医師の8割「医師の働き方改革は期待していない」と回答 「患者の病状はコントロール出来ない」「一律な基準を当てはめるのは困難」
エムステージは7月2日、「医師の働き方改革」に関するアンケート結果を発表した。「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」の会員医師2万2000人からの回答を得た。
先日成立した働き方改革関連法案には、時間外労働の上限規制が含まれていたが、医師は医師法に基づく「応召義務」などの特殊性から、5年先送りとなった。厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」で、規制のあり方や労働時間の削減が検討される中、労働環境や意見についての調査を実施した。
「医師の働き方改革に関する検討会を知っているか」と聞いたところ、「聞いたことはある」(58%)が最も多く、次いで「よく知っている」(12%)、「知らない」(30%)と続いた。
医師の働き方改革の必要性については、「必要ではある」(52%)と「非常に必要だ」(20%)の合計が7割を超えた。
「休暇を取った際、代理をする医師の数が増えるとも思わない」という声も「医師の働き方改革によって、現在の勤務先の労働環境に良い影響があることを期待しているか」と聞くと、「とても期待している」はわずか2%だった。一方で、「それほど期待していない」(41%)と「全く期待していない」(20%)を合わせると、期待をしていないという声が約6割だった。
期待できない理由については
「患者さんの病状はコントロール出来ない。現場に立つ限り、仕事が忙しいとか、きついとか言える職業では無いと思う」
「病院、科ごとに異なるわけでお役所がつくった一律な基準を当てはめるのは困難」
などの回答があった。
残業に対する考え方を聞いたところ、「残業せずに帰宅し、プライベートの時間をきちんと確保したい」(43%)が最も多く、次が「残業せずに帰宅したいが、患者の状況などで難しいため我慢している」(38%)だった。8割を超える医師が、残業せずに帰宅したいと希望していが、現状としては患者の状況などで難しいことがうかがえる。
「5年後をめどに、医師の残業上限規制が適用される予定だが、その際に困ると想定されることはあるか」の問いでは、「特に困る事はない」(61%)という回答が最も多かった一方、「十分な診療ができず、医療ニーズを満たせなくなる」(26%)、「残業代が減り、収入が減ってしまう」(10%)と考える医師も一定数おり、意見が割れた。
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