エジル、ドイツ代表引退表明…人種差別へ失望、連盟会長やメディアに怒り
サッカーキング2018年7月23日(月)11時49分
ドイツ代表からの引退を表明したエジル [写真]=FIFA via Getty Images
アーセナルに所属するMFメスト・エジルが、ドイツ代表からの引退を表明した。同選手は自身のSNSを更新し、長文を記した画像を掲載。決断理由について3部構成で思いをつづっている。
エジルは「ここ数週間、過去数カ月の出来事を振り返り、思いを馳せる時間があった。起きたことに対して自分が考えていること、自分が感じていることを共有したい」と書き始め、思いをつづった。
まず、今年5月にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と面会して記念撮影を行い、SNSに掲載した件について言及。エジルはドイツとトルコにルーツを持っているが、写真撮影が同大統領への支持に該当するとの批判をドイツ国内で受けていた。
エジルは「多くの人々と同じように、自分は1つ以上の国にルーツを持っている。自分はドイツで育ったけど、家族のバックグラウンドはトルコをルーツとするものだ。自分には2つのハートがある。1つはドイツ、1つはトルコだよ。子どもの頃、母親からも自分のルーツへのリスペクトを常に持ち、それを絶対に忘れないように教わっていた。それは今も自分の価値観なんだ」と記したうえで、エルドアン大統領との写真撮影について以下のようにつづった。
「自分にとって、エルドアン大統領との写真は政治にも選挙にも関係するものではない。家族の国に対するリスペクトだったんだ。自分の仕事はプロサッカー選手であり、政治家ではない。この面会は政治的な承認を示すものではないんだ。自分にとって、誰が大統領であるかは問題ではなかった。自分にとっては、それが大統領であることが重要だったんだ」
そして第2部では、メディアやスポンサーへの思いを吐露。「自分は世界でも最もタフな3つのリーグでプレーしてきた。ブンデスリーガ、ラ・リーガ、そしてプレミアリーグだ。そしてそのキャリアを通じて、自分はメディアとの付き合い方を学んできた」としたうえで、以下のようにつづっている。
「ある特定のドイツ紙は、自分のバックグラウンドやエルドアン大統領との写真を持ち出して、右翼的なプロパガンダとして利用した。その写真と自分の名前を使った見出しで、ロシア(W杯)での敗退を説明するのはなぜなのか?自分のパフォーマンスを批判したわけでも、チームのパフォーマンスを批判したわけでもなく、自分のトルコ系のルーツを批判しているんだ」
さらに第3部では、ドイツサッカー連盟(DFB)のラインハルト・グリンデル会長に向けて、痛烈な批判を展開。エジルは「過去数カ月、最もフラストレーションがたまっていたことは、DFBからの自分への扱いだ。特にラインハルト・グリンデル会長の扱いだね」として、以下のようにつづった。
「彼は『(エジルが)自分の行為についてもう一度説明すべきだ』と言って、ロシアでの失敗の責任を自分に押し付けた。彼の無能さをかばうスケープゴートではいたくない。グリンデルや彼の支持者にとっては、自分たちが勝った時は僕はドイツ人だし、負ければ移民ということになる。自分はドイツで納税をしているし、ドイツの学校に寄付もしたし、2014年にはドイツ代表でW杯を制した。にも関わらず、自分は未だに受け入れてもらえない。“異なる者(different)”として扱われているんだ」
「DFBや他大勢から受けた扱いによって、自分はドイツ代表のユニフォームを着ることを望まなくなった。誇りと刺激とともにドイツのユニフォームを着ていたけど、今はそうではない。この決断は非常に難しかった。チームメイト、コーチングスタッフ、そしてドイツの良い人々のために全てを捧げてきたからね。しかし、DFBの幹部が自分に対して行ってきた扱い、トルコ系のルーツへの敬意を欠いた扱いは我慢できない。自分はそのためにサッカーをしているわけではない。人種差別は絶対に受け入れてはならないものなんだ」
