強さの秘訣は「状況判断」 岩井千怜が横綱相撲でランキング1位に返り咲き
岩井千怜が雨の福岡で連覇を成し遂げた(撮影:米山聡明)
<RKB×三井松島レディス 最終日◇12日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>
大雨が降りしきる和白で、トロフィーを掲げたのは昨年に引き続き岩井千怜だった。「まずはホッとしています」。安堵の表情を見せながらラウンドを振り返る。
いつもは笑顔を絶やさずプレーをする千怜だが、大雨かつ最大12.3メートルの強風が吹く難しいコンディションではギリギリ。「油断するとひっくり返りそうな場面が多々あったので、油断はできないなと思って真剣な顔でやっていました」とこの日ばかりは表情も崩れない。ディフェンディチャンピオンは集中力を切らすことなく、6バーディ・1ボギーの「67」。昨年も優勝争いを演じた山下美夢有や、「66」で急浮上した藤田さいきの2位2人に3打差をつける”横綱相撲”だった。
1番パー5ではパーオンはならずも4打目のアプローチを2メートルに寄せてパー発進。2番パー3ではバーディを奪取し優勝争いを一歩リードした。そこから4番、5番を連続バーディとすると、迎えた9番で魅せた。セカンドをグリーン奥にこぼすも「 58度(のウェッジ)でふわっとしつつ、転がってくれればいいなと思って打ちました」と放った3打目がラインに乗ってカップイン。力強いガッツポーズも飛び出した。「打った瞬間『いいかも』という感じで、パーフェクトな感触でした」。自画自賛のショットになった。
さらに後半も2バーディ・1ボギーと1つ伸ばす危なげないプレー。ただ「ドライバーが左に行くことが多くて、スイングが早くなったりしていたと思う。雨の影響かはわからないけど、回りながら直してという感じでした」と本人のなかでは決して完璧な試合運びではなかった。それでも優勝できたのはグリーン周りの技術が上がったからだという。
「きょうはグリーンを外すことが多かったんですけど、そこからのセーブというか粘り強さは上がってるんじゃないかなと思います。去年より状況判断がうまく出来るようになった。このライで寄る気がしなかったら違う番手を選ぶとか。去年はしていなかったけど、今年は普段だと58度で打っていてもちょっとイメージ違うなと思ったら 54度に持ちかえるなど状況判断がうまくマッチしているような感じがします」
その言葉は数字にも表れている。昨年のリカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)は33位(63.7%)であったが、今季は4位(69.7%)に向上。その一端がうかがえたのが9番のチップインバーディでもあった。
さらに、この優勝で開幕戦優勝以来となるメルセデス・ランキング1位に返り咲いた。「まだまだこれからだと思うので、そんなに死守したいというのもないですし、1試合1試合自分のやりたいゴルフをして結果1位であればいいと思います」。シーズンは残りは26試合もある長丁場。千怜らしい”結果”より”目の前の一打”を大切にする気持ちはこれからも変わらない。
そして、その”やりたいゴルフ”とは「バーディをとって笑顔の姿を届けたいという想いがあるので、元気ハツラツとしたプレーをしていきたい」。初日と2日目には、18番パー5のセカンドで昨年のプレーオフを思い起こさせる直ドラを敢行し、”魅せる”ゴルフも心がけてきた。これからも千両役者として、ツアーの人気に一役買っていくつもりだ。(文・齊藤啓介)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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