大谷翔平に特大弾を被弾…今も消えない衝撃を米左腕が告白「首を傾げたくなるボールも打たれるんだ」
ア・リーグの本塁打王となった大谷。“キング”が残した数々の一発には現役選手たちにも想いがある。(C)Getty Images
今シーズンにアメリカン・リーグの本塁打王となった大谷翔平(エンゼルス)。日本人選手史上初の快挙をやってのけた彼が積み上げた本数は「44」。飛距離493フィート(約150.2メートル)を記録した超特大弾もあれば、打球速度106.7マイル(約171.7キロ)を叩き出した弾丸ライナーアーチもあった。その一本ごとに人々は熱狂し、日米問わず多くのメディアによってクローズアップされた。
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一発で球界を席巻した。そんな大谷のホームランに強烈な想いを抱く投手がいる。ロッキーズの先発左腕カイル・フリーランドだ。
彼が打たれたのは、メモリアルな一発だった。6月に本拠地で行われたエンゼルス戦で、5回無死無塁の局面で大谷と対峙したフリーランドは、カウント2-1から86.9マイル(約139.8キロ)のチェンジアップを投じた。ボールはマスクを被る捕手エライアス・ディアスが「完璧なボール球だった」と振り返ったコースを突いたが、大谷は迷わず強振。速度103.1マイル(約165.9キロ)で飛んだ打球はあっという間にライトスタンドに着弾。29歳の日本人にとって、日米通算200号となった。
もっとも、ロッキーズの本拠地は高地にあるため、打球が通常よりも伸びやすく「打者天国」として認知はされている場所ではある。それでも打たれた瞬間にFワード用いて「クソッ!嘘だろ!」と叫んだフリーランドの脳裏には、他の被弾とは異なるインパクトを植え付けられたという。
現地10月2日に地元紙『The Dnvr』の取材に応じたフリーランドは、「信じられない瞬間だった」と回想。打たれた一球には「自信があって、明確な狙いがあったんだ」と告白している。
「あの時、僕は本当にストライクゾーンに投げるつもりはなかった。彼を打席から引かせるためのボールだったんだ。少しでも動いてくれたら次のボールの布石になると思っていたからね。ただただ彼の身体を引かせるか、弱い当たりの打ち損じか、ファウルボールになればいいと期待していたんだ。でも、彼は打ったんだ」
さらに「普通はあのコースのボールを引っ張ろうとしたら、(バットの)ヘッドが早く出すぎてファウルになるんだ。でも、オオタニは右中間に飛ばした。ああいうボールを引っ張る術を心得ており、バレルを乗せる正しいアプローチを知っている。そういう資質のある選手だ」と強調したフリーランドは、こう続けている。
「僕も彼が打ってきたとんでもないホームランの数々は見てきた。でも、あの一発は彼がどんな選手で、打席内でのカバー能力の広さを明らかに示すものだった。僕ら投手からすると、『なんで打てるんだ?』と首を傾げたくなるようなボールも打たれるんだ。あれは間違いなくそういうホームランだった」
大谷がまざまざと図抜けた打力。本塁打王となった男の凄みは打たれた投手を思わず脱帽させるものだった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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