ブルペン転向の仰天プランも? FA迫る大谷翔平の”再起”方法に米注目「WBC決勝と同じ役割もできるだろう」
打者として強烈な存在感を放つ大谷のFA価値は米球界で議論となっている。(C)Getty Images
大谷翔平(エンゼルス)のFA(フリーエージェント)契約はどうなるか——。この話題が、米球界で小さくないものとなっている。
キッカケは他でもない本人に降りかかったアクシデントだ。現地8月23日にエンゼルスのペリー・ミナシアンGMが、大谷が右肘内側側副靱帯の損傷を負ったと公表。今シーズンの投球は一切行わない方針であるとした。
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今オフにFAとなる大谷は、「唯一無二」と言われる二刀流で声価を高めてきた。とりわけ今シーズンは史上初の「2桁勝利&40本塁打」を達成し、稀代の天才がどれほどの契約を結ぶかが大きな注目を集めていた。
無論、契約に全く影響がないとは言えない。それは各球団のフロント陣も認めるところだ。MLB公式サイトで匿名の取材に応じたナショナル・リーグ球団の幹部は「彼は依然として素晴らしい打者で、ブルペンで投げることもあるかもしれないが、このニュースによって彼の価値と独自性は明らかに大きな打撃を受ける」と回答。同じく匿名のナ・リーグの球団幹部は、「明らかに今回の損傷が彼の市場に影響を与えるだろう。しかし、手術か保存的な治療かに関わらず、彼の総契約額は9桁の数字を減少させる可能性がある」と語った。
一方で、打者としても過去3年間で124本塁打を放ってきた規格外さを誇る大谷の価値が、大きく損なわれないのではないかという見立てをする人物もいる。米スポーツ専門局『ESPN』のバスター・オルニー記者は「打者としてのオオタニに関しては、ブライス・ハーパー(3億3500万ドル=約511億円)級かもしれないと推測する代理人がいる」と指摘。さらに「結局のところ、オオタニは史上最高級のスラッガーとして議論に必ず名前が上がる」と断言した。
「投手としての契約については、基本給にプラスして、先発登板数や救援登板数に関連した出来高が伴う形になり得る」
そう説いたオルニー記者は、MLB通算で、213勝&154セーブを誇る大投手ジョン・スモルツの例を引き合いに、「投手・大谷」の再建プランも見通した。
「オオタニが故障した直後、スモルツの名前は、エリートクラスの先発投手がクローザーに転向した成功例として、業界で頻繁に飛び交っていた。もしも、オオタニとその将来の雇用主が、投手としての負担を減らしたいと思っているなら、中継ぎとしての調整は常に選択肢になる。WBC決勝で日本代表としてプレーした時と同じ役割、つまり打者として相手にダメージを与えてから、終盤のリリーフとして出場することもできるだろう」
はたして、大谷はいかなる内容の契約を締結するのがベストなのか。熾烈を極めるであろう争奪戦に挑む各球団の思惑は興味深いものになっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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