「戦争反対、世界平和のため」50年以上も右手を“挙手”し続ける男性、腕は曲がらず、手も開かず…
学校の授業中に質問がある場合は“挙手”しなければならないが、記者会見のように質問者が多い場合は何度も挙手せざるを得ない場合もあるだろう。何度となく手を挙げていれば疲れてもくるが、この世にはなんと50年間ずっと手をあげっぱなしの男性がいる――。
■右手の挙手で「戦争に反対し、世界平和を支援する」
50年以上もの間、起床時には常に右手を“挙手”し続けているインド人男性が話題だ。
敬虔なヒンドゥー教徒であるアマル・バーラティ氏は、若い頃にはニューデリーで事務員として働いていたのだが、1970年にヒンズー教の主要神であるシヴァ神への信仰心を深めようと仕事を辞めて出家し、妻と3人の子供と友人たちと別れた。
信仰の道に専念することになったバーラティ氏だが、自分はまだまだ俗世間との関りを断てていないと自覚することが再三再四あり、1973年からは「戦争に反対し、世界平和を支援する」という献身のポーズとしてずっと右腕を上げていることを決意したのである。
それはもちろん簡単なことではない。その決意から2年間、激しい痛みに耐えた後、右腕の感覚は失われ腕の筋肉が極端に萎縮して今日に到っている。50年以上、ずっとこの右手は挙手したままなのだ。
バーラティ氏は苦行僧として「解脱(モクシャ)」に到達するあための、極端な自己規律行為としてこの右腕の挙手を続けている。
現在進行形のあまりにも長い間の挙手によって、バーラティ氏は今や右腕を曲げることができず、手が自然に閉じてしまう。伸び放題の指先の爪はまるでバネのようにとぐろを巻いている。
歴史系ウェブメディア「History of Yesterday」のインタビューでバーラティ氏は次のように語った。
「なぜ私たちは息子同士で争っているのでしょうか? なぜ私たちの間にこれほど憎しみと敵意があるのでしょうか? 私はただ、すべてのインド人、そして全世界が互いに平和に暮らすことを望んでいます」
バーラティ氏は死ぬまで腕を上げ続けるつもりで、それが最終的に世界平和につながることを願っている。
バーラティ氏を紹介したXアカウント「Morbid Knowledge」の投稿には多くのXユーザーがコメント欄に書き込んでいる。
「まあ、彼には敬意を表しますが、それは完全にナンセンスです」とあるユーザーは冗談交じりに語る。
「彼の腕があの位置で結合してませんか? したがって今だけは動かなくなっていると思います。つまり厳密に言えば、彼は今“チートモード”になっています」と別のユーザーは書き込んでいる。
バーラティ氏の信奉者の多くは彼の“苦行”を「希望の光」と呼び、同じく何年にもわたって自ら腕をあげている者もいるということだ。
世界平和のためのこの“苦行”をどう理解すればよいのかわからないが、この先も生涯にわたって右手を挙手し続けることでバーラティ氏は「解脱」の境地に到達することになるのだろうか。
参考:「UNILAD」ほか
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