NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2017第33戦マーティンズビル レースレポート

AUTOSPORT web2017年10月31日(火)17時43分

モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第33戦マーティンズビル


カイル・ブッシュが今季5勝目で最終ラウンド進出!
トヨタ・カムリ1-2フィニッシュ


 ペーパークリップショートオーバルのマーティンズビルで行われたプレーオフ第3ラウンドの初戦は終盤荒れた展開となったが、カイル・ブッシュがこれを制し、最終戦ホームステッドでタイトルを争うプレーオフ最終ラウンド進出の権利を手にした。


 トラック・シリーズでは19歳のルーキー、ノア・グラッグソンが終盤の逆転で自身キャリア初勝利を飾った。


Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第33戦 First Data 500

開催日:10月29日


カイル・ブッシュが今季5勝目で最終ラウンド進出!
トヨタ・カムリ1-2フィニッシュ


 10月29日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第33戦『First Data 500』が開催された。


 全36戦のうち終盤の10戦で上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフは7戦目に入り、当初の16名から8名まで絞り込まれた。ここから3戦を終えた時点での上位4名が最終戦ホームステッドでのファイナルラウンドに進出する。現在トヨタ勢では最多7勝のマーティン・トゥルーエクス・Jr.、続く4勝のカイル・ブッシュ、デニー・ハムリンの3名がこの8名の中に残っている。


 開設70年という長い歴史を持つマーティンズビルは、シリーズ最短の1周0.526マイル(約850m)でその形状からペーパークリップの愛称を持ち、毎周2回ヘアピンでのバトルを繰り返すようなハードなコースである。マーティンズビルでは年2回カップ戦が開催されているが、地元出身のハムリンが過去5勝と得意にしているほか、カイル・ブッシュも昨年の春大会を制している。


 29日(日)午後3時18分に0.526マイルショートオーバルを130周、130周、240周の3ステージ合計500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタート。


 決勝前の予選ではトゥルーエクス・Jr.がトヨタ勢最上位の2番手につけスタートを切ったが、その後イエローコーション時の好ピット作業などにも助けられカイル・ブッシュが一気にポジションアップ。首位争いの後方3位へと浮上した。


 ステージ1終了まで残り7周というところでもう1台かわしたカイル・ブッシュがステージ1を2位フィニッシュ。トゥルーエクス・Jr.が5位、ハムリンが10位となった。


 ステージ2前のコーション時、ピット作業でカイル・ブッシュが首位に浮上。一方でハムリンはピットロードのスピード違反を取られ、ほぼ最後尾の37位まで後退。


 ステージ2はカイル・ブッシュが首位を快走。イエローコーションが出ない展開となり、次々と車両が周回遅れになっていった。そんな中、最後尾近くからの追い上げとなったハムリンは着実にポジションをアップ。15位まで復帰したところで、後方に首位走行のカイル・ブッシュが迫ってきたが、何とか首位と同一周回をキープ。


 周回遅れをかいくぐりながらの激しい首位争いを繰り広げたカイル・ブッシュだったが、残り3周というところで惜しくもかわされ、ステージ2も2位。トゥルーエクス・Jr.が4位、ケンゼスが8位、ハムリンは12位までポジションを上げて終えた。


 ステージ3もカイル・ブッシュがピットでポジションを上げ、序盤は首位を快走。しかし、ステージ中盤に入るとハンドリングの不調に見舞われ、4位へとポジションを落としてしまった。


 終盤にかけてのピットにおける調整で調子を取り戻して行ったカイル・ブッシュは再び首位争いに復帰。ハムリン、トゥルーエクス・Jr.も加わって終盤、複数台による激しい首位争いが繰り広げられた。


 残り9周でスピン車両によりイエローコーション発生。ハムリン、カイル・ブッシュ、トゥルーエクス・Jr.が3,4,5位につけて再スタートが切られたが、その翌周、2位に上がったハムリンと首位の車両が接触、首位の車両がスピンを喫し、再びイエローコーション。レースは延長され、最後の2周“オーバータイム”で決されることに。


 ハムリンが首位、カイル・ブッシュ2位、トゥルーエクス・Jr.4位で再スタートが切られ、ハムリンとカイル・ブッシュはサイド・バイ・サイドのままファイナルラップへ。ターン1でインを奪ったカイル・ブッシュが首位に立つと、追走したトゥルーエクス・Jr.も2位へ。


