は木村組レクサスが最速/ル・マン24時間FP16月13日0時41分
-
グループ各社の総会、出席せず トヨタ会長、方針変更6月12日20時34分
-
修理費の過大請求、1万6千件 トヨタの系列販売店11社6月12日17時45分
-
トヨタ会長、グループ各社の株主総会に出席せず 方針を変更6月12日16時23分
-
ボディサイズがもたらす流石の安定感。国産車離れのデザインも高評価/トヨタ・クラウン・スポーツ試乗記6月12日12時18分
-
TOYOTA 2000GT デザインTシャツが登場6月12日10時46分
-
トヨタGR、モントレーは7位。眞貝「アップデートをタイムにつなげられず悔しい」/全日本ラリー第5戦6月12日7時15分
スポーツニュースランキング
-
1町田・黒田剛監督に批判相次ぐ「青森山田時代の…」筑波大のラフプレー非難 FOOTBALL TRIBE
-
2おい、当たってるだろ!大谷翔平への“死球”で物議 一体、何が起こった…!? 審判のありえない行動に球場騒然「大谷さんも苦笑してるw」「大丈夫か?」 ABEMA TIMES
-
3「もう日本で投げたくないんだろうな」佐々木朗希、2度目の登録抹消に“気持ちはメジャー”を疑う声 週刊女性PRIME
-
4町田・黒田剛監督の指導者批判に皮肉も…筑波大OBの投稿物議「煽っている」 FOOTBALL TRIBE
-
5急転直下の電撃発表! 井上尚弥にWBAが指名挑戦者アフマダリエフとの王座戦を指令 9月25日までに実施無理なら“はく奪”も ココカラネクスト