元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ、2012年以来のフォーミュラレース参戦へ
元スクーデリア・フェラーリ所属のF1ドライバーであり、F1最多出走記録も保持するルーベンス・バリチェロが、9月にオーストラリア大陸でラウンチの日を迎える新生『S5000』の初年度シーズン開幕戦にエントリー。ひさびさのシングルシーター・カテゴリー挑戦が決まった。
ブラジル人初の跳ね馬ドライバーであり、最強のナンバー2として活躍したのち、ホンダやブラウンGPにも所属。F1通算11勝を記録しているバリチェロは、9月20〜22日にオーストラリアのサンダウンで開催されるV8エンジン搭載の新生『S5000』シリーズ開幕戦に出走する最初のドライバーとしてアナウンスされた。
この”オーストラリアの魂”とも言えるV型8気筒自然吸気OHVを搭載する新フォーミュラ・シリーズは、同国最大のツーリングカー選手権であるVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの主催者やエントラントがサポートする新たな選手権となる。
これまで数年にわたってコンセプトの策定からシリーズラウンチに向けた動きを続けてきたが、幾度かの延期を経て9月に開幕の時を迎えることとなった。
2018年11月のVASC最終戦ニューキャッスル500の市街地コースにてデモンストレーションランが披露された『Super5000』改め『S5000』のマシンは、フランスのリジェ・オンローク製のワンメイクF3シャシーをベースに採用し、560PSを発生するフォード・コヨーテ”アリミネーター”の呼称を持つ5リッターV8自然吸気エンジンを搭載。「オーストラリア大陸史上、最速のフォーミュラカー」を標榜している。
このサンダウンでのイベント初挑戦となるバリチェロは、F1時代にメルボルンで5度の表彰台を獲得。現在、母国ブラジルのSCBストックカー・ブラジルに参戦中で、2014年にはシリーズチャンピオンを獲得するなど現役で活躍を続けており、このS5000への参戦は47歳のバリチェロにとって、2012年のインディカー以来のシングルシーター挑戦となる。
「F1時代には、そのキャリア期間中に何度もオーストラリアを訪れた。比較的いい思い出ばかりだったと思う。この新鮮なS5000の開幕戦で、ふたたびオーストラリアに戻れるのを楽しみにしているよ」と、意気込みを語ったバリチェロ。
「史上最速のフォーミュラカーというS5000のコンセプトはとても興味深いものだ。マシンはとてもチャレンジングに見えるし、その歴史の最初の1ページで自分が役割を担えることを光栄に思う」
「(これまでのタスマンやフォーミュラ・サンダー5000などの流れを受け)オーストラリアで本格的なオープンホイールカテゴリーが復活するのは素晴らしいことだ。コクピットの背後に搭載される5リッターV8のサウンドと姿も最高だね」
「これまでサンダウンのサーキットには行ったことがなく、マシンを含めて多くのことを吸収しなくてはならないし、忙しい週末になるだろう。でもS5000のシリーズが始まるのにふさわしい場所、ふさわしいトラックのように感じる。最高の経験になるだろうね」
シリーズマネージャーを務めるクリス・ラムデンは、そのスタイルから「レーサーの中のレーサー」であるバリチェロが、560馬力のフォーミュラカーをドライブする姿を心から楽しみにしている、とエールを送った。
「ルーベンスがメルボルンにカムバックし、サンダウン・レースウェイで戦う日を心待ちにしている。この近年は、オーストラリアの”V8スピリット”に敬意を表し、この国でトップレベルのシングルシーター・カテゴリーを再興することに集中してきた。その失われたフォーミュラにスポットライトの当たる日が間もなくやって来る」
「ルーベンスは、F1やインディカーを退いた後もゲームに留まっている。ストックカー・ブラジルでの活躍はこの国にも伝わっているし、我々のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーとは異なるものの、同じようにV8エンジンを搭載したシボレー・クルーズで戦い続けている」
「実際、先週末に開催されたカンポ・グランデでのレースでは勝利を挙げた。彼は本物のレーサーなんだ。それゆえに、S5000に挑戦するオーストラリアの若手有望株や、経験豊富なドライバーにとっても、自分自身のパフォーマンスを図る際、ルーベンスは最高のターゲットになるだろう」
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