 ポジションを落とすことになったハムリンは最終コーナー立ち上がりでスピン。これに後続が次々と突っ込む多重クラッシュとなり、レースは混乱の中で終わった。


 この結果、カイル・ブッシュが今季5勝目。プレーオフ第3ラウンド初戦を制し、前ラウンドでは脱落の危機にも見舞われたカイル・ブッシュがまずホームステッドでのプレーオフ最終ラウンド進出を決めた。トゥルーエクス・Jr.は2位に入り、ランキング首位の座を守った。


 ハムリンは7位フィニッシュとなり、ランキングでも7位だが、4位とはまだ8ポイントという僅差でプレーオフ第3ラウンドの残り2戦に臨むこととなる。


 次戦第34戦は11月5日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。


ドライバー カイル・ブッシュ


「チームにとって素晴らしい勝利であり、ここマーティンズビルでビクトリーレーンに上がれるのは最高だ。私はシャーロット、マーティンズヴィルとホームステッドでの勝利を切望してきたが、そのうちのひとつでまた勝つことが出来た。チームが本当に素晴らしいトヨタ・カムリを用意してくれた。最終戦ホームステッドが楽しみだ」


NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第20戦 Texas Roadhouse 200

開催日:10月28日


19歳ルーキー、ノア・グラッグソンがキャリア初勝利!


 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第20戦「Texas Roadhouse 200」が10月28日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。


 終盤の7戦で争われるトラック・シリーズのプレーオフも4戦目。当初の8名から6名へと絞られた第2ラウンドへ突入した。トヨタ勢はこの6名の中に、クリストファー・ベル、マット・クラフトン、ベン・ローズの3名が残っており、タイトルを争っている。


 28日(土)午後1時14分、0.526マイルショートオーバルを50周、50周、100周の3ステージ合計200周(105.2マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタート。


 2番手スタートのクラフトンが、序盤追い越しの難しいコースで苦戦したものの、ステージ中盤のイエローコーション時、ピットで首位に立つと後半は独走。ステージ1を制した。ローズが3位。ベルは異常振動に苦しみ16位でステージ1を終えた。


 ステージ2はクラフトンが2位、ノア・グラッグソンが3位、調子を取り戻し追い上げたベルが4位。


 ステージ3スタート時は、ピットでタイヤ2本交換を選択したベルが首位へ。クラフトンとの首位争いを展開したが、122周目にこの2台が接触。クラフトンはそのままレースを続行したが、スピンを喫したベルはダメージ修復のためピットインを強いられ、ポジションを落としてしまった。


 終盤は、首位を逃げるクラフトンを、19歳のルーキー、グラッグソンが猛追。残り18周でイエローコーションが出されると、最前列の有利なイン側を首位のクラフトン、アウト側をグラッグソンと最前列に2台並んで残り10周で再スタート。


 2台はサイド・バイ・サイドのままターン1から2を通過したが、ターン3,4の立ち上がりでアウトから押さえ込んだグラッグソンが僅かに先行し、ストレートでパス。この日初めて首位に立ったグラッグソンがそのまま逃げ切り、念願の初勝利を飾った。


 クラフトンが2位、カイル・ブッシュ・モータースポーツの17歳コンビ、ハリソン・バートンとトッド・ギリランドが4位、5位。ベルは追い上げて8位、ローズが9位と着実にトップ10フィニッシュ。ランキングではベルが首位を維持。クラフトン3位、ローズ4位とトヨタ勢は3台共に次ラウンド進出圏内につけている。


 次戦第21戦は11月3日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。


ドライバー ノア・グラッグソン


「ベテランドライバー達との、本当にタフなレースだった。終盤のコーションはチャンスだった。マーティンズビルでアウトから抜くのはほぼ不可能だが、私はそれをやり遂げた。完璧な再スタートが切れた。最後の数周はコーションが出ないことを願い続けた」


「ここは子供の頃からテレビゲームで何度も走ったコースで、最後はテレビゲームを見ているような気分だった。実際のレースに出るようになり、本当に勝てたなんて信じられない気分だ」


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