プラ、グリッケンハウスの仕事を称える。予選3&4番手のトヨタは硬めのタイヤを使用/WEC第2戦スパ
オリビエ・プラは、アメリカのLMH(ル・マン・ハイパーカー)コンストラクターであるグリッケンハウス・レーシングがWEC世界耐久選手権第2戦スパの予選で初めてポールポジションを獲得した後、チームとそのパートナーによる「素晴らしい仕事ぶり」を称賛した。
ベテランのフランス人ドライバーは、5月6日にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されたWEC第2戦の予選で708号車グリッケンハウス007 LMHを駆り、2分02秒771のファステストタイムを記録。ロマン・デュマ、ピポ・デラーニとシェアするハイパーカーを、翌日に行われるスパ6時間レースの決勝グリッド最前列に導いている。
プラはその後、ジム・グリッケンハウス率いるチームのバックグラウンド作業を称賛した。彼らのクルマは、ピポ・モチュール製V8ツインターボを搭載しヨースト・レーシングが後方支援を行うなか、マシンの設計を担当したポディウム・アドバンスト・テクノロジーズが運営を担っている。
今戦のスパ・ラウンドはグリッケンハウスにとって、ハイパーカークラスで5回目のWECレースとなり、これまでの予選結果の最高位は前戦セブリング1000マイルでの2番手だった。このときの予選もプラが担当した。
「ジムとチームのために(この結果を得られたことを)本当にうれしく思う」と彼は述べた。
「彼らはトヨタと戦いながら、僕たちがそこにいるために多くの努力を払ってくれている」
「ジム、ポディウム、ピポ、そしてヨーストに感謝しなければならない。彼らは低予算の中で、最初から素晴らしい仕事をしてくれた。(彼らのためにも)ポールポジションを獲得できたのは良かった」
「僕たちは取れるときに取っておかないといけない。それが僕らの仕事なんだ」
■決勝のペースにも自信あり。プラ「悪くないと思う」
プラは、グリッケンハウス・レーシングが土曜日のレースで予選の成功を再現することがいかに難しいかについて幻想を抱いていないことを示唆したが、それにもかかわらずフルスティントでの007 LMHのペースには自信があると述べた。
グリッケンハウスは、予選日に行われたフリープラクティス2ではプラとともに予選シミュレーションを行ったが、それ以外のセッションではロングランに集中した。
「ペースは悪くないと思う」と語ったプラ。「トヨタが何をしていたかはあまり見ていないが、ロングスティントでの自分たちのペースには満足している」
「明日にかけて、非常に接戦が予想されることは間違いない。アルピーヌ(予選2番手)も追いかけてくるし面白くなりそうだ」
「(スパで)全車が近いところに集まることは分かっていた。セブリングではトヨタと接戦だったが、アルピーヌは別のリーグだった。だが、今回は彼らに明らかにパワーがなく我々とトヨタの間に入った」
「我々はセブリングが僕らのクルマにとってベストなコースではなかったこと、そしてこのトラックではもう少し合っていることを知っている」
プラは、予選で最速タイムを記録したラップが不安定なスタートになってしまったと付け加えた。
「最初のターン1でミスをしたんだ。ブレーキングが少し遅れてエイペックスを逃してしまった。そのせいで出口で少しタイムを失った。しかし、その後のラップはかなり良くてポールポジションを獲得するには充分だったみたいだ」
■硬めのタイヤで計測2周目にアタックしたトヨタ勢
TOYOTA GAZOO Racingでテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、チャンピオンチームがレース中にグリッケンハウスとアルピーヌを逆転する「方法を見つける」必要があることを示唆した。
予選でセカンドロウ・グリッドを確保したトヨタ勢は、7号車トヨタGR010ハイブリッドがトップから0.316秒遅れの総合3番手、8号車トヨタGR010ハイブリッドは僚友と0.005秒差の総合4番手となった。
バセロンは、「我々はもっと一貫性を保つ必要があり、そうするしかない」とSportscar365に語った。
「ペース面で不利なのは予想していたことだ。今はレース中に挽回する方法を見つけなければならない」
「唯一の方法はより良いマネージメント、トラフィックとピットストップをしっかりと管理してタイヤをより安定させることだろう。そこでペースの差を挽回する必要がある」
予選において、プラがドライブしたグリッケンハウスのマシンは計測1周目にベストタイムを記録したが、トヨタの2台は2回目のフライングラップで自己ベストをマークした。
このことについて、バセロンはトヨタGR010ハイブリッドがミシュランタイヤの中で硬めの“ミディアム”LMHコンパウンドを履いていたことを明かした。
「コンパウンドの温度を上げるために(余計に)1周必要なのは分かっていたので、予想どおりだった」と同氏。
「フロントロウを取れなかったことは喜べないが、セブリングから行ってきたシミュレーション作業と驚くほど一致している」
■計測2周目にデグラデーションが発生したアルピーヌ
アルピーヌ・エルフ・チームの予選ドライバーを務めたマシュー・バキシビエールは、旧規定のノンハイブリッドLMP1カーである36号車アルピーヌA480・ギブソンで2分02秒999を記録した後、当該ラップよりも速く走ることできないと考えているようだ。
バキシビエールは、「予選では素晴らしいラップができたし、うまくトウを使うことができて良かった」とコメントした。
彼は2周続けてのアタックを敢行したが、計測2周目にタイヤのグリップを失ったため、1周目のタイムがベストラップとなっている。
「2周目もプッシュしたのだけど、ラップの途中で大きなデグラデーションが始まったんだ」と彼は説明した。
「でもそれは、スパでは普通のことなんだ。予選は本当に良かったし、僕らは居るべき場所にいる。一方でトヨタの順位には驚いているんだ」
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