プジョー9X8、クリスマス前にポール・リカールで24時間耐久テストを実施。2022年の問題点を修正
2023年にWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスへのフル参戦を控えるプジョー9X8が、南フランスに位置するポール・リカールでの24時間耐久テストを実施した。
2022年第4戦でシリーズへのデビューを飾った“ウイングレス”ハイパーカーは、クリスマス前の数日間、ジャン・エリック・ベルヌ、ポール・ディ・レスタ、ミケル・イェンセン、グスタボ・メネゼス、ロイック・デュバル、ニコ・ミューラーという6人のレギュラードライバーによって走行した。
プジョーの広報担当者によれば、今回南フランスのサーキットで走行した9X8は1台であり、「昼夜のコンディションで安定して走ることができた 」としている。今回のテストでは、雨天時の走行も行われたという。
プジョー9X8は2022年のル・マン24時間レースには参加していないものの、夏にスペインのモーターランド・アラゴンで36時間の耐久シミュレーションを行っており、今回が初の長距離走行というわけではない。
広報担当者はポール・リカールでのテストについて「実際のレース状況をシミュレートすること」、そしてル・マン24時間レースと3月に始まるWECの2023シーズンに向けて「チームの結束を固め、技術的選択を検証すること」が目的であったと述べている。また、2022年のWECで発生した「問題点を修正する」機会にもなったという。
プジョーは2022年シーズンの最後の3戦、モンツァ、富士、バーレーンを戦った。同じル・マン・ハイパーカー(LMH)規定のライバルであるトヨタGR010ハイブリッドに対して競争力がある兆候は見せたものの、各レースでテクニカル・トラブルに直面した。
デビュー戦のモンツァで1台はパワートレインのトラブルに見舞われ、もう1台はオーバーヒートに悩まされた。富士では、プラグの緩みによって2台ともが同じトラブルに見舞われた。
93号車はバーレーン8時間レースで表彰台を狙える走りを見せたが、レース中盤にギヤボックスにトラブルが発生。一方、94号車は燃料ポンプを交換し、優勝したトヨタから6周遅れでフィニッシュした。
プジョーのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、バーレーン戦の後、年内に耐久テストを実施する必要性を示唆していた。
来季のWECハイパーカー・クラス参戦に向けては、他のLMH、LMDhメーカーも耐久テストを行っている。
ポルシェ・ペンスキーモータースポーツとキャデラック・チップ・ガナッシレーシングは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦準備も兼ね、アメリカのセブリングで夜を徹してLMDhプロトタイプを走らせた。
また、LMHマニュファクチャラーであるフェラーリは、499Pでアラゴンでの耐久テストを行っている。
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