「申し訳ない。俺は勝負したかった」若き剛腕の思いも空しく ブルージェイズ指揮官が明かす大谷翔平を“避けた理由”
大谷(左)と「勝負したかった」というマノア(右)。しかし、ブルージェイズ首脳陣は25歳の剛腕に勝負はさせなかった。(C)Getty Images
強者と勝負がしたい。そんな自身の思いよりもチームの求める結果を優先した。現地7月29日に行なわれたエンゼルス戦で、大谷翔平に対してブルージェイズが実行したのは、クレバーな策だった。
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スコアレスで迎えた5回表。1死二塁のピンチで大谷が打席に立つと、ブルージェイズ首脳陣は迷わず申告敬遠を指示する。そして球場が騒然としたのは、6回表だった。2死一、三塁で背番号17が打席に立つと、またしても敬遠がホームベンチから申告されたのだ。
誰もが見たいと思っていた“勝負を避けた”ホームチームには、本拠地に詰め掛けたブルージェイズ・ファンからもブーイングが飛んだ。ただ、結果的に彼らは6対1で勝利。大谷に打たせなかった采配こそが大量失点を防ぎ、ポストシーズン進出を争うライバルからの連勝をもたらしたのは言うまでもない。
チームを優先した策についてはチーム内でも意見が割れている。MLB公式サイトのキーガン・マシソン記者によると、ブルージェイズの先発マウンドに立った25歳のアレック・マノアは、5回の敬遠について「俺自身はオオタニを敬遠しようとしなかった。でも、コーチがやったんだ。申し訳ないとは思うよ。だけど、俺には彼らが何を考えていたかは分からない」と告白。そのうえで、「言うまでもなくオオタニは今、球界でベストだ。戦う者としては、勝負をしたかった」と正直な胸の内を語った。
一方で指揮官の冷静だ。カナダのスポーツ放送局『Sports Net』のベン・ニコルソン=スミス記者によれば、ジョシュ・シュナイダーは、「チャッピー(チャップマン)と話せてよかった」と吐露。前日に大谷にホームランを打たれた際に、「なんで初回からいきなりオオタニと勝負するんだよ」と一喝したマット・チャップマンとの会話を明かしたうえで「我々に勝負をする意思はなかった。彼(チャップマン)の考えに従ってよかった。うまくいったよ」と笑ったという。
ライバルとの直接対決で、冷静さを失わなかったシュナイダー監督。ファンの反応にも動じないクレバーさが重要な白星をもたらした。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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