介護施設でポーカー、ブラックジャック... 異色の「カジノ風」デイサービスが誕生した理由
麻雀やポーカーを楽しめる介護施設が注目を集めている。その名も「デイサービス ラスベガス」。
自宅から通って介護サービスを受けるデイサービスの施設だ。
きっかけとなったのは、あるツイッターユーザーがつぶやいたエピソード。
なんでも、同僚のおじいちゃんがこの「ラスベガス」に通い始めたら、毎日明るくなった、というのだ。
一体どんな施設なのだろう。Jタウンネット編集部は、運営会社・日本シニアライフに取材した。
施設内通貨「ベガス」も
「ラスベガス」は家へのお迎えの段階から、一般的なデイサービスとはひと味違う。
デイサービスの送迎と言えば、施設の名前が書かれた白い車が思い浮かぶ人も多いだろう。しかし、「ラスベガス」に向かう人が乗り込むのは、黒いワンボックスカーだ。
日本シニアライフの「ラスベガス」担当者によると、
「送迎時に『介護を受けている事を知られたくない』というお気持ちに配慮してこの様な仕様にさせていただいております」
とのこと。この送迎車はハイヤーをイメージしているそうだ。
ハイヤー風の送迎車に乗って「ラスベガス」に到着した後は、健康チェックを受け、朝食を食べる。その後、全員で「ベガストレッチ」というストレッチ運動をするのだが、この運動も一風変わっている。
なんと、レディー・ガガの音楽に合わせてストレッチするのだ。
スポーツトレーナーが監修したというオリジナルの機能訓練で、10分間全身のストレッチを行う。
「ベガストレッチ」後は、レクリエーションの時間に使える施設内通貨「ベガス」が受け取れる仕組みになっている。「ベガストレッチ」は午前と午後に1回ずつ行われ、利用者はここで獲得する合計2万ベガスを使って、好きなレクリエーションに参加する。
用意されているのは、麻雀、ブラックジャック、バカラ、ポーカーなどのテーブルゲーム。公式ウェブサイトによると、ゲームを通して考えたり計算したり、利用者同士でコミュニケーションをとったりして「楽しみながら脳機能を活性化すること」が、テーブルゲームを利用する意図のようだ。
「麻雀については、上級者卓と初心者卓をわけたり、利用者様のご容態を加味したりした上で、職員も面子に入る等をして組み合わせを行います。
カードゲームについては、ディーラーである職員が利用者様が楽しまれるように盛り上げながらコミュニケーションをとります。
初めてのご利用者様には職員がお隣についてご一緒させていただいております」
と担当者。テーブルゲームの経験がなくても、職員に教えてもらいながら楽しむことができそうだ。
なお、「ベガス」はレクリエーションのみに利用でき、商品などへの交換はできないが、獲得したベガスに応じて日間・月間のチャンピオンを表彰しているという。
担当者によると、1日のサービスの中には、個別のリハビリや口腔ケア、入浴の時間も設けられているほか、パズルや塗り絵などの脳トレ、映画や談話を楽しむこともできる。また、ベガストレッチとは別に、1日3回、5分程度の運動も行っているという。
公式ウェブサイトによると、「ラスベガス」は利用者が「行きたい」と感じられる施設を目指して作られた。既存のデイサービスの利用者の80%は女性で、男性の中には「恥ずかしいから」「人とお話しするのが苦手だから」「楽しくないから」とデイサービスを利用したくないと考えている人が多いそうだ。
ラスベガスは現在、関東地方・中部地方を中心に23店舗を展開中。担当者によると、入浴設備のない小規模施設が4事業所あるものの、すべての施設で同様のサービスを受けられる。
月間1222人が「ラスベガス」を利用しており、そのうち約70%にあたる879人が男性とのことだ。
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