ランボルギーニが世界に1台の『ミウラSVR』をレストア。19カ月の作業を経て日本で初披露
ランボルギーニは同社のレストア部門であるランボルギーニ・ポロストリコがランボルギーニの不朽の名車である『ミウラSVR』のレストアを完了させ、岡山県の中山サーキットで披露したと発表した。
ランボルギーニ・ミウラは1966〜1972年までに763台が生産された同社を代表するスポーツカーだ。同モデルの派生型となるミウラSVRは、ランボルギーニテストドライバーのボブ・ウォレスが開発していた『イオタ』のレプリカモデルとして誕生し、日本の人気コミック『サーキットの狼』にも登場している。
その後、ウォレスが開発したイオタは事故によって廃車となってしまうが、イオタと同様のポテンシャルを持つクルマをを求める要望が相次いだことから、当時のランボルギーニは複数台のミウラSVJと、世界で1台だけのミウラSVRを仕立てて生産した。
今回レストアを受けたシャシーナンバー3781のミウラはまさにそのSVRであり、生産当時はグリーンのエクステリアにブラック内装のSバージョンとして誕生したという。イタリア国内で8人の所有者の手に渡ったあとドイツ人オーナーの下で1974年にランボルギーニの工場でミウラSVRへの改装を受けている。
日本国内に持ち込まれたのは1976年で、前述の『サーキットの狼』に取り上げられたほか、モデルカーメーカーの京商によってスケールモデルが作られなど、1970年代後半のスーパーカーブームを代表する一台として広く知られることとなった。
ランボルギーニ・アフターセールス部門長兼ランボルギーニ車のレストアに特化した専門部門であるランボルギーニ・ポロストリコの部門長を務めるパオロ・ガブリエッリ氏は、今回のレストアについて次のように語っている。
「(ランボルギーニ・ミウラSVRの)フルレストアは通常とは異なるアプローチを要し、作業には19カ月(1年7カ月)を要した」
「オリジナルの生産資料はあまり参考にならず、主に1974年の改造時の仕様に頼ることになったんだ。また部品がすべて揃っていたが、クルマが分解されて(ランボルギーニの本拠である)サンタアガタに届いたこと、そして、大幅な改造がなされていたことが、レストアをさらに難しくした」
「今回は4点式シートベルト、サポート力を強化したシート、取り外し可能なロールバーの追加のみ、オリジナル仕様から変更している。これはオーナーから特別に依頼をいただいて追加したもので、レーストラックでのエキシビション走行の際の安全性向上を意図しているんだ」
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