ソーシャルメディアに関心を持たないベッテル「自分のため、きっかけを与えるため」に行動を起こすと語る
アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、F1での仲間のドライバーやチームがインターネット上の様々なプラットフォームで圧倒的な存在感を示しているにもかかわらず、ソーシャルメディアから遠ざかるという決断を堅持している。
あらゆる立場のドライバーにとって、フェイスブックやツイッター、インスタグラムのアカウントは、デジタル時代におけるセルフプロモーションの道具だ。ベッテルのかつてのチームメイトであるキミ・ライコネン(アルファロメオ)でさえ、最終的には進んでソーチャルメディアを利用した。だがベッテルは、それらのプラットフォームは情報ではなく、エンターテインメントに向いていると考えている。
ベッテルは『La Gazzetta dello Sport』に対し、「大勢の人に到達するには、ソーシャルメディアは素晴らしいものだ」と話した。
「でも、それでは何を成し遂げたいのか次第だ。履いている靴下を見せたいのか、あるいはそれ以上を求めるのか、ということだ」
「もし重要なメッセージがあっても、メッセージを得るための自分のプラットフォームが必要だとは考えていない。僕は行動を起こすことに関心がある」
4度のF1チャンピオンであるベッテルは今年、行動を起こして、いくつかのメッセージを伝えたが、それはソーシャルメディア上で広がったのだった。環境保護に関心を持つベッテルは、先月オーストリアで地元の小学生向けにコンテストを開き、F1マシンの形をしたミツバチの巣箱を製作した。また第10戦イギリスGPのレース後には、ファンと共にグランドスタンドでゴミ拾いをしていた。
そのほかにも重要なメッセージを伝えようと努力をするベッテルは、第11戦ハンガリーGPでレインボーカラーのシャツを着用した。最近ハンガリー政府は、18歳未満を対象とした学校や娯楽番組で同性愛やトランスジェンダーを広める議論を制限する法案を可決したが、ベッテルはそれに対し懸念を表明したのだ。
ベッテルは、具体的な環境問題や社会問題への関心を引くために、自分の名声を利用して発言することを恐れていない。
「F1には適切なメッセージを伝える能力がある。F1が教育すべきだとは言わない。なぜなら、真実は彼らのポケットのなかにあると考えることになってしまうからだ」
「でも、僕たちは問題を解決するために全員が自分の役割を果たさなければならないと言うべきだ。たとえそれが気候変動のように非常に大きな問題だったとしてもね」
「もう後戻りできないことを自覚しなければならない。F1は単に速いマシンではいられないし、ただ話すだけでなく、どんどん行動しなければならない」
「僕は人々に刺激を与えることができる立場にいると思っている。たとえたったひとりの人しか刺激できなかったとしても、それで十分だろう。特定のキャンペーンではなく、僕は自分自身のためにやったけれど、同時にきっかけを与えるためでもあった」
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