エジルは現在29歳。2009年にドイツ代表でデビューし、2010年から3大会連続でW杯に出場。2014年のブラジル大会では全7試合に出場して優勝に貢献した。国際Aマッチは通算92試合に出場している。
エジルは「ここ数週間、過去数カ月の出来事を振り返り、思いを馳せる時間があった。起きたことに対して自分が考えていること、自分が感じていることを共有したい」と書き始め、思いをつづった。
まず、今年5月にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と面会して記念撮影を行い、SNSに掲載した件について言及。エジルはドイツとトルコにルーツを持っているが、写真撮影が同大統領への支持に該当するとの批判をドイツ国内で受けていた。
エジルは「多くの人々と同じように、自分は1つ以上の国にルーツを持っている。自分はドイツで育ったけど、家族のバックグラウンドはトルコをルーツとするものだ。自分には2つのハートがある。1つはドイツ、1つはトルコだよ。子どもの頃、母親からも自分のルーツへのリスペクトを常に持ち、それを絶対に忘れないように教わっていた。それは今も自分の価値観なんだ」と記したうえで、エルドアン大統領との写真撮影について以下のようにつづった。
「自分にとって、エルドアン大統領との写真は政治にも選挙にも関係するものではない。家族の国に対するリスペクトだったんだ。自分の仕事はプロサッカー選手であり、政治家ではない。この面会は政治的な承認を示すものではないんだ。自分にとって、誰が大統領であるかは問題ではなかった。自分にとっては、それが大統領であることが重要だったんだ」
そして第2部では、メディアやスポンサーへの思いを吐露。「自分は世界でも最もタフな3つのリーグでプレーしてきた。ブンデスリーガ、ラ・リーガ、そしてプレミアリーグだ。そしてそのキャリアを通じて、自分はメディアとの付き合い方を学んできた」としたうえで、以下のようにつづっている。
「ある特定のドイツ紙は、自分のバックグラウンドやエルドアン大統領との写真を持ち出して、右翼的なプロパガンダとして利用した。その写真と自分の名前を使った見出しで、ロシア(W杯)での敗退を説明するのはなぜなのか?自分のパフォーマンスを批判したわけでも、チームのパフォーマンスを批判したわけでもなく、自分のトルコ系のルーツを批判しているんだ」
さらに第3部では、ドイツサッカー連盟(DFB)のラインハルト・グリンデル会長に向けて、痛烈な批判を展開。エジルは「過去数カ月、最もフラストレーションがたまっていたことは、DFBからの自分への扱いだ。特にラインハルト・グリンデル会長の扱いだね」として、以下のようにつづった。
「彼は『(エジルが)自分の行為についてもう一度説明すべきだ』と言って、ロシアでの失敗の責任を自分に押し付けた。彼の無能さをかばうスケープゴートではいたくない。グリンデルや彼の支持者にとっては、自分たちが勝った時は僕はドイツ人だし、負ければ移民ということになる。自分はドイツで納税をしているし、ドイツの学校に寄付もしたし、2014年にはドイツ代表でW杯を制した。にも関わらず、自分は未だに受け入れてもらえない。“異なる者(different)”として扱われているんだ」
「DFBや他大勢から受けた扱いによって、自分はドイツ代表のユニフォームを着ることを望まなくなった。誇りと刺激とともにドイツのユニフォームを着ていたけど、今はそうではない。この決断は非常に難しかった。チームメイト、コーチングスタッフ、そしてドイツの良い人々のために全てを捧げてきたからね。しかし、DFBの幹部が自分に対して行ってきた扱い、トルコ系のルーツへの敬意を欠いた扱いは我慢できない。自分はそのためにサッカーをしているわけではない。人種差別は絶対に受け入れてはならないものなんだ」
エジルは現在29歳。2009年にドイツ代表でデビューし、2010年から3大会連続でW杯に出場。2014年のブラジル大会では全7試合に出場して優勝に貢献した。国際Aマッチは通算92試合に出場している。
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