フェラーリ会長、F1撤退を示唆する発言は「こけおどしではない」と再度主張
フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネはF1からのフェラーリ撤退を示唆してきたが、これについては懐疑的な意見も見られている。しかしマルキオンネは、警告を真摯に受け取らない者たちは無用なリスクを冒していると主張する。
マルキオンネは先月、F1が各チームに提示した2021年以降の新規約要綱に関する膨大な資料を精査した後に、変革によってフェラーリとF1双方の利害が釣り合わなくなるのであれば、選手権からの撤退も辞さないと警告した。
フェラーリは過去にも、しばしばこのスポーツに混乱を引き起こすような脅しをかけてきたが、実際に行動に移したことはない。専門家たちはマルキオンネによる今回の警告も以前と同様のものだろうと考えているが、フィアット・クライスラー・オートモービルズのCEOでもある彼は極めて真剣であるという。
フェラーリが月曜日に開催したメディアとのクリスマスディナーで、マルキオンネは、以下のように語った。
「2020年から2021年の規程変更に関する我々の発言をこけおどしだと言う者がいるが、彼らは無用のリスクを冒している」
「状況は2015年に変わっている。それ以降は、我々が何かを行うと警告したら必ず実行してきたということは周知の事実だ」
「我々にとって最大の利点は、現行の(各チームとF1との間の)コンコルド協定が以前の内容と大きく変わり、契約上での自由度が増している点だ。これはリバティ・メディアになってからも変わらない」
「以前の協定では、チーム側が競技を離れた部分で別のアイデアを検討することは不可能だった。今なら、興行の見地からF1と似たような別の何かを創設することの可能性を検証できる」
マルキオンネにとっての論点は、コスト削減や独立系エンジンマニュファクチャラーの誘致を目的として、F1がエンジンをよりシンプルな構造にすべく規約要綱の簡素化を図っていることにある。
「私にとって悩ましいのは、F1で長い経験を持つ人物、つまりロス・ブラウンがリバティ・メディア内部にいて、彼がこのスポーツのDNAとは違う方向に物事を進めようとしていることだ」
「我々はF1の歴史の一部としてこれまでやってきた。だからこそ、でたらめなことがあることも分かるし、F1を理解している。フェラーリにはF1専門のレース部門があり、F1を熟知しているのだ」
「(リバティと)我々の利益が上手くバランスを取れるように努力すべきだ。だが私は、フェラーリのF1撤退を回避するために、限られた時間の中でもその結論まで到達できると考えている」
伝統あるマニュファクチャラーのフェラーリとF1経営陣との対立がこのまま続くようであれば、複数のチームが協力して動くことにより、F1と競合するレースシリーズの創設は容易に可能だとマルキオンネは考えている。
「2020年から2021年にかけて、F1の代わりとなる選手権を始める可能性だってある。だが、私はできればそれは避けたい」とマルキオンネ。
「私はF1で続けていきたい。だが、レースのたびにフェラーリのDNAを示せる場を失わないためには、互いの妥協点を見出さなければならない」
「もしそれができなければ、フェラーリはF1を去ることになる。仮にフェラーリが他のチームにも撤退を促せるとしたら、それは経済的な観点から検討すべきことだが、実現は可能だと私は考えている」
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