トロロッソ・ホンダF1密着:決勝で苦しんだ原因は、パワーユニットのトップスピード不足か
「メキシコGPのレースでは14番手からスタートしたのにいいペースで走って、一時はポイント圏内に行けたのに、なぜ2週間後のブラジルGPでは苦しむことになったのか。チームはこれから数週間きっちり調べてくれると思う」
第20戦ブラジルGPで16番手からスタートしながら11位に終わったブレンドン・ハートレーは、「今日のレースは僕のF1のキャリアの中でもベストなパフォーマンスだった」という走りを披露したものの、ポイント獲得はならなかった。
チームメイトで9番手からスタートしたピエール・ガスリーはスタート直後に8番手にポジションを上げたものの、その後ダニエル・リカルド(レッドブル)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、セルジオ・ペレス(メルセデス)に抜かれ、ポイント圏外に脱落した。「今日はハートとフォース・インディアにはまったく歯が立たなかった」と敗戦の弁を語った。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターも「一発のタイムを競った土曜日の予選ではガスリー選手がトップ10に入りましたが、レースではトップ10を守りきれなかっただけでなく、前を走るドライバーたちからも離されてしまいました。ロングランでのペースの遅さが、今日のすべて」と首を傾げた。
なぜ、トロロッソ・ホンダは日曜日になって突然ペースが遅くなったのか。その原因のひとつがタイヤのマネージメントだった。
「いろんな要素があると思いますが、タイヤがブリスターを発生させていたことは事実です。天気が良くなり、路面温度も高くなると予想していましたが、結果的にバイブレーションが起きるくらいひどいブリスターを発生させてしまった。どのようにマネージメントすれば良かったのか、考える必要があります」
■タイヤのマネージメントに苦しんだピエール・ガスリーがその理由を語る
ガスリーはそのひとつの要因として、パワーユニット(PU/エンジン)の性能を挙げる。
「メルセデスやフェラーリのPUを搭載しているチームはストレートが速いから、コーナーではペースを落としてタイヤを労わることができるんだ。そんな彼らに僕らが追いつくにはコーナー区間しかないため、タイヤがオーバーヒートして、ブリスターが起きやすくなるんだと思う」
田辺TDも「パッケージとして、われわれはトロロッソとともにやるべきことはたくさんある」と前置きした上で、こう語った。
「パワーユニットとしてもメルセデスとフェラーリに対して現時点で大きく負けていることは真摯に受け止めなければなりません。来年に向けては継続して開発を続けていくしかありません」
ザウバーのシャルル・ルクレールが中団グループのトップとなる7位に入賞したたため、コンストラクターズ選手権で8位のザウバーとの差は3点から9点に広がった。それでも、田辺TDは「最後まであきらめずに戦います」と語り、こう続けた。
「今回の結果をチームも解析しますし、われわれのほうも、今回トップスピードが伸びなかったという点を踏まえて、PUのパフォーマンスをもう一度、見直し、最終戦には持てる力を最大限に発揮できるように準備をして臨みたいと思います」
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