muta Racing Lotus MC、17番手からFCYで好機を掴み三つ巴の戦いを制する【第4戦もてぎGT300決勝】
7月18日、2021年のスーパーGTの第4戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝レースが、ツインリンクもてぎで行われ、GT300クラスはFCY導入の好機を活かしたmuta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平)が灼熱の戦いを制した。2位には11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が、3位には埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が続いている。
5月29〜30日に鈴鹿サーキットで開催される予定だった第3戦鈴鹿が8月21〜22日へと開催が延期されたため、第4戦もてぎ大会は5月3〜4日に開催された第2戦富士以来2ヵ月ぶりとなる、今季3戦目のスーパーGT開催となった。初の7月開催となった第4戦もてぎは、まさに“灼熱”の一戦となった。
前日に行われた公式予選でGT300クラスのポールポジションを獲得したのは11号車GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)だった。フロントロウには244号車たかのこの湯 GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)と、サクセスウエイト(旧称:ウエイトハンデ)が軽めの2台が最前列に並ぶ。
3番グリッドにはポイントランキングトップであり、72kgのウエイトを積む56号車リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、4番グリッドには52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が続いた。
13時10分、気温33度、路面温度51度、湿度42%、夏らしさを感じさせる強い日差しが降り注ぐ中、63周の決勝レースはフォーメーションラップを迎えたが、26番グリッドの50号車ARNAGE AMG GT3がスタートを切ることができず、オフィシャルの手を借りてピットロードまで移動することとなった。この影響でフォーメーションラップは2周目に突入したが、レース周回は63周のまま争われることとなった。
1コーナーはポールポジションスタートの11号車GAINER TANAX GT-Rの安田が守る。ピットスタートとなった31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT、そして50号車ARNAGE AMG GT3を含む全29台はクリーンなスタートをみせた。
序盤、トップ10台は順位変わらずのまま周回を重ねるが、4周が経過すると上位6台が7番手を走る61号車SUBARU BRZ R&D SPORTに3.5秒のギャップを広げトップ集団を形成する。BRZ山内英輝のペースは上がらず、7番手以下は団子状態となる。
9周目終わりには気温は34度、路面温度は45度とスタート時よりも路面温度が6度も下がる中、2番手の244号車たかのこの湯 GR Supra GTの堤優威はトップ11号車安田とのギャップを1.5秒以内に保ち続ける。
一方、56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTの川合孝汰、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也、88号車JLOC ランボルギーニ GT3の元嶋佑弥の4台による3番手争いも加熱する。
そんな中、4号車が上位勢のなかでは最も早い19周目終わりにピットイン。24周目にはトップ11号車と244号車が同じタイミングでピットインを敢行するも、ここでは順位は変わらず。さらに、ピットアウトした11号車平中克幸の背後に、先にピットストップを終えている4号車谷口信輝が急接近するも、平中はポジションを守ることに成功する。
レースも後半に差し掛かろうかという26周目、56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと、88号車JLOC ランボルギーニ GT3の小暮卓史がヘアピンコーナーで接触。トップを狙えるポジションの2台がまさかのアクシデントで戦線離脱となってしまう。
27周目、上位勢で最も遅いピットとなった52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTがピットイン。右フロント、左リヤというタイヤ2本交換作戦を敢行し、244号車の前に出ることに成功する。
このまま、11号車GAINER TANAX GT-Rがレースをリードするかと思われたなか、レースの流れは大きく変わることとなる。37周目、35号車arto RC F GT3から火災が発生し、ショーン・ウォーキンショーはコースサイドにマシンを止めた。
これによりFCY(フルコースイエロー)が導入されることとなったが、このFCY導入直前に、最後までピットを引っ張っていた17番手スタートの2号車muta Racing Lotus MCが、ピットレーンクローズドギリギリのタイミングでピットレーンに滑り込む。
抜群のタイミングでピットに入り、タイヤ無交換でコースに復帰した2号車阪口良平は、これで11号車GAINER TANAX GT-Rの前におどり出ることに成功する。
FCY解除の段階でトップの阪口と2番手平中の間には11秒のギャップが開いたが、41周目にGT500クラスの64号車Modulo NSX-GTと31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTのアクシデントで2度目のFCYが導入される。この2度目のFCYは43周目に解除されると、ここから11号車平中が2号車阪口とのギャップを急激に縮めにかかり、43周目に13秒あったギャップは48周目に0.904秒まで縮まる。
一方、3番手に浮上した52号車GRスープラ吉田も50秒台から51秒台前半というハイペースで周回を重ね、2番手平中の背後に接近。レースも残り10周を迎え、GT300クラスの優勝争いはこの3台に絞り込まれた。
三つ巴の戦いはチェッカーが近づくにつれて距離が縮まる。まさに手に汗を握るテール・トゥ・ノーズのバトルがファイナルラップまで続いたが、阪口が首位を守ったままトップチェッカーを受け、muta Racing Lotus MCが今季初優勝を獲得。後半スティントを担当した阪口良平はスーパーGT初優勝を手にすることとなった。
2位はポールスタートの11号車GAINER TANAX GT-R、3位の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTまでが表彰台を獲得。4位は244号車たかのこの湯 GR Supra GT、5番手に4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが続いた。
6位には25号車HOPPY Porscheが、7位には9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrariが続いている。
2021年のスーパーGT、次戦となる第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』は8月21〜22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われる。
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