次世代のタレントに注目…U-20W杯に出場する“二世プレーヤー”たち
サッカーキング2023年5月24日(水)16時17分
U-20W杯で注目の“二世プレーヤー”たち [写真]=Getty Images
今月20日にアルゼンチンで幕開けたU-20ワールドカップでは、次世代のタレントが大いに躍動している。U-20日本代表では、キャプテンであるMF松木玖生(20歳)が初戦のセネガル戦で見事なミドルシュートを決めてチームを白星発進に導いた。
日本もタレント揃いだが、他の国も負けていない。ハビエル・マスチェラーノ率いるホスト国のアルゼンチンにはMFマクシモ・ペローネがいる。今年1月にマンチェスター・Cに引き抜かれたミッドフィルダーは中盤でリーダーシップを発揮するだけでなく、グループステージ第2戦のグアテマラ戦ではゴール前に顔を出してダメ押しの3点目を奪った。
アルゼンチンにはユヴェントスのトップチームですでに活躍しているサイドアタッカーのFWマティアス・スーレもおり、間違いなく優勝候補筆頭の一角と見られている。それだけでなく、今大会のアルゼンチンには英雄の息子まで名を連ねているのだ。
それではアルゼンチンで開催中のU-20ワールドカップに出場している“二世タレント”を紹介しよう。
■MFフェデリコ・レドンド (アルゼンチン)
この名前を見れば父親が誰なのかはすぐに想像つくだろう。今大会のアルゼンチン代表で背番号5を背負うフェデリコ・レドンド(20歳)の父親は、もちろんレアル・マドリードなどで活躍した元アルゼンチン代表MFフェルナンド・レドンドである。
父親は長い髪をなびかせて得意の左足を駆使して中盤でゲームを組み立てる世界的ミッドフィルダーだった。レアル・マドリード時代には2度もチャンピオンズリーグ優勝に貢献して1998年のトヨタカップでも来日した。そしてアルゼンチン代表として1994年ワールドカップに出場し、中盤の底でプレーしてチームのベスト8進出に貢献した。
息子は現在アルヘンティノスに所属し、父と同じように中盤の底でプレーする。今大会はレギュラーではないものの、父親が代表チームで背負っていた背番号5を受け継いで第2戦では試合途中からピッチに立った。
■MFバレンティン・カルボーニ (アルゼンチン)
今回のアルゼンチン代表には他にも一流のDNAを引き継ぐ者がいる。それがイタリアの名門インテルに所属し、今大会アルゼンチンの背番号10を背負うMFバレンティン・カルボーニ(18歳)だ。大会屈指の注目選手の一人である彼の父親は、現在イタリアのモンツァの下部組織で指導者として腕を振るっているエセキエル・カルボーニだ。現役時代には代表経験こそないが、海外でもプレーしており、イタリアのカターニアでは元日本代表FW森本貴幸のチームメイトだったことでも知られる。
息子のバレンティン・カルボーニは、父親がイタリアでコーチ職に就くため14歳の頃に家族でイタリアへ移住。そしてカターニアの下部組織を経てインテルに引き抜かれると、18歳にして今季はセリエAで5試合に出場しているほか、チャンピオンズリーグのグループステージではバイエルン戦でもピッチに立った。今大会の初戦で豪快な左足のシュートを決めたカルボーニだが、代表のチームメイトであるペローネとは、今季チャンピオンズリーグ決勝で当たるライバルということになる!
