【アルゼンチン共和国杯】新潟記念2着馬が「ドウデュース式」仕上げで万全 友道厩舎の「1週前CW&当週DP」で折り合いもバッチリ
DPコースをパワフルに駆け抜けたセレシオン(カメラ・豊田 秀一)
◆アルゼンチン共和国杯追い切り(30日・栗東トレセン)
第62回アルゼンチン共和国杯・G2(11月3日、東京)の追い切りが30日、東西のトレセンで行われた。セレシオンは栗東・DPコースで鋭い伸びを見せ、目下の充実をアピール。先週の天皇賞・秋を制したドウデュースと同じ友道厩舎に所属するハーツクライ産駒の5歳牡馬が、重賞初制覇へ万全の態勢を整えた。
弾むようなステップで小気味いいリズムを刻んだ。セレシオンは栗東・DPコースを単走。外ラチ沿いを軽やかな脚さばきで駆けた。直線で気合をつけられると、フットワークに力強さが加わり、6ハロン86秒4―11秒4をマーク。折り合いもピタリとつき、状態は申し分ない。
1週前にCWコースで速い時計を出し、当週はDPコースで整える調整過程は先週の天皇賞・秋を勝ったドウデュースと同じ。JRA・G1・20勝を誇る友道厩舎の勝負仕上げだ。「もともと集中力が続かなくて前向きさがなかったけど、調教でも真面目に走るようになってきた」と友道調教師はうなずいた。
大きな挫折を乗り越えた。デビューから5戦で3勝を挙げ、菊花賞(11着)にも挑んだ。飛躍が期待されたその後は脚部不安を発症して1年間の長期休養。4歳シーズンの大半を棒に振ったが、昨年10月の復帰後は〈2〉〈3〉〈2〉《1》〈3〉着と安定した成績を残してきた。
最大の武器はキャリア12戦で8度も上がり3ハロン最速を記録している末脚。前走の新潟記念もメンバー最速32秒8で追い上げ鼻差2着と重賞でも通用する能力を示した。
晩成型のハーツクライ産駒、5歳、圧倒的な決め手。どれもが今年の秋の盾で4年連続G1制覇の偉業を成し遂げた僚馬と重なる。「あとひと押しで重賞を取れそうなところまできている。十分チャンスはあると思う」と友道師。タイトル獲得の瞬間は、目の前にある。(山本 理貴)
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