ロシア旅行中に食あたり、病院で「20リットルの水を一気に飲まされ吐かされた」ある男性の思い出
画像はイメージ
「海外旅行で食べ物が合わず大変なことになった」とはよく聞く話だが、それが子どもの頃に一人で参加した旅先で起こったという人がいる。関東圏に住む20代の男性は2000年代前半、当時12歳のとき自治体が募集するロシア旅行の団体ツアーに参加した。ところが
「食べ物が合わずに旅先の病院に入院しました。胃洗浄を行う必要があるとして20リットルの水を一気に飲まされ無理やり吐かされ、得体の知れぬ錠剤を毎日5錠くらい飲まされました」
という事態に直面する。一体なにがあったのか。編集部では男性に詳しく話を聞いた。
「せっかくロシアに来て何をしてるんだろう……と悲しくなりました」
「ツアーで集まったのは同年代の子どもたちです。親元を離れて数週間ロシアで暮らしてみる、みたいな感じだったと思います。海外に行けるってことに凄く魅力を感じたので参加しました」
ロシアに到着すると街を観光し、「後は現地の子どもたちとの交流がありました」と振り返る。
「食べ物は、普通のロシア料理を普通においしくいただきました。ボルシチだけは覚えています。何か変なものを食べたとかは無かったと思います」
楽しく過ごしていたはずが、到着後4日目に男性の身体に異変が起こる。
「下痢と嘔吐を繰り返しました。ロシア語は一つもわからなかったのですが、周囲の大人たちの『何かの感染症? やばい?』みたいな雰囲気は伝わってきました。病院に搬送され、コップを使って大量の水を飲まされ、その気持ち悪さから飲み終えた直後に戻しました。胃洗浄の意図があったようですが、地獄でしたね」
その後、およそ3日間の入院生活では「謎の錠剤をたくさん飲まされた」というから恐ろしい。
「得体の知れぬ錠剤を毎日5錠くらい飲まされました。日本の病院とは違った雰囲気で心細く、入院しなければもっと色んな観光地を巡れたのに、せっかくロシアに来て何をしてるんだろう……と悲しくなりました」
他の子どもたちが旅を満喫している頃、ひとり治療に専念していた男性。とはいえ、退院する頃には問題なく元気になり、無事ツアーに合流して他の子どもたちと一緒に帰途についた。他の子どもからは「何ともなくてよかった」と声をかけてもらったという。実際は何ともないどころではなかったが……。男性はこの件をこう振り返る。
「子ども心に日本の病院とは処置の仕方や飲む薬の量が違うのだと実感しました。食べ物が合わなかっただけでまさか入院するとは思いませんでしたが」
なんにせよ、当時は子どもだけでロシア旅行に送りだせるほど平和だったのだ。この件でロシアに対する印象はどうなっただろうか。また訪れてみたいか聞いてみると
「はい、戦争が無ければまた行きたいとは思っています」
と答えた。再び安心してロシアを旅行できる日が来るといいのだが。
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