9季ぶりのCLグループステージ敗退。ユベントスが解決すべき問題とは【試合分析】
2022/23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ・グループステージ第5節が10月26日(日本時間)に行われ、ユベントスがベンフィカに3-4で敗れた。
今節の敗戦により、決勝ラウンド進出の可能性が消滅したグループHのユベントス。セリエAでも第11節終了時点で5勝4分け2敗の8位と、スタートダッシュに失敗したイタリアの名門に、今何が起きているのか。ベンフィカ戦で浮き彫りとなった問題点をもとに分析する。
ユベントスのビルドアップを封じたベンフィカ
キックオフのホイッスルが鳴るやいなや、自陣後方からパスを繋いだ基本布陣[3-5-2]のユベントスに対し、ベンフィカが[4-4-2]の守備隊形で応戦。
ユベントスの5人の中盤の真ん中を務め、パスワークの要でもあるマヌエル・ロカテッリを、2トップの一角ゴンサロ・ラモスが監視。ジョアン・マリオとフレデリク・アウルスネスの両サイドハーフは、ユベントスの3バックの両脇フェデリコ・ガッティとダニーロへむやみに突撃せず、サイドのスペースのケアを優先。ベンフィカは時折ハイプレスをかけながらも、4バックと4人の中盤による2ラインをコンパクトに保った。
ユベントスのフィールドプレイヤーがGKボイチェフ・シュチェスニーにバックパスを送った際は、このポーランド人GKにラモスがプレスをかけ、フロレンティーノ・ルイスとエンソ・フェルナンデスの2ボランチのどちらかが中盤から飛び出してロカテッリを捕捉。このベンフィカの整然とした守備により、ユベントスのパスワークはサイドに追いやられ、特に前半は長身FWドゥシャン・ブラホビッチのポストプレーも封じられた。
詰めが甘かったユベントスの守備
対するユベントスは、相手ボール時に右ウイングバックのフアン・クアドラードが最終ラインに下がり、[4-4-2]に隊形変化。
[4-4-2]の両サイドハーフ、ウェストン・マッケニーとフィリップ・コスティッチがベンフィカの両サイドバック(アレクサンダー・バーとアレハンドロ・グリマルド)に鋭いプレスをかけたが、ダニーロとクアドラードの背後をマリオやアウルスネスに突かれ続け、劣勢に。この状況に危機感を覚えたのか、ユベントスは時間の経過とともに[5-3-2]の守備隊形も織り交ぜるようになった。
前半11分50秒すぎに、バーから最前線のラファ・シウバへのロングパスが繋がってシュートを放たれるなど、ベンフィカのサイドバックに対するユベントスのプレスが緩む場面がちらほら。
[3-5-2]の守備隊形を敷いた同15分45秒すぎには、ベンフィカの最終ラインからのパスがインサイドハーフのアドリアン・ラビオと左ウイングバックのコスティッチの間を通過し、同サイドに立っていたマリオに攻撃の起点を作られる。中央を閉じて相手最終ラインからのパスをサイドに誘導するのか、それともサイドへのパスコースを塞ぎ、中央にパスを誘うのかの意思統一が、ユベントスの選手同士で図られていなかった。
ベンフィカはマリオを起点とするパスワークからコーナーキックを獲得。直後にフェルナンデスが左サイドからクロスを上げると、このボールにアントニオ・シウバがヘディングで合わせ、先制ゴールを奪った(前半17分)。
ユベントスは同21分にコーナーキックからモイーズ・キーンが同点ゴールを挙げたものの、その後もベンフィカに攻め込まれ、同26分には自陣ペナルティエリア内でクアドラードがハンドの反則をとられてしまう。
これによるPKをマリオに物にされると、同35分には相手のゴールキックから速攻を浴び、マリオのクロスに反応したラファ・シウバに追加点を奪われる。
後半5分にも、グリマルドのスルーパスを受けたラファ・シウバにゴールを許し、グループステージ突破に必要だった勝利は絶望的に。同32分に、途中出場のFWアルカディウシュ・ミリクがサミュエル・イリング・ジュニオールの左サイドからのクロスに合わせ、その2分後にもマッケニーがイリングのクロスのこぼれ球を押し込んだが、逆転には至らなかった。
悔やまれる前半の出来
アントニオ・コンテ監督が率いた2013-14シーズン以来、9季ぶりにチャンピオンズリーグのグループステージで姿を消したユベントス。ベンフィカ戦の敗因は、完成度が低かったキックオフから先取点を奪われるまでの守備に尽きるだろう。
攻撃時の[3-5-2]から守備時の[4-4-2]への隊形変化にもたつき、このタイミングでダニーロとクアドラードの背後をベンフィカ陣営に狙われる場面がしばしば。[4-4-2]の陣形を整えた後の守備は無難に行っていたが、問題は隊形変化の最中に、最終ラインの背後を突かれたときだった。
引き続き[3-5-2]から[4-4-2]への隊形変化に磨きをかけるのか、それとも[5-3-2]([3-5-2])の守備ブロックの練度を高めるのか。国内リーグでの巻き返しに向け、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は守備のコンセプトをもう一度明確に打ち出すべきだろう。
「ユベントス」をもっと詳しく
「ユベントス」のニュース
-
サッカー=アタランタがイタリア杯決勝進出、ユベントスと対戦へ4月25日10時1分
-
サッカー=ラツィオ、イタリア杯準決勝で敗退 ユベントスに勝利も4月24日10時15分
-
ラツィオMF獲得失敗のユベントス、今夏フリーのマンUストライカーを代替案に?4月16日19時10分
-
ユベントス関心も…スポルティング守田英正が契約延長。年俸は日本代表最低額級4月12日6時58分
-
ユベントス、今季躍進のボローニャ指揮官招へいで大筋合意?教え子も引き抜きか4月8日21時20分
-
ユベントスもボローニャFW争奪戦に参入?買い戻しOP保持のバイエルンに接触4月6日18時0分
-
ユベントス、攻撃強化にジェノアFWに興味?すでに代理人と交渉開始か4月5日20時55分
-
ユベントス、サウサンプトンから加入のアルゼンチン人MFの残留望む?4月5日18時5分
-
ブレーメル去就不透明のユベントス、ボルフスブルク大型DFに興味?3月29日19時35分
-
安価なオプション模索のユベントス、ブラジル代表デビューのポルトDFに注目?3月28日19時30分
スポーツニュースランキング
-
1決勝日本戦前に…ウズベキスタン代表2選手が離脱!五輪出場決定で目標達成 FOOTBALL TRIBE
-
2大谷翔平の“資金”で豪遊三昧 水原容疑者から送金を得た胴元の行動に愕然「ミズハラが隠蔽しようとしたカネもギャンブルに消えた」 ココカラネクスト
-
3桃田賢斗、出番なく日本代表活動終了 バド男子日本は1勝3敗でマレーシアに敗れ準々決勝敗退 【トマス杯】 TBS NEWS DIG
-
4チャンカレが金沢と契約終了「信頼関係に疑問」新スタ名称は無関係と強調も… FOOTBALL TRIBE
-
5防御率「1.64」の驚愕! 山本由伸が直近6試合で“無双状態”に「自分のピッチングができるようになっている」と実感するポイントとは ココカラネクスト