WEC:「ポールを取れた」8号車と「単純に遅すぎた」7号車。一貴と可夢偉が語るトヨタの予選舞台裏
WEC世界耐久選手権第7戦富士6時間は10月14日、公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは、8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が総合3番手、僚友7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)は4番手となった。
前日は50分間の赤旗中断によって縮小された走行時間の影響から、セットアップを十分に詰めることができなかったトヨタ勢。
霧雨が舞うなかで実施された14日午前のフリープラクティス3回目では、7号車トヨタと8号車トヨタともに28周を走破し、予選と決勝に向けた準備を進めていく。
そんななか、8号車トヨタはセッション序盤にドライブしたセバスチャン・ブエミが1分35秒414というタイムをマーク。早い段階でタイムテーブルの最上段に名を連ねるが、最後までこのタイムを破るものは現れなかった。
一方、7号車トヨタはトップの8号車トヨタから1.6秒以上遅い4番手でセッションを終了。予選に向けて課題が残ったプラクティスセッションとなっている。
迎えた予選は天候の悪化が予想されたため、当初予定した開始時間より35分繰り上げた15時25分にスタート。直前のセッションで最速ラップを記録した8号車トヨタはポールポジションを狙い、まずは一貴からアタックを行なっていく。
一貴は、ポールポジションを獲得した1号車ポルシェ919ハイブリッドのアール・バンバーとほぼ同等のタイムを記録したものの、同時に走るLMP2カーに行く手を阻まれタイムをロス。
また、一貴から代わったブエミもトラフィックに悩まされタイムが伸びず。その結果、8号車トヨタはトップから0.195秒差の3番手となり、明日の決勝はセカンドロウから臨むこととなった。
14日に続き降雨が予想される決勝レースについては金曜会見でも語ったように「2013年のよう(レースができないような状況)になってもおかしくはないかな……と。そうならないことを願っていますけど」とコメントしながらも「今日、ポールポジションを獲得していたら別にそれでも良かったんですけど(笑)」とユーモアも交えてみせた。
0.195秒差で敗れたポールポジション争いについて、「トラフィックがなければふたりともコンマ3〜4秒縮められ、間違いなく1分34秒台に入れた。クルマ的にはポールを取れるだけの力があったと思う」と一貴。
両名ともウエットタイヤでアタックを行なったが「チームは予選直前までインターミディエイトタイヤを使用することも考えていたことに加え、ピットレーン出口で待機したくなかったこともありコースインが遅れました。その結果、トラフィックに捕まってしまった」という。
そんな8号車トヨタから大きく遅れをとることとなった7号車トヨタは、ロペス、可夢偉の順でアタックを行なっていくが、3回目のプラクティスと同様にタイムが伸びず。LMP1-H勢では唯一、各人の自己ベストタイムとラップの両方で1分35秒台に入れないという“異常事態”に見舞われた。
計測1周目は1コーナーで飛び出してしまった言う可夢偉は、トップに1.470秒という大差をつけられた予選結果について「マシンに問題があったわけではないです。セットアップの差で単純にクルマが遅すぎた」と振り返った。
同じウエットタイヤのなかでも「(最初にアタックした)ロペスと同じタイヤ、違う種類のタイヤの両方を試したが、タイムは変わらなかった」と言う可夢偉。
「現状、雨量にかかわらずグリップが得られていない状態。マシンバランスを調整したところで1秒以上(タイムが)上がるわけじゃないので、グリップがないとしか言いようがないです」
明日の決勝に向けては「データを見直して、問題点をひとつひとつ潰していくしかないですね」と語った。
15日(日)に実施される6時間の決勝レースは11時にスタートが切られ、17時にチェッカーを迎える。
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