■MFジェイ・ハードマン (ニュージーランド)
U-20ニュージーランド代表のエースも偉大な父を持つ。グループステージ第2戦のウズベキスタン戦で華麗なターンからの今大会のベストゴールに挙げられるだろうロングシュートを決めたのが、ニュージーランドの背番号10を背負うMFジョン・ハードマン(18歳)だ。
彼の父親はジョン・ハードマンだ。おそらく、これだけではピンとこない人も多いと思うが「ジョン・ハードマン監督」と言えば気づく人もいるだろう。彼は昨年カタールで開かれたワールドカップでカナダ代表を36年ぶりに本大会へ導いた指揮官なのだ。
イングランド出身のジョン・ハードマンは、指導者としてニュージーランドに移ると、同国の女子代表チームを率いてワールドカップやオリンピックに出場。その手腕が認められ、カナダ女子代表の監督に就任すると、2018年から率いるカナダの男子代表を夢の舞台に導いたのである。
昨年のワールドカップでは、父の雄姿を見ようと息子もカタールで現地観戦して「父が(ベルギー代表のケヴィン・)デ・ブライネや(ロメル・)ルカクと戦っているのは誇らしかった」と胸を張った。そして自身も世界の舞台にたどり着いた。カナダのバンクーバー・ホワイトキャップスに所属する攻撃的MFは、今大会のオセアニア予選で大会MVPに輝く活躍を見せ、父と同じく“ワールドカップ”に出場。父のカナダは3戦全敗で姿を消したが、息子のニュージーランドはすでにグループステージで勝ち点4を稼いでおり、決勝トーナメント進出に王手をかけている。
■MFオーウェン・ウルフ (アメリカ)
サッカー一家で育ったのがU-20アメリカ代表MFオーウェン・ウルフ(18歳)だ。18歳ながらメジャーリーグサッカーのオースティンですでにレギュラーとして活躍する彼の兄はライバルのアトランタ・ユナイテッドに所属するプロ選手。そして父親は、アメリカ代表として2002年と2006年のワールドカップに出場したジョシュ・ウルフ(46歳)である。
ジョシュ・ウルフは、2000年のシドニー五輪で日本の“黄金世代”を沈めた選手としても知られる。当時の日本はFW高原直泰やMF稲本潤一、明神智和、本山雅志などの黄金世代に加え、中田英寿、中村俊輔、柳沢敦、宮本恒靖を擁する史上最強の五輪チームだった。順当にグループステージを突破した彼らは、ベスト8でアメリカと対戦。結局、PK戦の末に敗れるのだが、その試合でアメリカの1点目を決め、PK戦でもネットを揺らしたのがジョシュ・ウルフなのだ!
彼は引退後、指導者の道に進んで現在はオースティンで監督を務めており、息子のオーウェンをレギュラーに据えて父子鷹として活躍している。
■FWトマス・アンヘル (コロンビア)
U-20コロンビア代表で背番号9を背負うFWトマス・アンヘル(20歳)の父は、あの偉大なストライカー、フアン・パブロ・アンヘルだ! 父は現役時代にアルゼンチンのリーベルでゴールを量産して2001年にイングランドのアストン・ヴィラに鳴り物入り。2003-04シーズンにはプレミアで16ゴールを叩き出して活躍するも、その後は少し苦戦してアメリカに渡った。イングランドでプレーしている頃に生まれた息子のトマス・アンヘルもストライカーの道を歩むようになったわけだ。
■FWリアム・デラップ (イングランド)
今季マンチェスター・Cからプレストンに貸し出されていたU-20イングランド代表FWリアム・デラップの父親は、元アイルランド代表MFロリー・デラップだ。元アイルランド代表というよりも、ストークで“ロングスロー”を投げていた選手と言ったほうが伝わりやすいだろう。屈強な選手を揃えてパワープレーで敵チームをいじめていたストークの主力だったプレーヤーだ。
■MFイ・スンジュン (韓国)
U-20韓国代表にも二世プレーヤーがいる。18歳ながら飛び級で今大会メンバーに選ばれたMFイ・スンジュンの父親は、元韓国代表MFイ・ウリョンだ。現役時代に韓国だけでなくトルコでもプレーしたイ・ウリョンは、2002年から2大会連続ワールドカップに出場。韓国代表が大旋風を巻き起こした日韓大会では、3位決定戦のトルコ戦でゴールも決めている。
実は、FCソウルに所属するイ・スンジュンの兄、イ・テソクも同クラブに所属する選手で2019年にはU-17ワールドカップに出場している。そのため父、兄、弟とワールドカップに出場することになったわけで、これは韓国サッカー界では初めての快挙だという!
