【ルヴァン杯決勝 プレビュー】10月27日、新たな歴史の扉を開く時…大一番でも貫け“湘南スタイル”!
サッカーキング2018年10月26日(金)12時0分
クラブ史上初のルヴァン杯制覇を目指す [写真]=J.LEAGUE
あれは4月、アンジェ・ポステコグルー監督率いる横浜F・マリノスとの初対戦の時だった。試合後に語られた曺貴裁監督の言葉に、リスペクトやシンパシーの響きを聞いた。
「マリノスさんはフロンティアスピリットを持っているというか、自分たちがボールを持った時に意図的に相手ゴールに迫っていくフットボールを目指していらして、今日も非常に強いなと正直に思いました」
湘南ベルマーレは同じ神奈川に根差すそのマリノスと優勝を懸けて戦う。JリーグYBCルヴァンカップのファイナルはクラブ史上初めて踏みしめる舞台だ。
ここまでの道のりを思う。グループステージ前半は1勝2敗と黒星が先行したものの、後半の盛り返しでDグループを2位で通過。ベガルタ仙台とのプレーオフステージでは第1戦を3-0と快勝したが、敵地で迎えた第2戦は防戦を強いられ、1-3で辛くも勝ち抜いた。22年ぶりに駒を進めた準決勝、第1戦でアウェイゴールを奪い優位に立ったものの、第2戦は延長PKまでもつれ込んだ。
決して順調に勝ち進んだわけではなかった。ただ、例えば防戦一方だったアウェイの仙台戦、前半途中から急きょ出場したアンドレ・バイアがゴール前で体を張り続けたように、野田隆之介が貴重なアウェイゴールを挙げたように、あるいは準々決勝セレッソ大阪戦で20歳の金子大毅が2戦連続弾を決めたように、年齢や経験の別なくそれぞれがピッチに立つ責任を自覚し、チームのタスクを全うしながら自らの特長を傾けた。
梅崎司が言う。「みんなが常にチームを意識しながら、今どうしたらいいかを考えてプレーしている。若い選手の成長曲線も強く感じます」
再び、ここまでの道のりを思う。2010年に11年ぶりのJ1復帰を果たして以降、グループステージ全敗も経験するなど、ルヴァンカップのタイトルは長らく遠い存在だった。だが、時を重ね、時に降格の苦しみも味わいながら、指揮官のもとで自分たちのスタイルを育み、且つ結果を求めてチームのボトムアップが図られてきた。
「うちは誰かが飛び抜けているチームではない。一つの目標にみんなで向かった結果、決勝に進むことができたと思う」と秋元陽太は言う。杉岡大暉も「リーグ戦、ルヴァンカップに関係なく、チーム全員で1試合1試合向き合ってきた結果」と口にした。月日を経て、またシーズンを重ね、チーム、個人ともに成長を深めてきた。
そうして彼らは今、新たな歴史の扉に手をかけている。「選手がピッチで生き生きとする。楽しそうにプレーすることを僕は大事にしてきた」。曺監督は自身の考えに触れつつ、勝負の一戦に目を向ける。
「マリノスさんは『やるぜ』みたいな気持ちがすごく伝わってくるチーム。選手も楽しそうにやっているし、そういう相手と決勝で戦えるのはうれしい。楽しんでやりたいと思います」
攻撃的な志向の両者である。今季は1分け1敗と勝てていないが、きっと互いにタフでスピーディー、ゴールに意欲的な攻防が繰り広げられることだろう。何より、選手たちが生き生きと躍動する戦いに期待したい。
文=隈元大吾
湘南ベルマーレ 予想スタメン
▼GK
1 秋元陽太
▼DF
13 山根視来
20 坂圭祐
8 大野和成
▼MF
36 岡本拓也
6 石川俊輝
34 金子大毅
29 杉岡大暉
▼FW
23 高山薫
7 梅崎司
38 山崎凌吾
「マリノスさんはフロンティアスピリットを持っているというか、自分たちがボールを持った時に意図的に相手ゴールに迫っていくフットボールを目指していらして、今日も非常に強いなと正直に思いました」
湘南ベルマーレは同じ神奈川に根差すそのマリノスと優勝を懸けて戦う。JリーグYBCルヴァンカップのファイナルはクラブ史上初めて踏みしめる舞台だ。
ここまでの道のりを思う。グループステージ前半は1勝2敗と黒星が先行したものの、後半の盛り返しでDグループを2位で通過。ベガルタ仙台とのプレーオフステージでは第1戦を3-0と快勝したが、敵地で迎えた第2戦は防戦を強いられ、1-3で辛くも勝ち抜いた。22年ぶりに駒を進めた準決勝、第1戦でアウェイゴールを奪い優位に立ったものの、第2戦は延長PKまでもつれ込んだ。
決して順調に勝ち進んだわけではなかった。ただ、例えば防戦一方だったアウェイの仙台戦、前半途中から急きょ出場したアンドレ・バイアがゴール前で体を張り続けたように、野田隆之介が貴重なアウェイゴールを挙げたように、あるいは準々決勝セレッソ大阪戦で20歳の金子大毅が2戦連続弾を決めたように、年齢や経験の別なくそれぞれがピッチに立つ責任を自覚し、チームのタスクを全うしながら自らの特長を傾けた。
梅崎司が言う。「みんなが常にチームを意識しながら、今どうしたらいいかを考えてプレーしている。若い選手の成長曲線も強く感じます」
再び、ここまでの道のりを思う。2010年に11年ぶりのJ1復帰を果たして以降、グループステージ全敗も経験するなど、ルヴァンカップのタイトルは長らく遠い存在だった。だが、時を重ね、時に降格の苦しみも味わいながら、指揮官のもとで自分たちのスタイルを育み、且つ結果を求めてチームのボトムアップが図られてきた。
「うちは誰かが飛び抜けているチームではない。一つの目標にみんなで向かった結果、決勝に進むことができたと思う」と秋元陽太は言う。杉岡大暉も「リーグ戦、ルヴァンカップに関係なく、チーム全員で1試合1試合向き合ってきた結果」と口にした。月日を経て、またシーズンを重ね、チーム、個人ともに成長を深めてきた。
そうして彼らは今、新たな歴史の扉に手をかけている。「選手がピッチで生き生きとする。楽しそうにプレーすることを僕は大事にしてきた」。曺監督は自身の考えに触れつつ、勝負の一戦に目を向ける。
「マリノスさんは『やるぜ』みたいな気持ちがすごく伝わってくるチーム。選手も楽しそうにやっているし、そういう相手と決勝で戦えるのはうれしい。楽しんでやりたいと思います」
攻撃的な志向の両者である。今季は1分け1敗と勝てていないが、きっと互いにタフでスピーディー、ゴールに意欲的な攻防が繰り広げられることだろう。何より、選手たちが生き生きと躍動する戦いに期待したい。
文=隈元大吾
湘南ベルマーレ 予想スタメン
▼GK
1 秋元陽太
▼DF
13 山根視来
20 坂圭祐
8 大野和成
▼MF
36 岡本拓也
6 石川俊輝
34 金子大毅
29 杉岡大暉
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