「目の前が開けてゴールが見えた」那覇西・宮國がスーパーゴール 沖縄県勢5年ぶり初戦突破
サッカーキング2018年12月30日(日)22時51分
宮國の振り抜いた右足から同点弾が生まれた [写真]=野口岳彦
取材・文=篠幸彦(提供:ストライカーデラックス編集部)
「あれはベストゴールだったと思う」。勝利した那覇西・平安山良太監督は教え子のスーパーゴールを笑顔で称えた。
平成最後の選手権の開幕戦。快晴に恵まれた駒沢陸上競技場のピッチには強風が吹き荒れていた。その風を味方につけるように、風上に立った駒澤大高は前半から果敢に前へ出て攻めた。那覇西が蹴るボールは前に進まず、駒澤大高の激しいプレスに苦しんだ。ただ、那覇西が大きく崩れることはなかった。
「向こうがこちらの気持ちが折れるのを待っていた。根性勝負になると。前半の展開は想定どおりだった」(平安山監督)。平安山監督は風下に立つ前半は押し込まれても粘り強く、落ち着こうと選手たちを鼓舞した。パワープレーを受けても、気持ちでは受けに回ってはいけないと、那覇西は耐え続けた。しかし、その粘りが前半終了間際の36分に駒澤大高FW原田大渡のゴールで破られる。地元の大声援が一気に湧き上がり、駒澤大高に流れが大きく傾いたまま前半が終わった。
沖縄県勢はここ4年連続で初戦敗退している。ハーフタイムで、また敗退の二文字が脳裏をよぎりそうだった。それでも那覇西の気持ちはなんとか持ち堪えていた。「前半はゼロで抑えたかった。でも最低限の0-1で折り返してくれたのは、気持ちが折れなかった要因だった」(平安山監督)
さらに後半13分、エースのFW高良竜太朗が足をつって交代。同点に追いつきたい那覇西にとっては痛恨と思われた。しかし直後の後半16分だった。高良が抜けたトップに右サイドMFからポジションを移したFW宮國永遠が、後方からのロングボールを中盤中央で受けるとすぐさま反転。そこへ駒澤大高DF稲井宏樹が素早く詰め寄るが、宮國は冷静に股抜きでかわした。次の瞬間、目の前に空いたスペースにボールを持ち出し、右足を一閃。「相手を一人かわして顔を上げたら目の前が開けてゴールが見えた。あとは体が自然と反応した」(宮國)。迷いなく右足から放たれたボールは、やや右に曲がりながら鋭くゴールネットに突き刺さった。誰の目から見てもスーパーゴールだった。
「決まった瞬間、何も聞こえなかった。でも沖縄から応援に来ているみんなと分かち合いたくて、みんながいるスタンドに走っていきました」(宮國)。起死回生の一発を決めた那覇西は息を吹き返し、風上の力も借りて駒澤大高へさらに攻め立てた。
だがゴールは奪えず、試合はPK戦へ突入した。互いに1本ずつを外し、サドンデスは10人目まで決め続けて譲らなかった。そして最後の11人目の駒澤大高キッカーGK宮崎雅崇のキックを那覇西GK新垣凱斗は残した左足ではじくと、その後自らがキッカーとなりゴール左上角へ豪快に決めた。
「沖縄県勢は4年連続初戦を突破できていない。その歴史を自分たちの代で変えるという気持ちで臨んでいた」という宮國の入魂の一発が望みをつなぎ、沖縄県5大会ぶりの初戦突破を手繰り寄せた。
「あれはベストゴールだったと思う」。勝利した那覇西・平安山良太監督は教え子のスーパーゴールを笑顔で称えた。
平成最後の選手権の開幕戦。快晴に恵まれた駒沢陸上競技場のピッチには強風が吹き荒れていた。その風を味方につけるように、風上に立った駒澤大高は前半から果敢に前へ出て攻めた。那覇西が蹴るボールは前に進まず、駒澤大高の激しいプレスに苦しんだ。ただ、那覇西が大きく崩れることはなかった。
「向こうがこちらの気持ちが折れるのを待っていた。根性勝負になると。前半の展開は想定どおりだった」(平安山監督)。平安山監督は風下に立つ前半は押し込まれても粘り強く、落ち着こうと選手たちを鼓舞した。パワープレーを受けても、気持ちでは受けに回ってはいけないと、那覇西は耐え続けた。しかし、その粘りが前半終了間際の36分に駒澤大高FW原田大渡のゴールで破られる。地元の大声援が一気に湧き上がり、駒澤大高に流れが大きく傾いたまま前半が終わった。
沖縄県勢はここ4年連続で初戦敗退している。ハーフタイムで、また敗退の二文字が脳裏をよぎりそうだった。それでも那覇西の気持ちはなんとか持ち堪えていた。「前半はゼロで抑えたかった。でも最低限の0-1で折り返してくれたのは、気持ちが折れなかった要因だった」(平安山監督)
さらに後半13分、エースのFW高良竜太朗が足をつって交代。同点に追いつきたい那覇西にとっては痛恨と思われた。しかし直後の後半16分だった。高良が抜けたトップに右サイドMFからポジションを移したFW宮國永遠が、後方からのロングボールを中盤中央で受けるとすぐさま反転。そこへ駒澤大高DF稲井宏樹が素早く詰め寄るが、宮國は冷静に股抜きでかわした。次の瞬間、目の前に空いたスペースにボールを持ち出し、右足を一閃。「相手を一人かわして顔を上げたら目の前が開けてゴールが見えた。あとは体が自然と反応した」(宮國)。迷いなく右足から放たれたボールは、やや右に曲がりながら鋭くゴールネットに突き刺さった。誰の目から見てもスーパーゴールだった。
「決まった瞬間、何も聞こえなかった。でも沖縄から応援に来ているみんなと分かち合いたくて、みんながいるスタンドに走っていきました」(宮國)。起死回生の一発を決めた那覇西は息を吹き返し、風上の力も借りて駒澤大高へさらに攻め立てた。
だがゴールは奪えず、試合はPK戦へ突入した。互いに1本ずつを外し、サドンデスは10人目まで決め続けて譲らなかった。そして最後の11人目の駒澤大高キッカーGK宮崎雅崇のキックを那覇西GK新垣凱斗は残した左足ではじくと、その後自らがキッカーとなりゴール左上角へ豪快に決めた。
「沖縄県勢は4年連続初戦を突破できていない。その歴史を自分たちの代で変えるという気持ちで臨んでいた」という宮國の入魂の一発が望みをつなぎ、沖縄県5大会ぶりの初戦突破を手繰り寄せた。
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