WRC:トヨタ、エストニアに新拠点開設。マキネン「フィンランドに新プロジェクトのスペース必要」
WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTがエストニアにヨーロッパ圏の第2拠点となるメンテナンス施設をオープンさせた。
2017年にWRCへ復帰したトヨタはこれまで、チーム代表であるトミ・マキネンの地元、フィンランド・プーポラにファクトリーを構え、シーズンを戦ってきた。
しかし、主にロジスティクスの面でプーポラは立地が良いとは言えず、特にヨーロッパ各国で争われるラウンド後のマシン輸送にはドイツなどに拠点を構えるライバルチームよりも時間を要していた。
今回、チームはフィンランドとはバルト海を挟んで向かい合い、ラトビアとロシアと地続きのエストニアにメンテナンス用施設を開設。エストニアの首都タリンから8km圏内にある施設では、今後各ラリーを戦ったトヨタ・ヤリスWRCのメンテナンス作業が行われる。
エストニアの新拠点については2017年にフィンランドの地元紙が建設とファクトリーの転居を計画していると報じており、この際マキネンは報道を一部否定。新拠点建設は認めたものの、フィンランドから資材を分割することが目的だと語っていた。
WRC公式サイト『WRC.com』に対し、マキネンは「ヨーロッパ圏でのイベントを考慮するとタリンは完璧なロケーションだ」と述べている。
「なぜなら、エストニアはバルト三国のひとつでヨーロッパとは地続きで、(フィンランドのように)フェリーを使う必要がないからだ」
「フィンランドで行っていた時よりも、マシンの分解と組み立てといった作業を素早く終わらせることができる。それに新たなプロジェクトをスタートさせるためにフィンランドのファクトリーにはスペースが必要だったんだ」
「この両方の要望を満たすことができた」
なお、マキネンやTOYOTA GAZOO Racing WRTの公式ツイッターなどによれば、エストニアの施設ではマシンメンテナンスに関する作業のみが行われ、開発作業などは引き続きフィンランドのファクトリーで行われるという。
「マシン開発やテスト、本部としての運営機能などはフィンランドに残す。今のところ、エストニア(の施設)はラリー車両のメンテナンスに集中させる」とマキネン。
「また、エストニアで働くスタッフはほとんどが新たに雇用したスタッフで、フィンランドで働いているスタッフの大多数はファクトリーに留まり続ける」
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