西武打線を6回無安打で抑えた北山亘基は、なぜ先発で快投できたのか?球団OBが解説「駆け引きの中でアウトが取れる」
北山の好投は新庄監督にとっても心強いはずだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
日本ハムは5月4日の西武戦に勝利し、2カード連続の勝ち越しを決めた。この試合のヒーローは間違いなく先発した2年目右腕の北山亘基だろう。昨年の開幕戦に先発登板したものの、オープナーでの起用だったため、この日がある意味“プロ初先発”だった。慣れない先発のマウンドに動揺することなく、6回0失点の圧巻のピッチング。さらには被安打0と6回までとはいえ、ノーヒットノーランをやってのける十分すぎる結果を残した。
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昨年は抑えとして55試合に登板して、今シーズンも3試合に中継ぎとしてマウンドに上がっていた北山。急な先発転向ではあるが、なぜここまでの結果を出すことができたのか。日本ハムOBの岩本勉氏は4日に自身のYouTubeチャンネルで、「二軍監督や二軍のコーチ、一軍の首脳陣と相談しながら、自分の作り上げたいものを明確に頭に描き、(二軍戦で先発マウンドを経験した際に)『こうやって先発ピッチャーはゲームを作る』『勝つためのレールを敷く』というものをファームの試合の中で感じ取れたんだろうね」と良い準備を二軍で積めたことを挙げる。
北山は二軍戦で先発マウンドに2回立っており、防御率は2・25と上々。結果を出して自信をつけたことも大きいと思われるが、先発投手としての心構えやゲームメイクを学習できたことが、今回のピッチングにつながったのだろう。
次に「フライアウト、ゴロアウト、そして三振のバランスがとても良い。『困ったら三振』とかそういうことに偏らず、ちゃんとバッターを見て駆け引きの中でアウトが取れる」と投球内容を絶賛。続けて、「リリーフの時は強いストレートとフォークボールが大半で、時折投げるカーブがいやらしさを見せていた」とリリーフ時代の持ち球を振り返り、「今日はストレート、スライダーが曲がるというよりもジャイロ回転で、曲がるというよりはやってこない」とブレーキの効いたスライダーが効果的に機能していたと語る。
そして、「北山のイメージをすごく変えさせてくれた。彼の伸びしろを改めて感じた試合だった」とさらなる飛躍を予感した。
先発の軸として期待されたポンセはリハビリのために一時帰国し、メジャーで11勝を上げたガントも右肘の検査と治療のために再来日の予定も立っていない。不運が重なり深刻な先発投手不足に悩まされていた日本ハムにとって、北山は救世主になるかもしれない。1ゲーム差に迫った5位楽天との3連戦では、北山のナイスピッチングの勢いに乗って最下位脱出を狙いたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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