レッドブル・レーシング創設者ディートリッヒ・マテシッツ氏が死去。ホーナー代表が感謝の言葉を捧げる
レッドブル社の共同創設者でオーナーであり、F1のレッドブル・レーシングおよびトロロッソ/アルファタウリの創設者、オーナーでもあるディートリッヒ・マテシッツ氏が78歳で死去したことが、10月22日に明らかになった。
マテシッツは1987年にエナジードリンクメーカーのレッドブル社を設立、さまざまなスポーツを通してブランドを広く認知させた。F1においては1995年にはザウバーをサポート、2004年末にはジャガー・レーシングを買収して、2005年からレッドブル・レーシングとしてF1に参入した。
その後、ミナルディを買収し、レッドブル・レーシングのためのドライバー育成の役割も担うスクーデリア・トロロッソ(現アルファタウリ)として2006年からF1活動をスタートさせた。
レッドブル・レーシングは2010年から2013年までセバスチャン・ベッテルとともにダブルタイトルを獲得し、F1トップチームとして大きな成功を収めた。2019年からはホンダのパワーユニットを搭載し、2021年にはマックス・フェルスタッペンによりドライバーズタイトルを獲得。2022年にはフェルスタッペンは連覇を果たし、アメリカGPでのコンストラクターズタイトル決定の可能性も高まっている。
トロロッソ/アルファタウリはドライバー育成を行うなかで、2021年には角田裕毅を起用、2014年の小林可夢偉以来の日本人ドライバーを誕生させた。
マテシッツはまた、2010年にはオーストリアのA1リンクを買収し、レッドブルリンクとして運営してきた。
F1の会長兼CEOステファノ・ドメニカリはマテシッツの訃報に際し、次のようなコメントを発表した。
「F1ファミリーの中でも非常に尊敬され、愛される存在だったディートリッヒ・マテシッツ氏が亡くなったという知らせに、私は深い悲しみを覚えています」
「彼は素晴らしい先見性を持った起業家であり、我々のスポーツを変革し、世界中に知られるレッドブルというブランドを作り上げた人物です」
「私は、F1のコミュニティ全体と同様に、彼の死を非常に寂しく思っています。この非常に悲しい時にある、彼の家族、友人、そしてレッドブルとアルファタウリ・チームを思い、祈ります」
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は『Sky Sports F1』に対して、次のようにコメントした。
「とても、とても悲しいです。彼は素晴らしい人物で、稀有な存在でした。彼が成し遂げたこと、彼が世界中の多くの人々のためにしたことは、さまざまなスポーツの世界において、比類ないものです」
「彼が与えてくれた機会、彼のビジョン、彼の性格の強さ、夢を追いかけることを恐れない姿勢に、多くの人が感謝しなければなりません。彼はF1でそういった行動をとり、人は何かを成し遂げられるということを証明したのです」
「我々は、彼がしてくれたこと、長年にわたって我々を支えてくれたことに対し、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。多くのドライバー、多くのチームメンバー、そしてこのピットレーンにいる多くの人々が、彼から恩を受けたのです」
「ありがたいことに彼はそれ(2022年のフェルスタッペンタイトル獲得)を見ることができました。彼はチームのこと、我々がしてきたこと、達成してきたことのすべてを信じられないほど誇りに思っていましたし、我々のやることすべてを熱心にサポートし、強く支持してくれていました」
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