マツダが敵地でポールから快走も終盤に失速。WTRアキュラが2勝目飾る/IMSA第3戦
5月16日、アメリカ・オハイオ州のミド・オハイオ・スポーツカーコースでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第3戦の決勝レースが行われ、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)の10号車アキュラARX-05(リッキー・テイラー/フィリペ・アルバカーキ組)が開幕戦以来、今季2度目の総合優勝を果たした。
前戦のセブリング12時間レースから丸2カ月のインターバルを置き今季第3戦として迎えたミド・オハイオは、ホンダの北米ブランドの地元コースであり、アキュラのDPiカーが過去3年間無敗と『ARX-05』が得意としているラウンドだ。
そんなミド・オハイオで15日(土)に行われた予選では、今戦を前に変更されたBoPでエンジンのパワーアップが認められた唯一のマツダ車、55号車マツダRT24-Pが速さをみせ、ハリー・ティンクネルがキャリア初となるポールポジションを奪う。
翌日の決勝は、このマツダを先頭に10号車アキュラ、ウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rと並んだ予選トップ3がそのままの順位でレース序盤を走行する。しかしスタートから20分後、ピポ・デラーニの31号車キャデラックがGTDクラスの車両と軽く接触。ハーフスピンを喫しポジションを落としてしまう。
不運に見舞われた31号車だったがその後、いち早くルーティンピットインに入り全車が1回目のピット作業を終えた段階で、首位を走る55号車マツダとWTRアキュラの間、2番手に浮上する。
2度目のルーティンストップ後、トップ3は不変のなか迎えたレース中盤、GTDクラスのバトル中にスタックした車両を救出するためフルコースイエロー(FCY)が提示される。
これと同時に31号車キャデラックがピットイン。フェリペ・ナッセ駆る31号車は一度は順位を下げたが直後、DPiクラスの全車がピットになだれ込んだタイミングでふたたびピットに入いると、給油時間の短さは活かして一躍トップに浮上してみせた。
一方、スタートから首位を守ってきた55号車マツダは遅れを取り3番手に後退。2番手となった10号車アキュラとともにキャデラックを追いかける格好となった。
チェッカーまで残り55分となったタイミングでレースはリスタートに。その翌周、テイラー駆る10号車がナッセを強襲してトップを奪い取る。以降、2台による僅差のトップ争いが繰り広げられ、スタートから2時間40分後のファイナルラップではテール・トゥ・ノーズの接近戦に。
しかし周回遅れが絡むなか、テイラーは落ち着いた走りでマシンをフィニッシュラインへと運び、父ウェイン・テイラーが運営するチームに開幕戦デイトナ24時間以来、今季2勝目をもたらした。ナッセは追い上げ届かず0.368秒差の2位でレースを終えている。
■ライバルのガス欠に助けられる形で3位表彰台を獲得
リスタート後、3番手となったマツダはオリバー・ジャービスのペースが上がらず上位2台から徐々に引き離されていく展開に。そればかりかチップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックに交わされ4番手に後退してしまう。
そんななか5番手からマツダ攻略の糸口を探っていたマイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-05が、レース残り時間4分で燃料補給のためピットイン。翌周には01号車キャデラックも燃料が足りなくなりピットに入った。
これにより55号車マツダは最終盤に3番手に順位を上げ、そのまま3位でフィニッシュ。今季3度目の表彰台を獲得した。
全6台で争われたLMP3クラスではポールシッターの74号車リジェJS P320・ニッサン(ライリー・モータースポーツ)が、2度にわたって38号車リジェ(パフォーマンステック・モータースポーツ)にポジションを奪われながらも、終盤に逆転しポール・トゥ・ウインを達成。
同チームは最大のライバルとなった38号車を挟んで僚友91号車リジェがクラス3位に入ったことでワン・スリー・フィニッシュを果たしている。
FIA-GT3カーによるプロ・アマカテゴリーであるGTDクラスでは、予選2番手からスタートしたターナー・モータースポーツの96号車BMW M6 GT3が逆転勝利。レース序盤はポールシッターの14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)の後塵を拝していたが、スタートから1時間過ぎにライバルが足回りダメージで戦列を去った後はレースを支配した。
クラス2位はバッサー・サリバンのもう1台である12号車レクサスRC F GT3、同3位には5番手からスタートしたポール・ミラー・レーシングの1号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボが入っている。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第4戦は6月11〜12日、デトロイトのベルアイル・パークで行われる『デトロイト・グランプリ』だ。同イベントのレース時間は短い1時間40分となっている。
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