SBK第9戦カタルーニャ:ドゥカティがレース1で表彰台独占。チャンピオンシップリーダーのラズガットリオグルは未勝利に終わる
スーパーバイク世界選手権(SBK)第9戦カタルーニャラウンドがバルセロナ・カタロニア・サーキットで行われ、レース1でスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、スーパーポール・レースでジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)、レース2でマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が優勝を飾った。
野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)はレース2で10位フィニッシュを果たしている。
■レース1:ドゥカティが表彰台を独占
土曜日に行われたレース1は、レース前に雨に見舞われた。グリッドにつく前のサイティングラップでは、濡れた路面に足をすくわれ、ギャレット・ガーロフ(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)が転倒を喫し、スタートできずにレースを終えてしまう。
スタート前には空に青空が見え始めたものの、気温23度、路面温度26度のウエットコンディション。スーパーポールの結果により、ポールポジションがトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)、2番グリッドがトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)、3番グリッドがジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)というフロントロウ。野左根は4列目12番グリッドに並んだ。
迎えたスタートでは、2番グリッドスタートのラズガットリオグルが好スタートを切ってトップに立つ。レイはスタートで出遅れたものの、すぐさま巻き返し、1周目でラズガットリオグルを交わす。レイがトップ、2番手がラズガットリオグル、3番手がマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、4番手がアクセル・バッサーニ(モトコルサ・レーシング)でオープニングラップを終えた。
2周目、レイとラズガットリオグルのトップ2が後方を引き離す展開。二人は何度かポジションを入れ替えるトップ争いを繰り広げるも、3周目にはラズガットリオグルがやや遅れ始め、レイが約2秒のアドバンテージを築いた。ラズガットリオグルはさらに後方からやってきたバッサーニの接近を許す。ラズガットリオグルとバッサーニはし烈な2番手争いを繰り広げ続けた。
トップを走るレイは着々と後方とのギャップを広げ、7周目には2番手との差が約2.7秒となる。レイが鉄壁の独走態勢に入るかに思われた。しかし、次第にギャップが詰まり始める。10周目には、2番手のラズガットリオグルとレイとの差は1秒を切り、その翌周の4コーナーでラズガットリオグルがレイをオーバーテイク。ラズガットリオグルがトップに立った。
2番手に後退した例に、さらにバッサーニが遅いかかる。ドゥカティのバイクを駆るバッサーニがメインストレートで加速すると、13周目の1コーナーで、レイをパス。レイは3番手に後退した。
トップを快走していたラズガットリオグルだったが、残り6周、マシントラブルが発生する。ラズガットリオグルは一気にスローダウン。バイクを止めてまさかのリタイアとなった。
代わってトップに立ったのはバッサーニ。2番手はレイだったが、追い上げて来ていたリナルディがレイを交わして2番手に浮上する。レイはさらにスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)にも交わされ、4番手に後退した。レディングは8番グリッドからスタートして一時は9番手付近を走行していたが、驚異的な追い上げで表彰台圏内にまでポジションを上げていたのだ。
レディングの勢いは止まらなかった。2番手のリナルディをかわすと、さらにトップのバッサーニを追う。残り4周ではこのレースのファステストラップを記録。そして残り3周、ドゥカティ同士のトップ争いはレディングに軍配が上がった。レディングはトップに浮上すると、そのままチェッカーを受けた。
レディングにとっては今季6勝目。2位はバッサーニ。SBKルーキーのリナルディにとって初の表彰台獲得となった。3位はリナルディで、ドゥカティが表彰台を独占した。レイは4位に終わり、5位はマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)だった。野左根は11位でフィニッシュを果たしている。
■レース2:リナルディが今季3勝目
日曜日のスーパーポール・レースはドライコンディションで行われた。3周目にチャズ・デイビス(チーム・ゴーイレブン)とルーカス・マヒアス(カワサキ・プセッティ・レーシング)が絡む転倒が発生し、このアクシデントにより赤旗が提示されてレースは一時中断となる。その後、レースは5周で再開され、レイが優勝した。2位はラズガットリオグル、3位はアルバロ・バウティスタ(チームHRC)。バウティスタにとっては今季初の表彰台獲得となった。野左根は転倒リタイアでレースを終えた。
レース2は気温26度、路面温度44度にまで上昇。スーパーポール・レースの結果により、ポールポジションにレイ、2番グリッドにラズガットリオグル、3番グリッドにバウティスタが並んだ。デイビスはスーパーポール・レースのクラッシュにより、肋骨2本を骨折。レース2は欠場している。
スタートから1コーナーではラズガットリオグルがトップに立ち、2番手にリナルディ、3番手にレイがつける。しかし2周目の1コーナーでトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)とルーカス・マヒアス(カワサキ・プセッティ・レーシング)による転倒が発生し、サイクスの救護活動のために赤旗中断となった。サイクスはメディカルセンターで脳震盪と診断され、その後、検査のためにバルセロナの病院に向かったという。
再開されたレースは19周で行われた。2度目のスタートでもラズガットリオグルがホールショットを奪う。2番手にはレイがつけていたが、2周目でリナルディがレイをパスして2番手に浮上した。リナルディは3周目にはラズガットリオグルをオーバーテイクし、トップに立つ。
トップはリナルディ、2番手にラズガットリオグル、3番手にレイのトップ3で周回が進んでいった。リナルディは少しずつラズガットリオグルを引き離しつつあり、ラズガットリオグルとレイとの差も均衡を保っている状態。
しかしその後、ラズガットリオグルがリナルディとの差を詰めていき、リナルディをパス。ラズガットリオグルが再びトップに立った。一方、レイは二人から遅れていき、11周目にアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)にかわされる。レイはさらにレディング、バウティスタにもオーバーテイクされ、6番手にポジションを落とす。
トップ争いは依然としてラズガットリオグルとリナルディによって展開されていた。残り5周、リナルディがラズガットリオグルをかわす。リナルディがトップを奪還すると、ここからラズガットリオグルが遅れ始めた。レース終盤にして、リナルディはラズガットリオグルに対し1秒以上のアドバンテージを築く。
リナルディはそのままトップでフィニッシュ。今季3勝目を挙げた。ラズガットリオグルは2位、3位には11番グリッドからスタートし、大きくポジションを上げたレディングが入った。4位はバウティスタ、5位はロカテッリ。レイは6位でレースを終えた。野左根は14番手からスタートし、ポイント圏内の10位フィニッシュを果たしている。
この結果、チャンピオンシップではラズガットリオグルがランキングトップを維持。しかし、ランキング2番手のレイとの差は1ポイントに縮まっている。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、今大会から川崎祥吾(G.A.P.モトズー・レーシングbyプセッティ)が復帰。レース1は24位、レース2は25位だった。
スーパースポーツ世界選手権300(WSS300)は、岡谷雄太(MTMカワサキ)がレース1で終盤に一時トップに立つも、8位。レース2では最終ラップまで表彰台をねらえる位置で走行していたものの、他車に接触されて後退し、最終結果は5位だった。
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