スーパーフォーミュラ・ライツ:山本左近が2010年以来のフォーミュラに「目標は完走です」
12月17日から、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の今季最終ラウンド『REBELLION 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦・第16戦・第17戦』の専有走行がスタートした。この大会にB-MAX RACING TEAMから参戦することになった元F1ドライバーの山本左近が、ひさびさにフォーミュラカーのコクピットに乗り込んだ。
2006年にスーパーアグリからF1にデビューした後、2007年にスパイカー、2010年にHRTからF1に参戦した左近。今回、スーパーフォーミュラ・ライツ最終ラウンドへのスポット参戦が決まり大きな話題となったが、フォーミュラのドライブは2014-15シーズンのフォーミュラEにアムリン・アグリから参戦して以来だ。
そして、スーパーフォーミュラ・ライツには前身である全日本F3選手権に2004年に参戦して以来の“復帰”となる。2004年の全日本F3は、中嶋一貴やロニー・クインタレッリ、横溝直輝、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、柳田真孝、武藤英紀、ファビオ・カルボーンらが争っていた時代だ。
そんな左近だが、日曜にシートを作り、この日は8時50分の専有走行1回目から走行を開始した。フォーミュラEに参戦したときに使用したヘルメットを被った左近は、F1時代のままの鋭い眼光をヘルメット越しにみせた。
「今日は午前中2時間、午後に2時間乗りました。F3クラスのクルマは16年ぶりになりますが、ハイレベルなダウンフォース量が出ているクルマの動き方をします。ブレーキングやハイスピードコーナーなど、すごく次元が高いクルマだな、という感想です」と左近はスーパーフォーミュラ・ライツのダラーラ320について評した。
この日は8時50分からの1回目では、「シートの確認をしたり、ペダルのポジションなど、走るための基本的なものを確認し、習熟走行を行いました。ひさびさのフォーミュラなので、ブレーキングの感覚など、クルマよりもドライバーとしてのフィーリングを呼び覚ますことをターゲットにしていました」と33周を走り、1分34秒782というベストタイムをマークした。
午前の専有走行1回目のフィーリングをピットに伝え、セットアップを進めながら臨んだ13時からの走行2回目は、ショートスティントを繰り返し、最後はニュータイヤを投入。最後は1分33秒669というタイムをマークし、レギュラー参戦組を上回る6番手で走行を終えることになった。
「もう少しセオリーとしては上がる状態だったので、33秒台フラットはいけるのかな……と思っていました。当然トップにはいけないまでも、上位集団のどこかにいけるのかな? というのが今日の感想です」と左近は初日を振り返った。タイム差を見ても、ポイント獲得圏内での戦いは充分に可能なようにも思えるさすがの結果となった。
ただ、週末のレースについて目標を聞くと「完走です(笑)。最後まで走りきりたいです」という。
「これだけブランクが空いていて、スーパーフォーミュラ・ライツというこれほどGがかかるクルマに乗るのは10年ぶりくらいなんです。なので、首や腰などかなり体は辛いです」
「これだけGを感じられるクルマでレースをできる機会はなかなかないので、そういう意味で言うと日曜までの3レースで、体力がもてば良いと思っています。でも、予選一発はちょっと頑張っていきたいですね」
今回、B-MAX ENGINEERINGから参戦する本山哲と同じレベリオンカラーで挑む左近は、大会のなかでも注目の存在と言える。勢いをみせる若手相手に、38歳の左近がどんな戦いをみせるのか、楽しみなところだ。
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