今回のU-20ワールドカップには他にも元選手の父を持つ“二世プレーヤー”が出場しており、若い才能がしのぎを削る大会なのだが、少し懐かしい気持ちで観戦できそうだ!
(記事/Footmedia)
日本もタレント揃いだが、他の国も負けていない。ハビエル・マスチェラーノ率いるホスト国のアルゼンチンにはMFマクシモ・ペローネがいる。今年1月にマンチェスター・Cに引き抜かれたミッドフィルダーは中盤でリーダーシップを発揮するだけでなく、グループステージ第2戦のグアテマラ戦ではゴール前に顔を出してダメ押しの3点目を奪った。
アルゼンチンにはユヴェントスのトップチームですでに活躍しているサイドアタッカーのFWマティアス・スーレもおり、間違いなく優勝候補筆頭の一角と見られている。それだけでなく、今大会のアルゼンチンには英雄の息子まで名を連ねているのだ。
それではアルゼンチンで開催中のU-20ワールドカップに出場している“二世タレント”を紹介しよう。
■MFフェデリコ・レドンド (アルゼンチン)
この名前を見れば父親が誰なのかはすぐに想像つくだろう。今大会のアルゼンチン代表で背番号5を背負うフェデリコ・レドンド(20歳)の父親は、もちろんレアル・マドリードなどで活躍した元アルゼンチン代表MFフェルナンド・レドンドである。
父親は長い髪をなびかせて得意の左足を駆使して中盤でゲームを組み立てる世界的ミッドフィルダーだった。レアル・マドリード時代には2度もチャンピオンズリーグ優勝に貢献して1998年のトヨタカップでも来日した。そしてアルゼンチン代表として1994年ワールドカップに出場し、中盤の底でプレーしてチームのベスト8進出に貢献した。
息子は現在アルヘンティノスに所属し、父と同じように中盤の底でプレーする。今大会はレギュラーではないものの、父親が代表チームで背負っていた背番号5を受け継いで第2戦では試合途中からピッチに立った。
■MFバレンティン・カルボーニ (アルゼンチン)
今回のアルゼンチン代表には他にも一流のDNAを引き継ぐ者がいる。それがイタリアの名門インテルに所属し、今大会アルゼンチンの背番号10を背負うMFバレンティン・カルボーニ(18歳)だ。大会屈指の注目選手の一人である彼の父親は、現在イタリアのモンツァの下部組織で指導者として腕を振るっているエセキエル・カルボーニだ。現役時代には代表経験こそないが、海外でもプレーしており、イタリアのカターニアでは元日本代表FW森本貴幸のチームメイトだったことでも知られる。
息子のバレンティン・カルボーニは、父親がイタリアでコーチ職に就くため14歳の頃に家族でイタリアへ移住。そしてカターニアの下部組織を経てインテルに引き抜かれると、18歳にして今季はセリエAで5試合に出場しているほか、チャンピオンズリーグのグループステージではバイエルン戦でもピッチに立った。今大会の初戦で豪快な左足のシュートを決めたカルボーニだが、代表のチームメイトであるペローネとは、今季チャンピオンズリーグ決勝で当たるライバルということになる!
