「給食で牛乳を強要されてPTSD」静岡県で訴訟に発展 給食ハラスメントはどうしたら防げるのか?
静岡県駿東郡長泉町で、当時小学6年生の少年が担任から給食の牛乳を飲むよう強制されてPTSDを発症したとして、少年と家族が町を相手取り、250万円の慰謝料を求める訴えを起こした。
NHKによると、少年は学校に対して事前に、牛乳が飲めない体質であることを伝えていたにも関わらず、3か月以上毎日のように、教員から牛乳を飲むよう強要されていたという。
近年、給食の完食を強要するといった過剰な給食指導が度々問題になっているが、会食恐怖症克服支援協会で代表理事を務める山口健太さんは、「報道を見る限りだと、教員の指導は不適切」だと話す。
「苦手なものを無理やり食べさせられることでトラウマになり、その後の人生に影響してしまうことだってあります。良い指導だったとは言えないと思います」
強制的に食べさせるのではなく「双方向のコミュニケーションを」
また、牛乳が飲めないことを家族が学校に伝えていたことが事実であれば、「教員がこれをどのように受け取っていたのか気になるところです」とも話していた。報道によると、少年には感覚過敏の症状があったという。
会食恐怖症克服支援協会が設けている相談窓口には、給食を無理やり食べさせられる「給食ハラスメント」の相談が寄せられるという。多くは保護者からの、「学校で完食を強要された」というもので、教員からの相談は少ない。
「先生自身も、子供の頃に同じように無理やり食べさせられる指導を受けていて、それをそのまま教え子たちに繰り返しているのではないかと思います。強制することに問題意識を感じていない人も多いのではないでしょうか」
山口さんは、教員が子どもに向かって「食べなさい」と命令するのではなく、双方向のコミュニケーションを取って指導することが大事だと話す。
「嫌いなものがあったときには、『一口だけでも食べてみる?』などと話してみるのが重要だと思います。それができたら、今回のような問題も起きなかったのではないかと思います」
学校によっては、地域の食文化が反映され、独自のメニューになっているところもある。教室で子どもに向き合う先生だけでなく、校長も含めて連携し、メニューや指導を工夫する必要があるとも訴えていた。
給食指導を巡っては、昨年9月、岐阜市の市立小学校で、給食を残さず食べるよう指導された児童5人が嘔吐。市は、教員の指導が不適切だったとして厳重注意処分を下している。
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