ウォルフ、ドライバー間にライバル関係を求める。「メルセデスF1に必要なのは前向きな心構えと現状破壊」
メルセデスF1チームのボスであるトト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの間に生じる純粋なライバル意識だけがチームを前進させ、ふたりをタイトル獲得に向けた戦いに駆り立てると考えている。
今シーズン、メルセデスは4年連続となるコンストラクターズとドライバーズの両タイトル獲得を達成した。ウォルフはその背景としてドライバーの間に協調的なムードがあったことを挙げつつ、前年の2016年シーズンにはハミルトンとニコ・ロズベルグが緊張した関係性であったことを指摘した。
ウォルフは、たとえチームとしての統率に差し障りが生じようとも、これからは両者の間に“現状を破壊する”という考え方が確立されるべきだとして、次のように述べた。
「ストレスが増すような状況を、チームがあえて避ける必要はないと思っている」
「もしふたりのチームメイトがレースでの勝利とタイトル獲得を目指して互いに争えるならば、それこそがライバル関係なのだと認識する必要がある。我々はそういったことを意識し、認めていかなければならないということだ」
「我々はここで新しい家族を作ろうとしているのではない。我々はF1で最も実戦的なチームになろうとしている。そして実戦的なチームには、冷静さや前向きな心構え、考え方と同じ程度に、ストレス、緊張感、現状破壊が必要なのだ」
「もちろん、人生のどんな局面でもそうであるように、成功のレシピには両方の要素が必要だろう」
ウォルフは、シーズン後半になってそスランプから脱却したボッタスのパフォーマンスにも言及した。
今回の復調とそのためにボッタスが見せた性格の強さは、彼自身のキャリアの中でも重要な転換点になったと証明される日がいつか来るとウォルフは考えており、
以下のように述べた。
「真に優れたドライバーは、スランプを克服することができる者だ。おそらく数年のうちには、過去を振り返ってあの頃が彼にとって重要な時期だったのだと思う日がくるだろう」
「彼は厳しい男だ。当時、外見からはうかがい知れなかったが不振がショックだったようだ。本人がそう言っていた。だが、性格の強さがここまで彼を復調させたのだろう」
「レースのたびにパフォーマンスが良くなっていった。ブラジルでは予選は良かったものの、レースはそれほどでもなかった。彼はそれを分かっていて、アブダビでは素晴らしい結果を出してくれた」
「スランプを脱出して最終戦を勝利で締めくくり、そのポジティブな勢いを維持したまま冬を過ごすというのは、まるで医者が出した処方箋のようなストーリーだ」
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