■MFジェイ・ハードマン (ニュージーランド)
U-20ニュージーランド代表のエースも偉大な父を持つ。グループステージ第2戦のウズベキスタン戦で華麗なターンからの今大会のベストゴールに挙げられるだろうロングシュートを決めたのが、ニュージーランドの背番号10を背負うMFジョン・ハードマン(18歳)だ。
彼の父親はジョン・ハードマンだ。おそらく、これだけではピンとこない人も多いと思うが「ジョン・ハードマン監督」と言えば気づく人もいるだろう。彼は昨年カタールで開かれたワールドカップでカナダ代表を36年ぶりに本大会へ導いた指揮官なのだ。
イングランド出身のジョン・ハードマンは、指導者としてニュージーランドに移ると、同国の女子代表チームを率いてワールドカップやオリンピックに出場。その手腕が認められ、カナダ女子代表の監督に就任すると、2018年から率いるカナダの男子代表を夢の舞台に導いたのである。
昨年のワールドカップでは、父の雄姿を見ようと息子もカタールで現地観戦して「父が(ベルギー代表のケヴィン・)デ・ブライネや(ロメル・)ルカクと戦っているのは誇らしかった」と胸を張った。そして自身も世界の舞台にたどり着いた。カナダのバンクーバー・ホワイトキャップスに所属する攻撃的MFは、今大会のオセアニア予選で大会MVPに輝く活躍を見せ、父と同じく“ワールドカップ”に出場。父のカナダは3戦全敗で姿を消したが、息子のニュージーランドはすでにグループステージで勝ち点4を稼いでおり、決勝トーナメント進出に王手をかけている。
■MFオーウェン・ウルフ (アメリカ)
サッカー一家で育ったのがU-20アメリカ代表MFオーウェン・ウルフ(18歳)だ。18歳ながらメジャーリーグサッカーのオースティンですでにレギュラーとして活躍する彼の兄はライバルのアトランタ・ユナイテッドに所属するプロ選手。そして父親は、アメリカ代表として2002年と2006年のワールドカップに出場したジョシュ・ウルフ(46歳)である。
ジョシュ・ウルフは、2000年のシドニー五輪で日本の“黄金世代”を沈めた選手としても知られる。当時の日本はFW高原直泰やMF稲本潤一、明神智和、本山雅志などの黄金世代に加え、中田英寿、中村俊輔、柳沢敦、宮本恒靖を擁する史上最強の五輪チームだった。順当にグループステージを突破した彼らは、ベスト8でアメリカと対戦。結局、PK戦の末に敗れるのだが、その試合でアメリカの1点目を決め、PK戦でもネットを揺らしたのがジョシュ・ウルフなのだ!
彼は引退後、指導者の道に進んで現在はオースティンで監督を務めており、息子のオーウェンをレギュラーに据えて父子鷹として活躍している。
■FWトマス・アンヘル (コロンビア)
U-20コロンビア代表で背番号9を背負うFWトマス・アンヘル(20歳)の父は、あの偉大なストライカー、フアン・パブロ・アンヘルだ! 父は現役時代にアルゼンチンのリーベルでゴールを量産して2001年にイングランドのアストン・ヴィラに鳴り物入り。2003-04シーズンにはプレミアで16ゴールを叩き出して活躍するも、その後は少し苦戦してアメリカに渡った。イングランドでプレーしている頃に生まれた息子のトマス・アンヘルもストライカーの道を歩むようになったわけだ。
■FWリアム・デラップ (イングランド)
今季マンチェスター・Cからプレストンに貸し出されていたU-20イングランド代表FWリアム・デラップの父親は、元アイルランド代表MFロリー・デラップだ。元アイルランド代表というよりも、ストークで“ロングスロー”を投げていた選手と言ったほうが伝わりやすいだろう。屈強な選手を揃えてパワープレーで敵チームをいじめていたストークの主力だったプレーヤーだ。
■MFイ・スンジュン (韓国)
U-20韓国代表にも二世プレーヤーがいる。18歳ながら飛び級で今大会メンバーに選ばれたMFイ・スンジュンの父親は、元韓国代表MFイ・ウリョンだ。現役時代に韓国だけでなくトルコでもプレーしたイ・ウリョンは、2002年から2大会連続ワールドカップに出場。韓国代表が大旋風を巻き起こした日韓大会では、3位決定戦のトルコ戦でゴールも決めている。
実は、FCソウルに所属するイ・スンジュンの兄、イ・テソクも同クラブに所属する選手で2019年にはU-17ワールドカップに出場している。そのため父、兄、弟とワールドカップに出場することになったわけで、これは韓国サッカー界では初めての快挙だという!
今回のU-20ワールドカップには他にも元選手の父を持つ“二世プレーヤー”が出場しており、若い才能がしのぎを削る大会なのだが、少し懐かしい気持ちで観戦できそうだ!
(記事/Footmedia)
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