「普通に3人とも悪い」物議をかもした中日の「怠慢走塁」はなぜ起きたのか 球界レジェンドOBが着目した「ポイント」とは
18日の阪神戦(バンテリンドーム)を1−4と落とし、今季初の5連敗を喫した中日で「怠慢走塁問題」がクローズアップされている。
問題のシーンは8回に起きた。3点ビハインドの8回二死一、二塁から、村松開人が左翼線に長打性の打球を運んだのを見て、二走・石川昂弥は本塁へ駆け出し、一走・細川成也は一気に三塁を狙った。左翼を守るノイジーの懸命な送球もあり、阪神は細川を三塁手前でタッチアウトにした。そして、石川昂はなぜか本塁手前で減速。細川がアウトとなった瞬間に本塁に到達できておらず、得点は認められなかった。立浪監督はリクエストを要求したが判定は覆らず、後味の悪さが残った。
【動画】ボーンヘッドが指摘された18日の試合、8回に石川昂が本塁付近で減速した場面
このプレーに関しては本塁手前で減速した石川昂に厳しい声が多いが、球界内からも様々な考察の声が出ている。
ヤクルトのレジェンドOBであり、遊撃、三塁のポジションでゴールデングラブ10度受賞と守備の名手で知られる宮本慎也氏は野球系ユーチューブチャンネル「野球いっかん!」が19日に更新した動画内で、当該のプレーについて触れている。
まず冒頭で「今のドラゴンズを象徴するプレーが気になりまして」と切り出した宮本氏は、続けて「普通に解説すると3人とも悪い」とした。
まず注目したのは、一走の細川だった。激走して三塁を果敢に狙ったものの、打球の行方を追いながら走れたこともあり、「2アウトからすれば何も無理する必要はない」と状況判断をした上で自重しても良かったとした。
次に注文がついたのは、本塁付近で待ち構えていた次打者の溝脇隼人についてだった。ネクストバッターである溝脇がボールが見えない状況で減速している石川昂に関して、分かりやすく早期ホームインを促さなかったこともやり玉にあがっている。この点については宮本氏も「確かにそう。石川が(ボールが)背中なので(溝脇が)助けてあげないといけない。迎え入れるんじゃなく、『早く帰ってこい』が必要」と走者を助ける働きも不足していたとした。
そして、最後は石川昂だった。宮本氏はこのプレーに関して「アマチュアによくいうんですよ」と日頃から多くのアマチュアに伝えている点としながら、「ホームに入るまでは全力で来いと。特にホームベースまでは。根本的な、基本的なこと」と全力プレーを怠った石川昂に厳しい目を向けた。
一方で、石川昂にしてもプロ4年目の21歳と現在の中日は若い布陣が目立つとあって「ああいう場面に集約される。みんな経験浅いので」とこの経験を次につなげることを求めた。
石川昂に対しては、同様の全力プレーを怠るようなことは「引退するまで絶対やっちゃダメです。野球人生終えるまでやっちゃダメ」とクギを差すことも忘れなかった宮本氏。
中日も若い選手を積極起用しながら戦っているとあって、「将来のことを考えれば安くはないけど、安いものです」と痛い授業料ともなったが、ミスが重なったボーンヘッドをチーム強化につなげてほしいと話した。
立浪監督が就任して2年目も借金「12」の最下位と苦しい戦いが続いている。痛いミスも経験しながら、すべてを糧として前に進んでいくしかなさそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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