レアルの熱狂的ファンだけど…ナダルがアトレティコを応援、その理由は?
サッカーキング2018年5月8日(火)23時38分
ナダル(左)がアトレティコの応援をしたことが話題に [写真]=Getty Images
レアル・マドリードのファンとして知られるテニスの世界ランキング1位、ラファエル・ナダルが、地元の宿敵であるアトレティコ・マドリードを応援していた。スペインではちょっとした論争を巻き起こしている。
5日から開催されているムチュア・マドリード・オープンにディフェンディング・チャンピオンとして臨むナダルは、3日にアトレティコ・マドリードの本拠地ワンダ・メトロポリターノで行われたヨーロッパリーグ(EL)準決勝セカンドレグのアーセナル戦を観戦した。
これだけなら何の変哲もない話となるが、問題視されているのはナダルのスタジアムでの姿だという。この試合、ナダルはアトレティコ・マドリードのユニフォームを首に巻きながら、アーセナルを1-0で破って決勝進出を果たしたチームに声援を送っていた。これがレアル・マドリードの一部サポーターから反感を買っているという。
とはいえ、ナダルはレアル・マドリードの公式戦を1試合も逃さずに見るほどの熱狂的なファンであり、非難するのは筋違いだろう。実際、ライバル同士が互いに称え合う習慣や文化を持つテニス界に生きるナダルは、6日に行われた会見で自身のとった行為を理路整然と説明した。
「自分は確かにアトレティコの試合を見に行った。素晴らしいスタジアムだった。僕が思うに、あるチームのファンだからといって、別のチームのアンチになる必要などない。アトレティコには多くの友人がいるので、ヨーロッパの舞台で戦う彼らを応援に行った。ハイクラスの試合を見られるのが楽しみだった。また、ハーフタイムにはアトレティコの会長からユニフォームをプレゼントされた。とても寒かったので、マフラーとして使わせていただいたよ」
一方、6日に行われたリーガ・エスパニョーラ第36節の大一番“エル・クラシコ”について質問されたナダルは、話題の中心となっている誤審問題については触れることなく、レアル・マドリードがバルセロナの本拠地カンプ・ノウで2-2のドローを演じた試合を振り返った。
「審判について話をするつもりも、そういったショーに関わるつもりもない。マドリードは勝利するチャンスを手にしたが、それを活かせなかった。とはいえ、非常に中身の詰まった好ゲームだった。それこそがフットボールの楽しさだ」
宿敵同士が意地とプライドを懸けてぶつかり合うのは“エル・クラシコ”の醍醐味だが、試合の激しさが選手間の衝突や審判への批判に転じてばかりでは、後味の悪さだけが残ってしまう。テニスとフットボールは全く別の競技とはいえ、ナダルがどの対戦相手にも見せているようなリスペクトがもう少しあれば、あらゆる面で世界に誇れるナショナル・ダービーになることだろう。
文=北村敦
5日から開催されているムチュア・マドリード・オープンにディフェンディング・チャンピオンとして臨むナダルは、3日にアトレティコ・マドリードの本拠地ワンダ・メトロポリターノで行われたヨーロッパリーグ(EL)準決勝セカンドレグのアーセナル戦を観戦した。
これだけなら何の変哲もない話となるが、問題視されているのはナダルのスタジアムでの姿だという。この試合、ナダルはアトレティコ・マドリードのユニフォームを首に巻きながら、アーセナルを1-0で破って決勝進出を果たしたチームに声援を送っていた。これがレアル・マドリードの一部サポーターから反感を買っているという。
とはいえ、ナダルはレアル・マドリードの公式戦を1試合も逃さずに見るほどの熱狂的なファンであり、非難するのは筋違いだろう。実際、ライバル同士が互いに称え合う習慣や文化を持つテニス界に生きるナダルは、6日に行われた会見で自身のとった行為を理路整然と説明した。
「自分は確かにアトレティコの試合を見に行った。素晴らしいスタジアムだった。僕が思うに、あるチームのファンだからといって、別のチームのアンチになる必要などない。アトレティコには多くの友人がいるので、ヨーロッパの舞台で戦う彼らを応援に行った。ハイクラスの試合を見られるのが楽しみだった。また、ハーフタイムにはアトレティコの会長からユニフォームをプレゼントされた。とても寒かったので、マフラーとして使わせていただいたよ」
一方、6日に行われたリーガ・エスパニョーラ第36節の大一番“エル・クラシコ”について質問されたナダルは、話題の中心となっている誤審問題については触れることなく、レアル・マドリードがバルセロナの本拠地カンプ・ノウで2-2のドローを演じた試合を振り返った。
「審判について話をするつもりも、そういったショーに関わるつもりもない。マドリードは勝利するチャンスを手にしたが、それを活かせなかった。とはいえ、非常に中身の詰まった好ゲームだった。それこそがフットボールの楽しさだ」
宿敵同士が意地とプライドを懸けてぶつかり合うのは“エル・クラシコ”の醍醐味だが、試合の激しさが選手間の衝突や審判への批判に転じてばかりでは、後味の悪さだけが残ってしまう。テニスとフットボールは全く別の競技とはいえ、ナダルがどの対戦相手にも見せているようなリスペクトがもう少しあれば、あらゆる面で世界に誇れるナショナル・ダービーになることだろう。
文=北村敦
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