スーパーGT:関口雄飛 2017年第6戦鈴鹿 レースレポート
2017年9月5日
2017年スーパーGT第6戦『第46回インターナショナル鈴鹿1000km』で、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは予選フロントロウを獲得!
関口雄飛と国本雄資に小林可夢偉が加わり、健闘の4位入賞を果たす
トヨタ、ニッサン、ホンダの各メーカーがニューマシンを投入し、新時代を迎えた2017年のスーパーGT第6戦が、三重県、鈴鹿サーキットにて8月26〜27日に開催されました。
伝統の鈴鹿1000kmレースとしては最後のイベントとなるこのレースに向けて、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、関口雄飛、国本雄資選手のレギュラードライバーに加え、第3ドライバーとして元F1ドライバーの小林可夢偉選手を起用。
幼少の頃からお互いカートで競いあった3人のチームワークは万全で、豪華なメンバーで真夏のサバイバルレースを迎えることになりました。
土曜日、早朝に予想外の雨が降り、雨は上がったもののフリー走行ではまだウェット路面となり、レインタイヤを装着しての走行となりました。フリー走行ではドライバー交代の練習や、決勝へ向けてのセットアップを進めましたが、いまひとつのフィーリングのまま15番手という結果に終わってしまいました。
予選に向けての短い時間の間に、3人のドライバーとエンジニア、坂東監督はミーティングを進め、予選でのセットアップの方向性を固めました。予選Q1アタッカーは関口雄飛。各ドライバーがウェイティングしながらアタックのタイミングを待ちます。
15時01分、関口雄飛はコースインし、ゆっくりとタイヤを温め、変更されたセットアップのフィーリングを確認すると、4ラップ目のアタックで1分47秒582をマークし、トップと0秒006差の2番手に躍り出ました。予選Q2に挑む国本雄資選手に、Q1でのマシンのフィーリングを説明する関口雄飛。
小林可夢偉選手もそのコメントやオンボード画像からマシンの状況を把握し、エンジニアに意見を出して、少しでも前のグリッドを求めてチーム力を結集します。その期待を一身に背負った国本雄資選手は、積極的に攻めの走りを見せ、3ラップ目にコースレコードを更新する1分47秒269を叩きだし、最終的に2番手、フロントロウのグリッドを獲得しました。
決勝当日、気温はレース開始直前に30℃まで上昇し、路面温度は47℃という過酷なコンディションとなりました。最後の1000Kmレースということもあって、多くのファンが詰めかけ、F1日本グランプリに匹敵するか、それ以上の賑わいぶりでした。
午後12時30分、決勝スタートドライバー、関口雄飛が好スタートを見せて序盤からトップ争いを繰り広げます。長丁場のレースとあって、戦略に幅を持たせる意味でもタイヤを温存しながら走る関口雄飛は、10周目にスプーンカーブで1台のマシンにかわされ3番手にドロップしましたが、すぐさま2番手へとポジションを戻します。
しかし再びストレートで抜き返され、3番手で第1コーナーへと消えていきました。15周目、ヘアピンコーナーでトップ3台が重なるようにして飛び込んだ結果、1台のマシンがクラッシュしましたが、関口雄飛はうまくマシンをコントロールして2番手をキープ。トップからつかず離れずの距離をキープしたまま、28周目に国本雄資選手に交代しました。
ピット作業を終えた19号車は、周囲のピット作業がひと段落した段階で2番手に再浮上しました。その後、トップとの差が11秒と開いた頃に、最終コーナーでGT300車両のアクシデントの為にセーフティカーが導入されたことによって、その遅れを取り戻しました。
レースは48周目に再開され、再び首位を狙う19号車でしたが、その差が8秒となった56周目にピットインし、2位で小林可夢偉選手に交代しました。スーパーGT初参戦となった小林選手は、気温31℃、路面温度44℃というレース中では路面的に最も厳しいコンディションの中、ピットアウトした時点で一旦は6番手までポジションを下げますが、各チームのピット作業が終わった段階で3番手に浮上。
WECでの経験が豊富な小林可夢偉選手だけに、スーパーGTのデビュー戦を感じさせない安定した走りでラップを刻み、GT300マシンを巧みに処理していきます。77周目、予定よりやや早めのタイミングで無事にマシンをピットへと運び、再び関口雄飛にバトンタッチしました。
タイヤ交換、燃料補給のピット作業を終えて、関口は14番手でレースに復帰します。95周目、130RでGT300マシンがクラッシュし、2度目のセーフティカーが導入されました。92周目にはすでに4位までポジションを回復していた関口雄飛はこれをチャンスとばかりに、103周目にレースが再開されると、再び表彰台を狙ってペースを上げ始めます。
ライバルチームのペナルティもあり、106周目には3位に浮上。その後、111周目に国本雄資選手に交代し、19号車は安定したペースで周回を重ねます。
レースは5回のピットストップが義務付けられていることもあり、最後のスティントは小林可夢偉選手が走行予定ではあったのですが、コース上では上位7台が混戦模様のバトルを展開しており、坂東監督はチャンピオンシップを意識した決断として、141周目に関口雄飛をみたびコースインさせました。
1000Kmという長丁場のレースを、まるでスプリントのような接戦で周回していくスーパーGTは、最後の最後まで表彰台をめぐる熾烈な戦いが繰り広げられました。関口雄飛も10番手でレースに復帰したあと、精一杯の攻めと、最大限のディフェンスを見せて着実にポジションを上げ、終盤には5番手をキープ。
そのままゴールかと思われた矢先、最後の最後で4位の座をもぎ取り、歓喜のチェッカーフラッグを受けました。残念ながら表彰台にはあと一歩届きませんでしたが、3人のドライバーと坂東監督は精一杯の力を出し尽くした満足感に、お互いの健闘を称えあいました。
■関口雄飛のコメント
「予選では、朝のフリー走行があまり良くなかったので大きくセットを見直し、マシンの挙動を頭の中でイメージしながら全力でアタックしました。タイム的にも仕事としても、満足できる走りでした。Q2で国本選手が頑張ってくれたのでフロントロウからのスタートでした」
「決勝は最終的に4位ということですが、今回は最低でも表彰台を狙っていましたし、レース中も、これはいけるんじゃないかと思っていました。しかし、レース序盤、中盤、後半とレースが進むに連れてライバルに比べてペースが遅くなり、逆に相対的にライバルたちのペースが良くなっていったので、実質的な自分たちのパフォーマンスを発揮できていなかったと思います」
「今回のレースは、後半に向けて良くなっていく予定だったのですが、それが悪くなってしまって、今回はウェイト差の意味でも最大のチャンスだったので、本当に残念です。次のレースは昨年も優勝を飾っている得意なタイですし、まだまだ諦めずに精一杯戦いたいと思います。暑い中、応援ありがとうございました」
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