同時に16社から採用された中国人女性が3年間も“幽霊社員”だった! 高級マンション購入、就業詐欺で53人逮捕
同時に16社の企業に採用されて就業するも、3年間どこにも出社していなかった女性“幽霊社員”が話題だ――。
16社に採用され社員登用されたビジネスウーマン
今回のコロナ禍ではリモートワークやテレワークといった言葉が定着し、良くも悪しくも働き方の多様性が認知されるきっかけが生まれたといえる。
もちろん“現場”で働くだけが仕事ではないのだが、それでも今回のコロナ禍でリモートワークや“直行直帰”の多い社員の働きぶりをチェックする上司の負担が増えたのかもしれない。
中国国営新聞「新民晩報」の報道によると、中国人女性が同時に16社の会社に所属し、大規模で組織的な就業詐欺に関与していたことが判明して逮捕されたという。
どうすればそんなことが可能になるのか。報道によると中国人女性グアン・ユエ(仮名)は過去3年間、16の異なる企業に採用されて社員に登録されていながら、どの会社にも出勤していなかったという。それでもどの会社からも毎月給与が振り込まれたことで、上海の高級アパートを購入するほどまでに短期間で蓄財したのだった。
出勤はしていなかったものの、オンラインでの連絡はこまめに行っており、たとえば別の会社で就職面接を行った際には写真を撮り、所属している会社には取引先企業との会議に出席したなどと報告していたのである。
そして単独犯ではなく、どうやら彼女の夫が“マネジャー”となっていた組織的犯行で、最終的にこの事件に関連して53人が逮捕されたと同紙は報じている。
リモートワークで彼女が対応しきれないほど多くの仕事のオファーが来ると、こうした協力者に仕事が割り振られていたのだ。
報道によるとグアン・ユエの学歴とキャリアは申し分のないもので、多くの企業にとっては採用を検討したくなる履歴書を持つ人物であったという。そして実際に多数の企業に採用されるも出社することなく、実際の仕事は協力者に割り振っていたのだ。つまり広い意味でのタレントビジネスのようなスキームで収益をあげていた詐欺グループであったことになる。
就業詐欺グループが社会問題に
彼女の余罪はもっと以前にさかのぼると考えられるが、少なくとも過去3年間、同時に16社に雇用されてそれぞれから給与を得ていたという信じられない詐欺である。しかしあるきっかけで疑問を感じた雇用主の企業のCEOが、彼女が別の会社にも所属している証拠をつかみ警察に連絡したことで、トントン拍子にこの組織的就業詐欺が解明されたという。
驚くべきことにいくつかの企業には内部にも協力者がおり、たとえば人事部の社員が採用の後押しをしていたこともわかっているという。この社員はおそらく別のグループからの協力要請にも応じるのだろう。
「新民晩報」は、この種の就業詐欺は中国で大きな問題となっており、推定700~800のグループが常習的に雇用主から不当な収入を得ていると報じている。同紙によれば彼らは就職面接において非の打ちどころのない履歴書を携え(経歴詐称のケースもある)、担当者を感服させる雄弁を振るう“面接のプロ”であるということだ。
同紙によるとこれまではこの種の事件が発覚しても刑事事件として扱われることはほとんどなく、代わりに雇用法を通じて仲裁されたりすることでこうした詐欺グループは温存されてきたという。しかし今回のような悪質で組織的な詐欺の発覚によって、当局の厳罰化の動きが見えてきたのかもしれない。
そしてもちろん、今回のコロナ禍でリモートワークが普及したことでこの種の詐欺が容易になった背景もあるのだろう。コロナ禍明けの今日、各企業は一度“幽霊社員”の徹底的なあぶり出しを行ってみるべきかもしれない!?
参考:「Oddity Central」「Business Insider India」ほか
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