佐藤万璃音、ヨーロピアンF3開幕戦でポイント獲得も「2度も心臓が止まりかけた」
2018年、シリーズ唯一の日本人ドライバーとしてFIAヨーロピアンF3選手権に参戦している佐藤万璃音(モトパーク)。5月11〜13日に行われた開幕戦フランス・ポー大会では3戦中2戦でポイントを獲得する走りをみせた。
今季もモトパークからヨーロピアンF3へフル参戦し、シリーズ2年目に挑む万璃音。12日には19歳の誕生日を迎え、チーム代表から“顔面ケーキ”による祝福を受けるなど、在籍2年目のチームとも絆を深めている。
誕生日前日の11日に行われた公式予選1回目で予選B組6番手、総合11番手タイムを記録した万璃音は、12日の決勝レース1で上位ドライバーがエンジン交換を行ったこともあり10番手からスタート。
万璃音は、追い越しが難しい市街地コースでの1戦ながら、危なげない走りで1台を交わすと9位でチェッカー。19歳初戦でポイントを獲得してみせた。
決勝レース1後に行われた予選2回目は雨が降り出した影響で難しいコンディションとなり、レース2を14番手、レース3を10番手からスタートすることに。
明けた13日の決勝レース2は1コーナーへの飛び込みで後方から追突され、前方の車両に激突。万璃音のマシンは前後にダメージを負ってしまい、思うようにペースを上げられなくなってしまう。
加えて、レース中盤には並走していたライバルを黄旗区間で追い越したと判定されドライブスルーペナルティ。完走19台中18位と下位に沈んだ。
最終レース3はスタート直前に雨が降り出しウエットコンディションで幕を開ける。スタートでは前方グリッドのマシンがエンジンストールしたため、万璃音は加速が鈍り、ポジションをふたつ落としてしまう。
8周目、万璃音の前を走っていたマーカス・アームストロング(プレマ・セオドール・レーシング)とフェルディナンド・ハプスブルク(カーリン)がクラッシュしたため、セーフティカーが導入されると、雨あしが強まった影響でレースは11周で赤旗終了。万璃音は10位に入り、週末2回目のポイント獲得を果たした。
■「レース3は2度も心臓が止まりかけた」
「練習走行は1、2回目とも不安定なブレーキ性能に悩まされてリズムに乗れませんでした。それを修復して臨んだ予選1回目の結果は微妙ですね。B組5番手に0.008秒差で同4番手に0.009秒差と僅差及ばなかったからです。自分のセクター最速タイムをつなげればB組4番手だっただけに悔しさはありました」
「決勝レース1のスタートはしっかりと決められました。途中、前のクルマを抜けそうな場面もありましたが、その先にもクルマがいて充分なスペースがないため自重せざるを得ませんでした」
「予選2回目のクルマの状態は良い感じでした。3、4列目のグリッドが狙える手応えがあったものの、セッション終盤での位置取りに苦労して一周をまとめ切れなかったのは今後の課題です」
「決勝レース2はスタート直後にクルマに大きなダメージを負い、苦しい展開となりました。黄旗掲示期間での追い越しに自覚はありませんでしたが、あとで車載映像を見直したら並走しながらも確かに10cmくらい僕が後ろに居ました」
「決勝レース3は2度も心臓が止まりかけました。スタートでフロントロウのクルマがエンジン・ストールした場面と、レース半ばに目の前の2台が絡んだ場面です。いずれも間一髪で避けられたのは幸いでした」
「昨年に比べれば早い時期に入賞してポイントを持ち帰られたとはいえ、内容には満足していません。次の第2大会は公式合同テストでも走ったハンガリー・ブタペスト。今季を占ううえでも大切なイベントになりますし心待ちにしています」
万璃音が挑むヨーロピアンF3第2戦は6月1〜3日、ハンガリー・ハンガロリンクで行われる。
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