リカルド、ユベールの事故後の辛い心境を明かす「本当にレースをすべきかどうか考えた」
ルノーF1チームのダニエル・リカルドは、FIA-F2ドライバーのアントワーヌ・ユベールが土曜日に事故死した後、F1ベルギーGPに出場するのは非常に辛く、レースをすべきかどうか考えたと明かした。
決勝日の朝のパドックは悲しみに包まれており、リカルドは前日の悲劇的な事故とユベールの死について、特に動揺している様子だった。
リカルドは10番グリッドからスタートしたものの、1周目の接触事故により17番手に後退、最高で7番手まで順位を上げたが、最終的には14位に終わった。チェッカーフラッグが遠かったと、リカルドはレース後に語った。
「今日がやっと終わった。レースが終わってうれしい」とリカルド。
「おかしいかもしれないが、僕たちが尊敬の念を表す最善な方法は、今日レースをすることだった。でも本当は、今日ここでレースをしたいと思っていた者はひとりもいないと思う。少なくとも僕はそうだし、そう思っているのは僕だけではないと確信している」
「本当にきつかった。ここで努力して平静を装うことは、とても大変だった。昨日のことがあってから、パドックにいるたくさんの人々が心を痛めているのを知っている」
「終わったことに誰もがほっとしていると思う。ここから先に進むことができる。このようなことが起きるのは、これが最後であってほしい」
レースの前に荷物をまとめて家に帰ることを考えたかと聞かれ、リカルドは次のように答えた。
「もちろん、昨日の夜は考えた。『本当にやる価値があるのか?』と自分に問いかけた。単純かつ正直な疑問だ」
「これが僕たちの仕事であり、職業であり、人生だ。でも一方で、ただレーシングカーがぐるぐる回っているだけのものだとも言える」
リカルドは、レース前に行われたユベールの追悼セレモニーに出席、ユベールの母親と兄弟の精神力と勇気を見て、力をもらったという。
「今日ここで彼の家族の姿を見たことが、僕に強さを与えてくれた」とリカルドは語った。
「あんなことがあった後に、ここにこうしているなんて。彼らへの敬意を表しきれないよ」
「何と言っていいか分からない。自分がその立場にいることが想像できなかった。彼らは、今日ここにいる誰よりも強かったと思う」
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