レパートリーが豊富すぎ...! 「自販機で買ったモノ」を集めて宴を開いてみた結果【後編】
昨今、飲み物や軽食に留まらず、スーパーやレストランで買うような食材を販売する自販機が各地で設置されるようになってきた。
記者の在住する神奈川県内にも、変わった自販機の目撃情報がネット上に複数挙がっている。
その情報をもとに、記者は2021年12月17日、20日の二日間をかけ、県内のユニークな自販機を巡った。
自販機めぐりの様子は【前編】へ
7種類の自販機を回り、集めたのは8つの商品。
机に並べてみるとスーパーかコンビニ帰りにしか見えないが、全部自販機で買ってきたものである。
後編となる今回は、いよいよ集めた食材たちを実食していく。量が多いので、2回に分けて調理した。
ラーメン、シュウマイをメインにした「中華風セット」
第1弾は「横浜家系醤油ラーメン」と「豚肉焼売」を主軸にした「中華風セット」を作ってみよう。
まずは、沸騰させたお湯で冷凍のラーメンを10分ほど茹でていく。
同時進行でスープを湯煎し、シュウマイも温める。自宅にタジン鍋があったので、せっかくだしシュウマイは電子レンジではなくタジン鍋で蒸して温めてみた。
ゆで上がったラーメンをスープに入れ、付属のチャーシューと海苔を添えてどんぶりに盛ったら完成。街で家系ラーメン屋の前を通った時に漂ってくる、あの匂いがした。
ラーメンとシュウマイが完成したら、残りは「渾身の白だし」と「ネギキムチ」だ。キムチはそのままで、白だしは卵かけごはんにかけていただくことにした。
お店のメニューでは......?
おお、なんだか本当に中華料理屋とか定食屋のメニューっぽくなった。この状態だけ見せられたら、白飯と生卵以外は自販機で買ったものだとは、まず思わないだろう。
見た目だけでなく、味もなかなか本格的。ラーメンは店で食べる家系醤油ラーメンにだいぶ近いし、シュウマイも普段食べる冷凍食品より美味しく感じた。
「ネギキムチ」はかなり辛かったが、歯ごたえはシャキシャキとしていて美味しい。白だしをかけた卵かけごはんも鰹の風味が利いていて箸が進んだが、記者はもう少し濃いめの味付けが好みなので、ちょっと醤油を足しても良かったかもしれない。
この1セットで、概算して約1200円。味も量も申し分ないし、ほぼ自販機産の食材だけでも十分満足できる1食になった。
大盛りパスタとクラムチャウダーの「洋風セット」
第2弾は、「パスタソース2人前×2種」と「手作りクラムチャウダー」を主軸にした「洋風セット」という形でまとめてみた。
まずはパスタだが、「パスタソース2人前×2種」には「ラグー ナポレターナ」と「ジェノベーゼ」の2種類があり、今回は前者を試してみることに。
パスタ麺は自宅にあったものを茹でて使う。茹でている間、事前に解凍しておいたソースを数分ほど湯煎した。あとは、ゆで上がったパスタにソースをかけ、付属のモッツァレラチーズを乗せたら完成だ。
1袋が2人前であることをすっかり忘れてしまい2人前で作ったのでボリューミーになったが、美味しそうなのでまぁヨシとしよう。
クラムチャウダーも事前に解凍させたものを湯煎して、1人前分を器に盛るだけなので簡単だ。
これでひとまずメインは完成。あとは「TAKEIのカレードレッシング」と「ほっこりあったか」の焼きいもだ。
焼きいもはそのまま電子レンジで温めるとして、「TAKEIのカレードレッシング」はシンプルにサラダにかけて食べることに。カレー味のドレッシングだし、ということで野菜はそれに合いそうなジャガイモを使ってみた。
タジン鍋でジャガイモとニンジンを蒸して、ドレッシングをかけて完成。ほんのりカレーの香りがして食欲をそそる。
第1弾の「中華風セット」とはガラリと変わって、洋食屋さんとかレストランのメニューっぽい雰囲気になった。こちらも、ほとんどの食材を自販機で購入してるとは思えないレベルだ。
パスタソースやクラムチャウダーの味も、市販のレトルトのものと比べると本格的な「お店の味」という感じ。
「ラグー ナポレターナ」のソースは、単体だとトマトの酸味が結構強めだった。
これだけでも美味しいが、そこにモッツァレラチーズを混ぜ込んで食べると、チーズのまろやかさがソースの酸味とマッチしてさらに食べやすくなった。
パスタを食べながら、クラムチャウダーも一口。クリーミーなスープの中には、アサリや細かく刻まれた香味野菜がたっぷり入っている。
記者はどちらかと言えば貝類は苦手なのだが、これはペロリと食べきってしまった。
カレードレッシングは、思っていたよりカレー味の主張が強くなく、マイルドでクリーミーな感じだ。これがまたジャガイモとニンジンによく合う。パクパクつまんでおかわりもしてしまった。
焼きいもは、同じ値段ならさすがに焼きいも屋台やスーパーで売られている物の方が好みだったが、それでも十分甘みがあってデザート代わりにはぴったりだった。
「洋風セット」に使った食材費は、パスタ麺と野菜を除けばざっと計算して1100円くらい。味や量を考えれば、ランチとしては結構リーズナブルなんじゃないだろうか(実はパスタは2人前だし)。
お店で食材を買って調理した物や、レストランでプロが作る料理はもちろん美味しい。
しかし、こうして自販機を活用して一食用意してみるというのも、たまには悪くないかもしれない。
皆さんも近所で変わった自販機を見かけたら、一度試してみてはいかがだろうか。
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