岡山大学、教育ビッグデータ活用のeラーニングで児童の意欲向上
リセマム2018年9月28日(金)15時45分
岡山大学は2018年9月27日、教育ビッグデータを活用したeラーニングで、児童の意欲を確実に向上させられることを実証したと発表。解析されたフィードバック情報を教師と保護者が指導に生かすことで、意欲低位層を平均レベルにあげるという結果が得られたという。
岡山大学によると、漢字や英単語などは、長い時間をかけて何十回も勉強しなければ覚えられないが、年間を通じて完全に習得するまでをサポートする方法はこれまでなかったという。教育の領域におけるさまざまな問題について、原因の多くは、精度の高いデータがなかったため、教育に科学的手法が導入できなかったことにあると分析している。
そこで、岡山大学大学院教育学研究科寺澤孝文教授は、年単位でなされる何十万という学習やテストの詳細なスケジュールを緩やかに制御し、高精度の膨大な学習データ(高精度教育ビッグデータ)を収集する技術「マイクロステップ・スケジューリング」を確立。収集されたビッグデータを解析することで、これまで見えなかった微細な学習の積み重ねの効果を、子どもひとりひとりに対して可視化することを実現し、学習するほど成績があがっていくグラフをフィードバックできるようになった。
2016年度に長野県高森町にて、このeラーニングシステムを初めて社会実装したところ、フィードバック情報を教師と保護者が指導に生かすことにより、主体的学習意欲が著しく低かった小学5年生の児童たちの意欲が半年間で着実に向上することを実証した。具体的には、毎日のeラーニング(5~10分)の最後に、意欲などを測定するアンケートを入れて、年間を通じてそのデータを収集。そのアンケート項目のうち、自主的学習態度の得点が極端に低かった児童の得点が、フィードバックを受けるタイミングに対応して上昇し、平均レベルに到達することが示された。
寺澤孝文教授は、この成果を利用することで、いわゆる暗記学習といわれる学習はタブレットとビッグデータに任せ、学校では創造的思考力の育成や主体的学び、体験的学習などに時間を割けるようになるという。
また、同様のeラーニングを行えば、同様の成果が期待できることから、岡山大学と高森町は、学力・意欲に関して問題意識の高い自治体に対して、同様の支援を広げていく考え。そのほかにも、「2秒に満たない学習で語彙力は確実に伸びていく」「同じ英単語は1日に5回を超えて反復しても実力には効果を持たない」などの事実を見つけたとしている。
この研究成果については、仙台市で9月25日から27日に開催された「日本心理学会第82回大会」で発表されたほか、岡山市で10月5日に開催される「平成30年度情報教育対応教員研修全国セミナー 第2回教育セミナー in おかやま」における講演で紹介されるという。
岡山大学によると、漢字や英単語などは、長い時間をかけて何十回も勉強しなければ覚えられないが、年間を通じて完全に習得するまでをサポートする方法はこれまでなかったという。教育の領域におけるさまざまな問題について、原因の多くは、精度の高いデータがなかったため、教育に科学的手法が導入できなかったことにあると分析している。
そこで、岡山大学大学院教育学研究科寺澤孝文教授は、年単位でなされる何十万という学習やテストの詳細なスケジュールを緩やかに制御し、高精度の膨大な学習データ(高精度教育ビッグデータ)を収集する技術「マイクロステップ・スケジューリング」を確立。収集されたビッグデータを解析することで、これまで見えなかった微細な学習の積み重ねの効果を、子どもひとりひとりに対して可視化することを実現し、学習するほど成績があがっていくグラフをフィードバックできるようになった。
2016年度に長野県高森町にて、このeラーニングシステムを初めて社会実装したところ、フィードバック情報を教師と保護者が指導に生かすことにより、主体的学習意欲が著しく低かった小学5年生の児童たちの意欲が半年間で着実に向上することを実証した。具体的には、毎日のeラーニング(5~10分)の最後に、意欲などを測定するアンケートを入れて、年間を通じてそのデータを収集。そのアンケート項目のうち、自主的学習態度の得点が極端に低かった児童の得点が、フィードバックを受けるタイミングに対応して上昇し、平均レベルに到達することが示された。
寺澤孝文教授は、この成果を利用することで、いわゆる暗記学習といわれる学習はタブレットとビッグデータに任せ、学校では創造的思考力の育成や主体的学び、体験的学習などに時間を割けるようになるという。
また、同様のeラーニングを行えば、同様の成果が期待できることから、岡山大学と高森町は、学力・意欲に関して問題意識の高い自治体に対して、同様の支援を広げていく考え。そのほかにも、「2秒に満たない学習で語彙力は確実に伸びていく」「同じ英単語は1日に5回を超えて反復しても実力には効果を持たない」などの事実を見つけたとしている。
この研究成果については、仙台市で9月25日から27日に開催された「日本心理学会第82回大会」で発表されたほか、岡山市で10月5日に開催される「平成30年度情報教育対応教員研修全国セミナー 第2回教育セミナー in おかやま」における講演で紹介されるという。
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