【ライターコラムfromC大阪】“危機感”を口にする水沼宏太…「原点」に立ち返り鹿島との大一番へ
サッカーキング2017年8月25日(金)18時11分
今季いまだ無敗のホームに鹿島を迎える
24日、ワールドカップアジア最終予選のオーストラリア代表戦とサウジアラビア代表戦に挑む日本代表に、セレッソ大阪から山口蛍とともに杉本健勇が選出された。杉本は、7、8月のここまでの明治安田生命J1リーグ戦7試合で8得点。無得点に終わった試合は第21節の清水エスパルス戦のみという爆発ぶりで、チームをけん引している。その決定力の高さを前に、常々、杉本を気にかけている発言を残してきた日本代表ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、ついに招集を決断した格好となった。
第16節ベガルタ仙台戦の試合中に負傷した清武弘嗣がチームを離れて以降のC大阪を主演としての働きで引っ張ってきたのが杉本なら、助演としてチームに貢献してきたのが水沼宏太。同じく7月以降のリーグ戦7試合で決めたアシストは『6』。右足から放たれるクロスの精度は高く、杉本のゴールも3得点をお膳立てしている。特に、前節のジュビロ磐田戦で杉本の先制点をアシストしたクロスは絶妙であり、「ここへ飛び込んで来い」というメッセージがこめられた“匠の技”であった。
試合翌日、クロスおよび得点場面について尋ねると、「狙い通りです」と振り返った水沼。「今までは自分のところから真横に出すクロスが多かったけど、あのアシストはプラスに出したクロスだったので、あそこに入ってきてくれないと、GKまで行ってしまう。(杉本との)息が合ったゴールでした」と解説してくれた。磐田戦後は杉本も、「試合前から、(水沼)宏太くんとはクロスに入るコースやタイミングについて話していました」と明かすなど、互いのイメージがピタリと一致したゴールとなった。
右サイドからの得点が目立つ最近のC大阪だが、「左で崩して右がある」と水沼自身も話すように、柿谷曜一朗と丸橋祐介で組む左サイドが起点となってゲームを作り、右へ展開し、水沼がクロスからゴールを導く形が最近の得点パターンにもなっている。
夏場になっても得点力は落ちないC大阪だが、一方で失点は膨らんだ。勝ちを逃した第19節のガンバ大阪戦、第21節の清水戦、そして前節の磐田戦は、いずれも先制しながら逆転される、または追いつかれる、悔いが残る試合展開となった。水沼はそれを、守備の問題というよりチーム全体の問題として捉えている。
「最近の自分たちは甘いところがたくさん出てくる。勝っていた時に比べて球際も弱いし、切り替えも遅い。“この辺でいいや”という部分が全員に少しずつ出ている。11人が1回、そういうプレーをすれば、試合の中でそういうシーンが11回あるということ。セレッソがこれまでタイトルを獲ったことがないのは、肝心なところで詰めが甘いところに原因があるのだと、(セレッソに)入ってみて分かる」と現状を分析した上で、「まだ11試合ある。一番大事なところで甘さを出さないようにできたらいい。今節は鹿島とホームで戦うし、意地を見せないといけない。このままだとズルズル下がっていく。もう一回、引き締めて、一人ひとりが責任感を持ってピッチに立てるかどうか。もう一度、原点に立ち返って、一人ひとりがやるべきことをやらないといけない」と今節に挑む心境を話した。
言葉に出てきた、今季のC大阪の「原点」については、「攻守にアグレッシブにハードワークするという、当たり前のベースをまずやろう、というところから今季は始まった」と話し、「『セレッソはポテンシャルがある』ということはずっと言われてきたと思うけど、そういうポテンシャルにハードワークが加われば、それは強くなる。常勝と言われているチームがそれで、鹿島はそういうチームだと思う。自分たちも、そういうベースは持っておかないといけない。相手に立ち向かう気持ちを忘れず、最後の笛が鳴るまでピッチで戦うことが何より大事」と続けた。
今節の鹿島アントラーズ戦は、今季のリーグ全体の流れから見ても、C大阪にとって正念場の一戦。現在、リーグ首位の相手に対し、“ユン・セレッソ”の力を見せつけたい。
文=小田尚史
第16節ベガルタ仙台戦の試合中に負傷した清武弘嗣がチームを離れて以降のC大阪を主演としての働きで引っ張ってきたのが杉本なら、助演としてチームに貢献してきたのが水沼宏太。同じく7月以降のリーグ戦7試合で決めたアシストは『6』。右足から放たれるクロスの精度は高く、杉本のゴールも3得点をお膳立てしている。特に、前節のジュビロ磐田戦で杉本の先制点をアシストしたクロスは絶妙であり、「ここへ飛び込んで来い」というメッセージがこめられた“匠の技”であった。
試合翌日、クロスおよび得点場面について尋ねると、「狙い通りです」と振り返った水沼。「今までは自分のところから真横に出すクロスが多かったけど、あのアシストはプラスに出したクロスだったので、あそこに入ってきてくれないと、GKまで行ってしまう。(杉本との)息が合ったゴールでした」と解説してくれた。磐田戦後は杉本も、「試合前から、(水沼)宏太くんとはクロスに入るコースやタイミングについて話していました」と明かすなど、互いのイメージがピタリと一致したゴールとなった。
右サイドからの得点が目立つ最近のC大阪だが、「左で崩して右がある」と水沼自身も話すように、柿谷曜一朗と丸橋祐介で組む左サイドが起点となってゲームを作り、右へ展開し、水沼がクロスからゴールを導く形が最近の得点パターンにもなっている。
夏場になっても得点力は落ちないC大阪だが、一方で失点は膨らんだ。勝ちを逃した第19節のガンバ大阪戦、第21節の清水戦、そして前節の磐田戦は、いずれも先制しながら逆転される、または追いつかれる、悔いが残る試合展開となった。水沼はそれを、守備の問題というよりチーム全体の問題として捉えている。
「最近の自分たちは甘いところがたくさん出てくる。勝っていた時に比べて球際も弱いし、切り替えも遅い。“この辺でいいや”という部分が全員に少しずつ出ている。11人が1回、そういうプレーをすれば、試合の中でそういうシーンが11回あるということ。セレッソがこれまでタイトルを獲ったことがないのは、肝心なところで詰めが甘いところに原因があるのだと、(セレッソに)入ってみて分かる」と現状を分析した上で、「まだ11試合ある。一番大事なところで甘さを出さないようにできたらいい。今節は鹿島とホームで戦うし、意地を見せないといけない。このままだとズルズル下がっていく。もう一回、引き締めて、一人ひとりが責任感を持ってピッチに立てるかどうか。もう一度、原点に立ち返って、一人ひとりがやるべきことをやらないといけない」と今節に挑む心境を話した。
言葉に出てきた、今季のC大阪の「原点」については、「攻守にアグレッシブにハードワークするという、当たり前のベースをまずやろう、というところから今季は始まった」と話し、「『セレッソはポテンシャルがある』ということはずっと言われてきたと思うけど、そういうポテンシャルにハードワークが加われば、それは強くなる。常勝と言われているチームがそれで、鹿島はそういうチームだと思う。自分たちも、そういうベースは持っておかないといけない。相手に立ち向かう気持ちを忘れず、最後の笛が鳴るまでピッチで戦うことが何より大事」と続けた。
今節の鹿島アントラーズ戦は、今季のリーグ全体の流れから見ても、C大阪にとって正念場の一戦。現在、リーグ首位の相手に対し、“ユン・セレッソ”の力を見せつけたい。
文=小田尚史
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