WECシルバーストン:トヨタ、連覇に向け初日1-2スタート。ハートレー「まだ慣れるべきことがいくつかある」
WEC世界耐久選手権2019/2020年シーズン開幕戦シルバーストンが8月30日に開幕した。この日、2回のフリープラクティスがイギリスのシルバーストン・サーキットで行われ、チャンピオンチームであるTOYOTA GAZOO Racingは7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が総合首位、8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組)も総合2番手につけ、シリーズ連覇に向けて幸先の良いスタートを切った。
好天に恵まれたWEC“シーズン8”開幕ラウンド、シルバーストン4時間レースの初日は90分間のフリープラクティス(FP1)が午前と午後の計2回行われた。
直前の性能調整でマシンの最低重量が14kgプラスされ、ライバルに対して最低99kg重い状態で今戦に臨むこととなった2台のトヨタTS050ハイブリッドは、FP1こそLMP1プライベーターに首位を譲ったものの、午後のFP2では昨年度と同様の速さを発揮する。
このFP2で予選シミュレーションを実施したトヨタ勢は、コンウェイから7号車を受け継いだ可夢偉が1分36秒847というタイムを記録して総合トップに。また、8号車では一貴からバトンタッチしたブエミが、僚機から0.826秒差のタイムをマークして2番手につけた。
都合180分のセッションで、チームは日曜の決勝レースに向けたセッティングにも注力。新しいハイダンフォース仕様のTS050ハイブリッドにさまざまな空力セッティングを試すととともに、再舗装された路面に対するミシュランタイヤのデータを集めながら、ハイブリッドブーストや回生の適合を進めている。
■小林可夢偉「クルマの感触が良く、予選が楽しみ」
「今日は順調にセッティングを進めました。クルマの感触も良かったですが、我々はつねにさらなる改良を目指し、可能な限りの準備を進めています」と語るのは、初日最速タイムをマークした可夢偉。
「今日は周回を重ねることにバランスも改善されました。ペースには満足しており予選が楽しみです」
可夢偉のチームメイトであるコンウェイは「母国イギリスのファンの前で再び走ることができてうれしいよ」とコメント。
「再舗装されたコースはスムーズでグリップも高く、良いレースができそうだ。今日のタイムは接近しているし、予選も面白いことになるだろう。僕自身も楽しみだし、ファンの皆にもこのショーを楽しんでもらえることを望んでいるんだ」
また、ロペスも「LMP1クラスでの戦いはより厳しいものになり、良いバトルができると思う」と語る一方、「今シーズンを戦う新型パッケージであまりテストができていないため、特に空力面で調整が必要」であるとも述べている。
■「現行マシンで走る最後のシルバーストンを楽しみたい」とブエミ
チャンピオンカーの8号車をドライブする一貴は、クルマの仕上がりに満足していると語った。
「今日は天候がよく、安定したサーキットコンディションにより良い1日になりました。クルマの仕上がりには満足しています。ロングランのペースは良いですが、走行データをさらに調べる必要がありますね。全体としては、シーズン初日の出来に満足しています」
一貴とともに連覇を狙うブエミは「新しく舗装されたサーキットで良い走行ができまた。路面グリップが高かった」と昨年との路面の違いを説明した。
「シルバーストンに戻り、多くの周回を重ねることができた。ここでトヨタTS050ハイブリッドで走るのは今回が最後となるので、できる限り楽しんでいるんだ」
「また日曜の決勝レースは激しい戦いになると思うので、明日の予選は前方のグリッドからスタートできるようにプッシュするよ!」
今季、トヨタに迎えられたハートレーも「今日はスムーズに走行できた」と状態の良さをアピールする。
「テスト内容は非常に多かったが、大きな問題なく、とても快適に走行することができた。まだ慣れるべきことがいくつかあるけれど、TS050ハイブリッドには適応してきているので、チームとの初戦を楽しみにしているよ」と自信を覗かせた。
2019/20年WEC開幕戦シルバーストンはこの後、9時(日本時間17時)からFP3が行われ、12時50分(日本時間19時50分)からは決勝のグリッドを決定する公式予選が実施される。
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