小田急線の朝の混雑、今度こそ改善? 「再び190%台に戻ることはない。上がっても160%程度」と自信
小田急電鉄は11月1日、来年2018年3月からのダイヤ改正を発表した。平日朝の「快速急行」を現在より25本増やすほか、「通勤急行」「通勤準急」を新設する。下北沢に8時前後1時間に到着する列車を例に取ると、改正直後の混雑率は192%から150%に改善する見込みだという。
喜多見〜世田谷代田間など既に複々線化が済んでいる区間では、つまり解消の効果が今回の改正は、複々線化に伴うもの。現在の小田急線は、上りと下りでそれぞれ1本の線路を持つ「複線」のため、各駅停車と急行が同じ線路を走る仕組みになっている。このため、本数が多いラッシュ時には、各駅停車が急行の進行を妨げ、急行の所要時間が日中よりかかってしまう不具合が生じていた。
複々線にしたことで上下それぞれで2本、合計4本の線路を使うことができるようになった。このため、同じ進行方向の列車でも、停車駅の多い列車と少ない列車を別の線路で走らせることが可能になり、これまでの不具合が解消されると見られている。
複々線化が行われるのは、小田急小田原線の登戸駅から代々木上原駅まで。小田急電鉄の広報担当者によると、和泉多摩川〜喜多見間は1997年、喜多見〜世田谷代田間は2004年に複々線化が完成しており、急行と各停のつまりの解消などの効果が出ていたという。
利用客が増えても「新聞や本を楽に読める程度」を維持できる見込みネットでは混雑率解消に期待する声が上がる一方、「ぬか喜びでないことを祈る」「あんまり変わらないような」など、疑問視する声もある。小田急線は新宿と神奈川のベッドタウンを繋ぐ路線で利用者が極めて多い。本当にこれで混雑が解消するのか大いに気になるところだろう。
同社広報担当者によると、小田急線の現在の混雑率は192%で、具体的には他の利用客と体が触れ合い、圧迫感がある程度だという。ダイヤ改正直後は、「つり革が全て埋まり、立っている人は自分の体の幅で新聞を広げたり、本を読んだりできる程度」の150%に改善される見込みで、改正から時間が経ち、他社線利用客が小田急線を使用するようになっても
「192%の今の状態に戻るというよりは、10%上がって160%程度になると予想しています」
と、混雑解消に自信を見せる。混雑率160%は、新聞や雑誌を楽な姿勢で読める程度だそうだ。
新ダイヤでは、東京メトロ千代田線と直通する「急行」「通勤準急」「準急」「各駅停車」が17本増える。都心部への移動利便性が上がる反面、直通運転が増えることでダイヤ乱れのトラブルが多発する可能性も高くなりそうだ。この懸念に関しては、ダイヤ乱れの発生防止と発生後の対応について教えてもらった。
今回の改正では、本数に加え車両数も8両から10両に増やすため、輸送率は40%ほど上昇するという。乗り降りがスムーズになると慢性的に遅れるリスクが減り、定時性が高くなるという。
ダイヤ乱れ発生後は、複々線のメリットを生かし
「2本のうち片方が使えなくなった場合は、通常は急行が走る線路で各停を走らせたり、臨機応変に対応します。遅れを吸収したり、収束を早めるなどの効果があると見込まれます」
とのことだった。
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