刺激受けた香川真司とも対決…広島FW加藤陸次樹、初の古巣戦で不発悔やむ「自分の力不足」
サッカーキング2023年10月23日(月)12時17分
古巣対戦となった加藤とマッチアップする香川 [写真]=J.LEAGUE
移籍後初の古巣との対戦。「楽しみで仕方ない。いろんな覚悟を持って広島に来たので。とにかく勝つことだけを考えている」。今夏、セレッソ大阪からサンフレッチェ広島に移籍したFW加藤陸次樹は燃えていた。
広島は21日に行われた明治安田生命J1リーグ第30節でC大阪をホームに迎えた。加藤にとって約2年半過ごした古巣との対戦。気持ちが入らないわけがない。「相手も今回の試合はかなり気持ちを入れてくると思う。僕たちもそれを上回るメンタリティでいかないといけないし、僕も自分自身をかなり奮い立たせている」と試合前日の練習後に意気込んでいた。
広島は最近のC大阪戦で難しい試合を強いられてきたが、結果としては直近の公式戦5試合で全勝している。加藤は、「(C大阪在籍時は)ずっと広島には勝てないって言っていたので、僕が広島に来て負けるわけにはいかない。そこも僕自身はかなり意識している」と気を引き締めていた。
試合はお互いに激しい攻防を繰り広げた。広島は前半30分ごろまで前線のプレスがハマらず、加藤は「イメージと違った守備の仕方になってしまって苦労した部分も多かった」と指摘。「後半は選手全体がハマるように色々話して形を変えたのがうまくいった。前半からやれていれば、もっといい展開に持ち込めたと思う」と反省した。
フル出場した加藤は攻守でアグレッシブに戦って強い気持ちを見せた。39分には、相手GKキム・ジンヒョンに猛烈なプレスをかけてキックをブロック。ボールはゴール方向に跳ね返ってもう少しで得点だったが、枠の左に逸れていった。「今日はあの形を一回狙おうと思っていた」と明かし、「ジンさんがボールを持つのはずっとやっていてわかっていたので、ちょっとスピードを変えて行ってみようと思った。狙い通りだったけど、入らなくて悔しかった」と振り返った。
両チームともチャンスは作ったが、お互いの守護神がことごとく好セーブで立ちはだかり、スコアレスドローで試合を終えた。加藤は「いつもよりシュートチャンスを作れなかった。シュートに行くまでのクオリティが今日は質が低かった」と話し、「いろんな思いがある中で、今日は勝ちにこだわっていたけど、勝てなくて残念だし、自分の力不足だなと実感している」と自身の不発を悔やんだ。
元チームメイトとピッチでの再会を果たした。特に対戦を待ち望んでいたのは、今年2月にC大阪へ復帰したMF香川真司。日本代表や欧州でのプレー経験が豊富な先輩には短い期間ながらも大きな刺激を受けていたという。試合前日の練習後、加藤は「シンジくんはプライベートでも仲良くさせていただいていて、プレーでも『こういう人が上にいくんだろうな』っていう意識の違いを見せてもらったので感謝している。一緒にプレーできるのは楽しみ」と話していた。
この試合では2人が球際で激しくやり合う場面もあった。先輩とのバトルを「楽しかった」という加藤は、「ファールされたとき、シンジくんだと思わなくて、『おい!』って言って振り返ったらシンジくんで、『あ、すみません』って速攻謝りました(笑)」とピッチでのやり取りも明かした。
古巣戦を終えた後はC大阪サポーターのもとに行って挨拶し、深々と頭を下げていた。古巣サポーターから温かい拍手と「ムツキ」コールで迎えられ、「サポーターの方々に挨拶できていなかったので、(感謝を)プレーやゴールで示したいと思っていた。最後に挨拶に行った時にブーイングじゃなくて、拍手で迎えてもらえたので、それは本当に心の底からうれしかった」と感慨深そうに話した。
広島サポーターもキックオフ前に加藤の新チャントを初露目していた。これに対し、C大阪サポーターは同じ曲を使ったDFマテイ・ヨニッチのチャントで応戦し、両サポーターによるチャント合戦の形となっていた。この一連の流れに加藤も「めっちゃうれしかったし、やり合っていて笑いました」と笑顔だった。
広島は今季残り4試合。来季からは新スタジアム「エディオンピースウイング広島」に移るため、11月25日に行われる第32節のガンバ大阪戦が現本拠地「エディオンスタジアム広島」でのラストマッチとなる。背番号51は、「今日も多くのサポーターの方々が見にきてくれた中で、勝利を届けられなかったのはチーム全体として悔やまれる。あと1試合ホームゲームが残っているので、そこは気持ちを切り替えて勝ちにいきます」と力強く語った
