「3回から配球がガラッと変わった」DeNAバウアーの”頭脳ピッチ”を球界OBも絶賛「どの球種も制球力が高い」
変化球主体のピッチングで広島打線を翻弄したバウアー。次回登板も楽しみだ(C)Getty Images
5月3日、待望の公式戦デビュー登板で初白星を挙げたDeNAのトレバー・バウアーは大観衆の中、前評判通りの実力を示した。
初回を三者凡退で終えると、2回にはマット・デビッドソンに高めのストレートをレフトスタンドに運ばれ、序盤で失点を喫した。その後も連打を浴びる場面もあった中、力のあるストレート、そして多彩な変化球を織り交ぜながら、最少失点にとどめゲームを作った。7回を投げ抜き、被安打7、9奪三振、1四球の内容でマウンドを降り、4−1の勝利に貢献、自身のNPB1勝目も手にした。
【動画】バウアーが貫禄の9奪三振で初勝利!何度も首を振った後にカットボールで三振を奪ったシーン
初お目見えとなった一軍公式戦の舞台で堂々たるマウンド姿を披露し、試合後のお立ち台でも満員の観客を沸かせたバウアー。メジャー通算83勝の右腕のパフォーマンスについては、NPBで高い実績を残してきたOBより、その投球術を絶賛する声が挙がっている。
現役時、ロッテで正捕手として活躍し、2度の日本一獲得に貢献した里崎智也氏がYouTubeチャンネル『Satozaki Channel』の中でNPBデビュー登板となった広島戦の内容を分析している。
「率直な感想としては二軍戦での登板同様、安定感、フォームのバランスがあった」
動画の冒頭でこの日のピッチングをそう表しながら「デビッドソンには高めのストレートを本塁打にされるなど、立ち上がりから広島打線が直球に反応していた」と序盤の投球を振り返っている。
その上で「(本塁打での)失点後もテンポは変わらなかったが、3回からは配球がガラッと変わった」と述べ、加えて「3回以降、変化球の割合が一気に増えた。カットボールとナックルカーブ合わせて45%とほぼ半分がこの二つの球種」とピッチングの変化を指摘した。
さらに、変化球の豊富さを称えながら「どの球種を投げても制球力が高い」と印象を語っており「相手に合わせて球種の割合を変化させる頭の良さが感じられた」と見解を示している。
また、変化球主体に変えた後も安定していたとして「ピッチングのパフォーマンスが下がらないところは一流の証」と賛辞を贈っている。
そして里崎氏は、クイックモーションが今後の課題であると付け加えながら、この日の投球の総括として「2回までストレート系が多かったところを広島打線に反応されたが、3回以降ストレートの割合を減らしてカットボール、ナックル、スライダーを主体に相手を幻惑した、クレバーなスタイルが(発揮されたことが)今日、一番すごかったと思います」と興奮気味に話していた。
メジャー時代より定評のある頭脳的な投球を早速披露し、結果も残すこととなったバウアー。風格が漂うそのピッチングでどれだけ白星を積み上げるか、大いに楽しみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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