「我々を一人で叩きのめせる」敵将と右腕が語った大谷翔平を“避けた”理由 本拠地ファンの野次に「理解できない」とも
思うような打撃が出来ずに、苦々しい表情を浮かべた大谷。彼との対決を“避けた”敵将がその理由を明かした。(C)Getty Images
レギュラーシーズンも佳境を迎え、大谷翔平(エンゼルス)が“避けられる”場面が増えている。現地9月2日に敵地で行われたアスレチックス戦で「2番・指名打者」で先発出場をするも、2度の申告敬遠を含む3四球と徹底的に勝負をされずに、2打数無安打と快音はなし。今季自己最長となる9試合連続ノーアーチとなった。
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無論、球界屈指のスラッガーとなった大谷の打撃を見に来た地元ファンからは「逃げるな」といった野次が混じったブーイングがホームチームに向けられた。両軍ともにポストシーズン進出争いからは離脱しており、いわば消化試合。ホームチームといえど、必要以上に二刀流スターとの対戦を避ける意義を見いだせないのだろう。
もっとも、アスレチックスが申告敬遠を命じたのは、5回1死二塁、そして2-1と1点リードの9回2死三塁といずれも得点圏に走者を置いた局面だ。通常であれば、強打者を歩かせる策は常套手段と言える。
ゆえに指揮官は「相手打線のなかで、我々を一人だけで叩きのめせる人間がいる。それがショウヘイだ」と訴える。試合後に地元放送局『NBCS』などの取材に応じたマーク・コッツェイ監督は「あの2打席(申告敬遠)はどちらも一塁が空いていた。そんな場面でダメージを与えるようなことはさせないさ。今日に関して言えば、こちら作戦がうまく当たって幸運だった」とキッパリと宣言している。
さらに47歳の指揮官は、地元ファンの容赦ないブーイングをふまえ、こう語っている。
「誰もがショウヘイの打撃を見に来ているのは知っている。じゃあなんで昨日の試合でピッチクロック違反によって審判が彼を歩かせたときにブーイングが起きなかったのかは不思議だね。理解できないよ」
さらに実際に勝負を避けるように命じられた投手も申告敬遠に理解を示している。5回にマウンドに立っていたポール・ブラックバーンは、「敬遠が間違っているとは思えない。正しい策だと思うよ」と持論を語っている。
「あの男には信じられない力がある。たった一振りで試合を変えてしまうからね。あの打順の巡りの中で、オオタニではない他の誰かと勝負に行くのは、あの状況において正しい行動だと感じるね」
地元ファンのブーイングに晒されようとも、アスレチックスの面々はプロとして勝ち負けにこだわる姿勢を貫いたのである。大谷への度重なる敬遠には勝負師としてのプライドが見えた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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