取材・文=湊昂大
広島は21日に行われた明治安田生命J1リーグ第30節でC大阪をホームに迎えた。加藤にとって約2年半過ごした古巣との対戦。気持ちが入らないわけがない。「相手も今回の試合はかなり気持ちを入れてくると思う。僕たちもそれを上回るメンタリティでいかないといけないし、僕も自分自身をかなり奮い立たせている」と試合前日の練習後に意気込んでいた。
広島は最近のC大阪戦で難しい試合を強いられてきたが、結果としては直近の公式戦5試合で全勝している。加藤は、「(C大阪在籍時は)ずっと広島には勝てないって言っていたので、僕が広島に来て負けるわけにはいかない。そこも僕自身はかなり意識している」と気を引き締めていた。
試合はお互いに激しい攻防を繰り広げた。広島は前半30分ごろまで前線のプレスがハマらず、加藤は「イメージと違った守備の仕方になってしまって苦労した部分も多かった」と指摘。「後半は選手全体がハマるように色々話して形を変えたのがうまくいった。前半からやれていれば、もっといい展開に持ち込めたと思う」と反省した。
フル出場した加藤は攻守でアグレッシブに戦って強い気持ちを見せた。39分には、相手GKキム・ジンヒョンに猛烈なプレスをかけてキックをブロック。ボールはゴール方向に跳ね返ってもう少しで得点だったが、枠の左に逸れていった。「今日はあの形を一回狙おうと思っていた」と明かし、「ジンさんがボールを持つのはずっとやっていてわかっていたので、ちょっとスピードを変えて行ってみようと思った。狙い通りだったけど、入らなくて悔しかった」と振り返った。
両チームともチャンスは作ったが、お互いの守護神がことごとく好セーブで立ちはだかり、スコアレスドローで試合を終えた。加藤は「いつもよりシュートチャンスを作れなかった。シュートに行くまでのクオリティが今日は質が低かった」と話し、「いろんな思いがある中で、今日は勝ちにこだわっていたけど、勝てなくて残念だし、自分の力不足だなと実感している」と自身の不発を悔やんだ。
元チームメイトとピッチでの再会を果たした。特に対戦を待ち望んでいたのは、今年2月にC大阪へ復帰したMF香川真司。日本代表や欧州でのプレー経験が豊富な先輩には短い期間ながらも大きな刺激を受けていたという。試合前日の練習後、加藤は「シンジくんはプライベートでも仲良くさせていただいていて、プレーでも『こういう人が上にいくんだろうな』っていう意識の違いを見せてもらったので感謝している。一緒にプレーできるのは楽しみ」と話していた。
この試合では2人が球際で激しくやり合う場面もあった。先輩とのバトルを「楽しかった」という加藤は、「ファールされたとき、シンジくんだと思わなくて、『おい!』って言って振り返ったらシンジくんで、『あ、すみません』って速攻謝りました(笑)」とピッチでのやり取りも明かした。
古巣戦を終えた後はC大阪サポーターのもとに行って挨拶し、深々と頭を下げていた。古巣サポーターから温かい拍手と「ムツキ」コールで迎えられ、「サポーターの方々に挨拶できていなかったので、(感謝を)プレーやゴールで示したいと思っていた。最後に挨拶に行った時にブーイングじゃなくて、拍手で迎えてもらえたので、それは本当に心の底からうれしかった」と感慨深そうに話した。
広島サポーターもキックオフ前に加藤の新チャントを初露目していた。これに対し、C大阪サポーターは同じ曲を使ったDFマテイ・ヨニッチのチャントで応戦し、両サポーターによるチャント合戦の形となっていた。この一連の流れに加藤も「めっちゃうれしかったし、やり合っていて笑いました」と笑顔だった。
広島は今季残り4試合。来季からは新スタジアム「エディオンピースウイング広島」に移るため、11月25日に行われる第32節のガンバ大阪戦が現本拠地「エディオンスタジアム広島」でのラストマッチとなる。背番号51は、「今日も多くのサポーターの方々が見にきてくれた中で、勝利を届けられなかったのはチーム全体として悔やまれる。あと1試合ホームゲームが残っているので、そこは気持ちを切り替えて勝ちにいきます」と力強く語った
取材・文=湊昂大
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