F1マレーシアGP決勝:フェルスタッペンが逆転勝利!ベッテルは最後尾から4位入賞もクラッシュ
10月1日現地時間午後3時にマレーシアGP決勝が行なわれた。
予選でパワーユニットトラブルに見舞われたセバスチャン・ベッテルは、ノータイムながら決勝出場は認められ、最後尾グリッドが決まったため今季5基目となるICE、TC、MGU-Hを投入した。
決勝の2時間半前に豪雨に見舞われたセパンはまだ路面が湿っているものの、レコノサンスラップの間に急速に乾いていく。その矢先、2番グリッドのキミ・ライコネンのマシンがスロー走行となり、グリッドには辿り着いたがメカニックがリヤカウルを開けて作業を試みたものの修復はできず、グリッドからピットガレージへと押し戻されレースに参加することはできなかった。
気温30度、路面温度38度というコンディションでスタートを迎えた。ベッテルとザウバーの最後尾3台のみがソフトタイヤを履き、その他は全車がスーパーソフトを履いている。
スタートでルイス・ハミルトンが好加速を決め易々とホールショットを奪う一方で、バルテリ・ボッタスも好発進でレッドブル勢を交わしに掛かるがマックス・フェルスタッペンはターン3出口でなんとかインを抑えて2番手を守る。
後方ではストフェル・バンドーンがフォース・インディア勢を交わして5番手に浮上している。ターン2でフェリペ・マッサと接触したエステバン・オコンはフロントウイングの翼端板を破損。
またバッテリーの充電が進まないハミルトンはデプロイメントが切れがちな状態に。そのため最速ラップを連発するフェルスタッペンがハミルトンの背後に迫って4周目のターン1でインに飛び込み、首位を奪い取った。
フェルスタッペンはさらに最速タイム連発でハミルトンをDRS圏外に引き離していく。3番手ボッタスにはダニエル・リカルド、5番手バンドーンにはセルジオ・ペレス、9番手ケビン・マグヌッセンにはフェルナンド・アロンソが背後に迫る。
9周目、リカルドがターン1から4までサイドバイサイドのバトルを繰り広げ、最後はターン4のアウトからボッタスをパスして3番手に浮上。ペレスも8周目にターン2立ち上がりを鈍らせたバンドーンのターン4インに飛び込んで5番手に浮上した。ベッテルは8周目にアロンソ、9周目にマグヌッセンを最終コーナーでパスして9番手まで挽回してきた。
9周目のニコ・ヒュルケンベルグを皮切りに中団勢の間でピットストップが始まる。11周目にピットインしたマッサは翌周インのランス・ストロールのアンダーカットに成功。
両者がバトルを展開するが、13周目にピットインしたバンドーンはウイリアムズ勢の直後でコース復帰しアンダーカットされてしまったものの、ストロールに仕掛けられたマッサがターン1でワイドになる間にインに飛び込んでウイリアムズ勢の前に戻り、なんとか順位を挽回した。ただし1周目にピットインしたオコンには逆転されている。
第1スティントが終わりに差し掛かった20周目の時点でフェルスタッペンはハミルトンを9秒引き離し、リカルドは13秒差、ボッタスは28秒も後方に離れペレスとベッテルが3秒後方に迫る。
まだピットインしていないアロンソはベッテルの18秒後方で7番手、その2秒後方にはサインツが迫る。ベッテルは21周目のメインストレートでDRSを使いペレスをパスして5番手に浮上し、4番手ボッタスを追いかけていく。20周目を過ぎるとフェルスタッペンもハミルトンもタイヤのタレを訴え始めるが、チームはラップタイムの推移を見てまだピットインはさせない。
25周目のターン1でサインツのアウト側に並びかけたオコンは接触しスピン。この間にバンドーンとウイリアムズ勢に抜かれて12番手まで後退してしまった。
26周目に2番手ハミルトンがピットインすると27周目には首番手フェルスタッペンもピットインして悠々とハミルトンの前でコースに復帰。ベッテルも27周目にピットインし、翌周ピットインしたボッタスをアンダーカットすることに成功した。リカルドは29周目にピットインしてハミルトンの12秒後方3番手に戻った。
後方ではアロンソが26周目にピットインしルノー勢とマグヌッセンの後方へと下がってしまう。しかしフレッシュなタイヤの威力を生かしてバトルを仕掛け、32周目のターン1〜2でインを突いて13番手に浮上。
その一方でアロンソの後方を走っていたサインツは29周目にスローダウンしピットに戻ってリタイアとなった。ペレスは30周目にピットインを済ませて中団勢のトップ6番手のポジションに収まった。
序盤にピットストップを終えていた7番手バンドーンは20秒後方にいてストロール、マッサ、オコン、ヒュルケンベルグ、パーマーらがそれぞれ1〜2秒差で続いている。13番手アロンソはそこから6秒後方にいる。
38周目のターン14でスピンを喫したパーマーはアロンソとマグヌッセンに抜かれ、続く最終コーナーでマグヌッセンを抜き返そうとするがサイドバイサイドのまま進入したターン1で接触して再びスピン。これでガスリーにも抜かれて16番手まで後退してしまった。
4番手ベッテルはスーパーソフトの威力で3番手リカルドより1周1秒速いペースでファステストラップを連発し追い上げる。45周目にベッテルはリカルドの1秒後方にまで迫り、テールトゥノーズのバトルへと入っていく。48周目のターン1ではリカルドだけが周回遅れのアロンソを交わし、ターン4出口まで押さえ込まれるかたちになったベッテルは不満を述べる。
49周目のメインストレートでDRSを使いターン1でインを狙ったベッテルだったが、リカルドはギリギリのタイミングでインをブロックして3番手を守る。
これ以降はベッテルのペースが伸び悩み、リカルドとのギャップはじわじわと広がっていく。残り数周で再び「エンジン温度は問題ない、アタックしろ」という指示がエンジニアから飛ぶが、両者の差は5秒を超えており、ベッテルはタイヤのライフ限界を超えたようで2秒以上ペースを落としてしまう。
フェルスタッペンは最後までペースを緩めることなく56周を走り切り、トップでチェッカードフラッグを受け自身通算2勝目を挙げた。
ハミルトンは12.7秒の差を付けられ2番手、リカルドはベッテルに14秒の差を付けて3番手表彰台を獲得した。ボッタスは単独の5番手、3強チームの後方ではペレスが唯一の同一周回で6番手、バンドーンはそこから31秒遅れで7番手でフィニッシュ。8番手ストロール、9番手マッサ、10番手オコンの順で、アロンソは2.739秒届かず11番手でレースを終えた。
ウイニングランのターン5でベッテルがストロールと接触し左リヤを大破させてストップする波乱で最後のマレーシアGPは幕を閉じた。
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