F1 Topic:精神的な支柱だったニキ・ラウダの急逝にショックを受けるハミルトン。「どうか安らかにお休みください」
シーズンで最も華やかなグランプリとして世界中のセレブたちが集う伝統のF1第6戦モナコGP。しかし、今年は週明け早々に飛び込んできたニキ・ラウダ急逝するというニュースによって、少し沈んだ雰囲気に包まれている。
その中で、大きく沈んだ気持ちになっているのは、ルイス・ハミルトンだろう。それは、ラウダはハミルトンにとって、マクラーレンを離れてメルセデスへ移籍するという大きな決断をする際にアドバイスされ、その後も精神的な支えとなっていた重要な人物だからだ。
そのことは、ハミルトンが当初予定されていた水曜日の会見を、急きょ欠席してしまったことでもわかる。
FIAのスポークスマンによれば、「前日にメルセデスから『ニキ(・ラウダ)が亡くなって、ルイスが精神的に大きく落ち込んでおり、会見への出席を見送りたい』という提案があり、『もしそれが許されるのなら、代わりにバルテリ(・ボッタス)が出席してもいいが、どうか?』という打診があった」という。
昨年もフェラーリ元会長のセルジオ・マルキオンネが亡くなった後のハンガリーGPで、出席が予定されていたキミ・ライコネンが欠席したことがあった(そのときは代役は立てずに、3人だけで会見が行われたが、そのときもボッタスが出席していた)。FIAは今回もそれと同様のケースと判断し、ペナルティを科すことなく、ハミルトンの欠席を許可した。
なお、関係者によれば、水曜日にハミルトンはサーキットに入り、チーム内のミーティングなどには出席していたという。
ラウダ死去による精神的な影響が心配されるハミルトンだが、ハミルトンが親しい人物の死という悲しみに暮れながらグランプリを戦うことは、これが初めてではない。昨年のメキシコGPでは開幕前日の朝に、父方の祖父デビッドソンが逝去するという訃報が届くという、精神的に厳しいグランプリとなった。しかし、ハミルトンはこのように語って、週末を戦い抜いた。
「もちろん、祖父の死はとてもショックな出来事だ。でも、同時に強い気持ちが持てたようにも思う。というのも、誰かが亡くなったときというのは、家族全体が精神的に団結するからね。彼は僕たち一家のゴッドファーザー的な存在だったからなおさらだ」
その言葉は決して強がりではなかった。ハミルトンはそのレースで4位に入り、通算5度目のタイトルを獲得した。そのハミルトンがいよいよ木曜日からモナコGPを戦う。
ラウダが逝去した翌日の5月21日、ハミルトンは自身のツイッターで次のように心境を綴った。
「あなたがいなくなってしまったなんて、本当に信じられない。あなたと一緒に話したこと、笑ったこと、レースで勝った後に力強く抱きしめてくれたことをいまもしっかりと覚えている。どうか安らかにお休みください。僕の人生を輝けるものにしてくれてありがとう。ご家族が必要とするなら僕はいつでも彼らのそばにいます。あなたを愛してるよ」
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