GOODSMILE RACING&TeamUKYO スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
GOODSMILE RACING&TeamUKYO
第3戦鈴鹿はタイヤ無交換を実行するも8位
スーパーGT 2018 第3戦
会期:2018年5月19〜20日
場所:鈴鹿サーキット(三重県)
天候:晴れ
観客:5万3000人(2日間)
予選:3位/決勝:8位
獲得ポイント:3P
シリーズ順位:10位(12P)
■5月19日(土) 予選は強風により荒れる展開に
これまで夏の風物詩だった鈴鹿1000kmが終わり、今年からは300kmの距離になり、開催時期も5月になり第3戦に組み込まれた鈴鹿戦。気温もウェイトハンデもガラっと変わるので、タイムや戦略も変わると予想された。
予選日は雨の予報がはずれ、朝から快晴。しかし、気温19度、路温26度と低いだけでなく強風が吹き荒れていた。ドライビングにも影響するほどの強風で、ハンドルを取られたりダウンフォースが変わったりするせいか練習走行からコースアウトが続出。予選も心配された。
4番手で練習走行を終了したあとは、予選1回目。谷口選手が担当した。3周目にベストタイム1分57秒720を記録し暫定トップに踊り出るも56秒台に入れてくるマシンが増え、途中で赤旗中断を挟み、最終的に6位で通過した。
予選2回目は片岡選手が担当。谷口選手と同じく3周目に1分56秒388を出しコースレコードを記録、暫定トップに。このままポールかと思われたが、25号車(HOPPY 86 MC)が1分56秒140で2位、96号車(K−tunes RC F GT3)が1分55秒531でポールポジションを獲得した。結果的に0号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)は3番手、決勝レースは3番グリッドからの出発になった。
なお、1〜10位までがコースレコード1分57秒543を更新した。
■5月20日(日) 作戦やドライビングでレースを盛り上げた
強風に悩まされた予選日とは変わって、ほぼ無風の快晴になった決勝日。だが、サーキットの計測システムのトラブルにより、レースは40分遅れで始まった。
スタートドライバーは片岡選手。3番グリッドからのスタートなので、前には25号車と96号車の2台しかいない。1周目に奇襲をかけ、25号車のオーバーテイクに成功する。そのままトップを走る96号車を追うがペースが速く、徐々に差が開いてしまう。
その代わり後続との差も広がりつつあり、2番手を独走状態になっていた。だが、12周目にGT500の1台がコースアウトしセーフティカーが入る。前との差はなくなったが、後ろとの差も詰まってしまい、ハイリスクハイリターンの作戦を取らざるを得なくなってしまったのだった。
セーフティーカーは16周目に外れ、レースはリスタート。順位を上げてきていた61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)に早くもロックオンされ攻め続けられるも、23周目に61号車はピットイン。さらに、24周目にはトップの96号車もピットインし、0号車はトップを走り続けた。
レースも中盤に入った31周目に0号車もピットイン。ここで勝負をかけて順位を落とさずに前に出るため、チームはタイヤ無交換作戦を実行。GT3マシンでの無交換は非常にリスキーだが、ドライバー2人のタイヤマネジメント能力を信じてコースに送り出す。通常、タイヤ4本交換し給油をしたら50〜60秒かかるが、このピットストップは26秒だった。
だが、アウトラップ後にすぐさま18号車(UPGARAGE 86 MC)と96号車が襲いかかってくる。抜きにくい鈴鹿の特徴を活かして、名手・谷口選手がベテランのワザを見せる。絶妙なラインを走り明らかにペースに勝る2台を抑えていた。
しかし、圧倒的なペースの96号車は一瞬のスキを付いて0号車を抜き、そのまま独走態勢に。18号車を抑えている間に後続が追いついてきて、気がつけば8位までが連なるトレインができあがっていた。
後方のバトルを制して上がってきた61号車に44周目のシケインで先行を許し、さらにストレートエンドで25号車にも抜かれ、4位にダウン。もはやタイヤのライフは終わっており、このままゴールまで粘りたいところだったが、あと2周というタイミングでトレイン状態だったライバルたちに一気に抜かれて8位まで順位を落としていまい、そのままチェッカーとなった。
起死回生の作戦を採用しないと前に行けないほど厳しい今シーズン。シーズンランキングは12ポイントで10位に落ちたものの、トップとの差は14ポイント。混戦になっているのも幸いして、シーズン全体を考えれば大きな差は開いていない。
次戦は1カ月以上間が空いて、昨年2位表彰台に乗ったタイ・ブリーラム。シーズン折り返しの第4戦で、大量ポイント獲得を目指したい。
■チーム関係者コメント
安藝貴範 代表
「レース的にはサーキット中が盛り上がったんじゃないでしょうか。作戦としてはもうちょっと色々あったんですけど、前半のセーフティカーでトップとの差がなくなってしまったことで、無交換をせざるを得ない状況に追い詰められてしまいました」
「結果的には賭けには負けてしまいましたが、お客さんは良い賭けを見られたと思います。タイヤを交換していたら、5位くらいにはなってたかもしれませんが、やはり優勝を狙っていきたいですよね」
片山右京 監督
「結果としてこうなってしまったのは仕方ないと思います。ただ、途中のセーフティカーさえなかったら、もうちょっと違っていたでしょうね。あそこで築き上げたマージンがなくなってしまったので、リスクを負って勝負に出ないといけなくなってしまった」
「2回目のクラッシュでセーフティカーが入らなかったのはラッキーでしたけど。後半は抜けないけど抑えられるかなという期待もあったんですが、走れているだけでも不思議な状態でしたから」
谷口信輝 選手
「チームで大勝負に打って出たんですけど、結果は8位でポイント取れたのはよかったんですけど、もうちょっと上でゴールしたかったなと。タイヤを変えれば、というタラレバはありますが、タイヤを変えた瞬間に4位か5位が確定してしまいます」
「我々はもっと上、できればトップを狙っていたのでああするしかありませんでした。ただ、僕の抑えが足りず抜かれてしまって、残念でしたね。この悔しさは必ず何倍かにしてこれからのレースで返したいと思います!」
片岡龍也 選手
「最後までタイヤが持たなかったですね。優勝を狙いにいった結果の大失敗という感じでしょうか。かといって、普通に走っていたら勝てないし、もうちょっとスピードがないと厳しいですね」
「我々が持っているモノのパフォーマンスは出し切っているので、持っているモノのポテンシャルを底上げをしないとダメかなあと思いました。でないと、今回や前回のように奇襲に頼らないといけないので」
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